健康保険などの公的医療保険は、病気や怪我の治療に適用されます。薄毛治療は、美容目的の診療とみなされるため、治療費は全額自己負担となります。
薄毛が気になると「恥ずかしい」「他人に見られたくない」といった理由から、外出を控えている人も多いのではないでしょうか。男性だけではなく、女性も薄毛に悩んでいる人がたくさんいます。この記事では、女性の薄毛の原因や対策法や病院での治療方法などを解説します。薄毛が気になっている方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
参考:国税庁「医療費を支払ったとき」より
この記事でわかること!
「女性は薄毛にならない」は勘違い
薄毛といえば男性に多いイメージですが、女性だからならない訳ではありません。
男性型脱毛症(AGA)は男性ホルモンが主な原因ですが、女性は男性ホルモンの影響をあまり受けないため、薄毛の原因は別にあります。年齢に関係なく若い女性でも薄毛に悩むことがあります。
女性が薄毛になる原因
女性が薄毛になる主な原因を解説します。
ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモンには髪の毛を健やかに保つため、出産後や更年期に伴いホルモンバランスが乱れると薄毛を引き起こしやすくなります
ライフステージの変化だけでなく、睡眠不足や暴飲暴食などによって生活習慣が乱れると、女性ホルモンが減少し、抜け毛が悪化することもあります。
ストレス
強いストレスを感じると、自律神経が乱れて交感神経の働きが悪くなります。その結果、髪の毛を作る毛母細胞の働きが弱まってヘアサイクルが乱れ、薄毛に繋がることがあります。また、自律神経の乱れは女性ホルモン「エストロゲン」の分泌を少なくするため、髪が細くなる原因になります。
加齢
加齢とともに女性ホルモンの分泌量が減り、薄毛や抜け毛を招きやすくなります。加齢による毛髪の減少は、後頭部より頭頂部に現れやすいのが特徴です。
多くの場合、40代から髪が細くなってハリやコシが失われ、本数も減少していきます。50代になるとヘアサイクルが変化して休止期の毛髪の割合が増加し、さらに抜け毛が増える傾向があります。
喫煙
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させるため、喫煙すると髪の毛を作り出す毛母細胞に血液が巡りにくくなります。その結果、頭皮に十分な栄養が行き届かなくなり、毛の成長が抑制されることがあります。また、喫煙すると体内に「活性酸素」が大量に発生し、細胞の老化が加速した結果、髪の毛だけが細く薄く、まばらになる可能性が高いと考えられています。
間違ったヘアケア
「一日に何度もシャンプーをする」「汚れを落とすために強くこする」など、間違ったヘアケアも薄毛の原因になります。
洗いすぎによって必要な皮脂まで落としてしまうと、頭皮が乾燥し炎症などのトラブルを引き起こすことがあります。また、ドライヤーを使わずに自然乾燥すると細菌が繁殖して皮膚トラブルを起こし、薄毛を招くこともあります
女性の脱毛症の種類と対策
女性が薄毛になるおもな原因と対策法を6つ紹介します。
FAGA
FAGA(女性男性型脱毛症)とは女性の薄毛の総称で、頭部全体の髪が薄くなるのが特徴です。FAGAは40〜50代の女性に多くみられますが、まれに20代でも起こることがあります。原因ははっきり特定されておらず、ホルモンバランスの乱れや栄養不足、睡眠不足などと考えられています。FAGAを改善・予防するには生活習慣を整え、ストレスを溜めすぎないことが大切です。
びまん性脱毛症
女性の薄毛の原因で特に多いのが、びまん性脱毛症です。「びまん」とは「一面に広がる」という意味で、頭皮の一部分が脱毛するのではなく、全体の髪の毛が薄くなります。原因はホルモンバランスや自律神経の乱れ、不規則な生活などが挙げられます。薄毛を防ぐには1日3食栄養バランスの整った食事をとり、髪の毛の基となる「タンパク質」や髪の毛の成分を作るのに必要な「亜鉛」を含む食材を積極的に摂取すると良いでしょう。
円形脱毛症
円形脱毛症とは、円形や楕円形に髪の毛が抜け落ちて一部分だけ脱毛してしまう病気です。円形脱毛症は徐々に進行するのではなく、突然髪の毛が抜け落ちてしまいます。自己免疫疾患やストレス、女性ホルモンの減少などが主な原因です。そのため、円形脱毛症になってしまった場合はできるだけストレスを発散させるように意識し、頭皮マッサージをして血行を促進しましょう。
ひこう性脱毛症
ひこう(粃糠)性脱毛症は、主に頭皮の炎症が原因で全体的に髪が薄くなってしまう病気です。頭皮のかゆみや乾いたフケを伴うのが特徴で、男性ホルモンやストレス、アレルギーなどが関連していると考えられています。ひこう性脱毛症を予防・改善するには生活習慣や食生活を見直し、正しいヘアケアで頭皮を健康な状態に保つことが大切です。
脂漏性脱毛症
脂漏(しろう)性脱毛症とは、皮脂の過剰分泌によって頭皮環境が悪化し、抜け毛が進行する病気です。頭皮の強いかゆみや赤み、痛み、脂っぽいフケなどが出るのが特徴です。
思春期以降や30〜40代の方が多く、高温・多湿になる夏の時期は症状が悪化しやすい傾向があります。原因はホルモンバランスや生活習慣の乱れ、カビの異常繁殖などが挙げられます。
脂漏性脱毛症も生活習慣を見直し、正しいヘアケアで頭皮環境を整えることがおススメです。
牽引性脱毛症
牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)とは、髪の毛を強い力で長期間引っ張ることで頭皮にダメージが蓄積し、髪が抜ける症状です。ポニーテールや三つ編みをするときにヘアゴムできつく結ぶと頭皮に負荷がかかり、毛根の細胞を傷めてしまうことがあります。また、エクステも牽引性脱毛症の原因になる場合があります。
牽引性脱毛症による抜け毛を改善するには、髪に負担を与える行為を控えましょう。
対策しても治らないなら病院を受診
正しいヘアケアや生活習慣の見直しなど、セルフケアだけでは薄毛の症状が治らないことがあります。その場合、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。 【治療の副作用・リスク】個人差や体質により、下記事項が発生する可能性もありますのでご注意ください。
次に、女性の薄毛を治療できる診療科や病院での治療方法を紹介します。
治療名
副作用・リスク
パントガール
重篤な副作用は無し(ごく稀に頭痛、腹痛、下痢、めまい、動悸、胸やけなど)
ルグゼバイブ
重篤な副作用は無し(ごく稀にイライラ・動悸・不眠・神経過敏・胃腸障害・アレルギー症状など)
スピロノラクトン
アレルギー反応(かゆみ・蕁麻疹等)、動悸・息切れ、多毛症、むくみ、発熱、頭痛、乳房痛・腫れ、倦怠感、食欲不振
フィナステリド
アレルギー反応(かゆみ・蕁麻疹等)、赤ら顔、倦怠感、食欲不振
デュタステリド
乳房痛・腫れ、倦怠感、食欲不振
ミノキシジル(内服薬)
初期脱毛、動悸・息切れ、赤ら顔、多毛症、むくみ、立ちくらみ・めまい
ミノキシジル(外用薬)
初期脱毛、アレルギー反応(かゆみ・蕁麻疹等)、むくみ、立ちくらみ・めまい、発熱、頭痛
メソセラピー
アレルギー反応(かゆみ・蕁麻疹等)、施術箇所の痛み・腫れ・赤み
エクソソーム
アレルギー反応(かゆみ・蕁麻疹等)、施術箇所の痛み ※稀にアナフィラキシー反応があ
植毛
初期脱毛、アレルギー反応(かゆみ・蕁麻疹等)、施術箇所の腫れ・赤み ※自毛植毛の場合、傷口からの出血やショックロス、吐き気・嘔吐
女性の薄毛で受診するなら何科?
女性の薄毛は皮膚科、内科、薄毛専門のクリニックで治療可能です。
脱毛だけでなく頭皮のかゆみやフケなどのトラブルが見られる場合は、皮膚科を受診しましょう。全身疾患が原因で薄毛になっている場合、内科で治療が受けられます。
病院での治療方法
女性の薄毛を治療する方法は内服薬や外用薬、メソセラピーなどがあります。内服薬で主に使われるのは「ミノキシジル」や「スピロノラクトン」、外用薬で主に使われるのは皮膚に直接塗るタイプの「ミノキシジル」です。メソセラピーとは、薄毛を改善する成分を配合した薬を、頭皮に直接注入する治療法です。
女性におすすめの薄毛専門クリニック4選
薄毛は皮膚科や内科でも治療できますが、症状や原因によっては、薄毛治療専門クリニックが適している場合があります。ここからは、女性におすすめの薄毛専門クリニックを紹介します。 FAGAの基本治療フロー STEP1 STEP2 STEP3 STEP4 STEP5 STEP6 ※クリニックによりカウンセリング当日にすぐに治療を開始できる場合もございます。詳細につきましては各クリニックへお問い合わせください。
なお、FAGAの治療フローは以下のようになります。
オンライン検診
リアス銀座クリニック
・内服薬 初回2,980円、2回目以降15,000円 出典:リアスクリニック銀座院
リアス銀座クリニックは、女性専門の発毛治療クリニックです。専門医による頭皮診断、初診・再診費用がかかりません。独自のパーソナルメディカル発毛システムを用いることで、変化する身体の状態に合わせて一人ひとりの症状に適した治療方法を提供します。毎月無料の血液検査の実施や、完全個室制など安心して治療に臨むことができるクリニックです。
店舗名
リアスクリニック銀座院
診療時間
平日:11時〜20時
土日:10時〜19時
診療科目
FAGA・FPHL
治療方法
内服薬、オリジナル発毛薬、メソセラピー
RIAHSパーソナルメソセラピー、エクソソーム毛髪再生療法
平均費用(税込)
・オリジナル発毛薬 8,400円 〜 35,000円
・メソセラピー 20,500円 〜 150,000円
・RIAHSパーソナルメソセラピー 26,600円 〜 200,000円
・エクソソーム毛髪再生療法 56,900円 〜 250,000円
・初診、再診料、頭皮診断、毎月の血液検査 無料
ホームページ記載なし
予約方法
電話、LINE、Web
オンライン診療
対応不可
問い合わせ先
TEL:0120-822-877
アクセス
東京都中央区銀座2-10-11 マロニエ通り銀座館6F
地下鉄各線銀座駅 徒歩3分
JR有楽町駅 徒歩5分
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銀座総合美容クリニック
銀座総合美容クリニックでは、髪の毛の状態や希望に応じて「維持する治療」もしくは「生やす治療」2種類が用意されています。治療前に初回カウンセリングや医師の診察を受け、薄毛の進行度や希望に合う治療法を提案してもらえます。平日だけでなく土日祝日も営業しているので、無理なく通い続けられるのもうれしいポイントです。
店舗名
銀座総合美容クリニック 東京院
診療時間
月火木金土 11:00~20:00
日曜・祝日 11:00~19:00
(休診日:水曜日)
診療科目
AGA
治療方法
内服薬治療、ノーニードル育毛メソセラピー、ロースファクター育毛メソセラピー、ケトコナゾールシャンプー
平均費用(税込)
・治療開始に際しての初月価格
1,000円/月
・維持する治療
2,000円~7,150円/月
・生やす治療
9,700円~19,250円/月
治療開始時にご希望に沿った治療のゴールを設定
予約方法
完全予約制
オンライン診療
対応
問い合わせ先
TEL 0120-972-335
MAIL info@gincli.jp
アクセス
〒105-0004
東京都港区新橋1-9-5KDX新橋駅前ビル 4・5F
JR新橋駅銀座口より徒歩1分
東京メトロ新橋駅1番出口より徒歩1分
都営浅草線新橋駅A3出口より徒歩1分
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クレアージュ
クレアージュは、女性の髪の悩み、薄毛治療を扱っているクリニックです。 期間限定!【初診費無料キャンペーン】
複数医師や看護師、カウンセラーが連携して支えるチーム医療体制を採用しているので、薬を処方だけで終わることなくしっかりとサポートしてもらえます。
※こちらのキャンペーンは予告なく終了する場合がございます。
※その他適用条件や適用期間は公式サイトよりご確認ください。
店舗名
クレアージュ東京 エイジングケアクリニック
診療時間
火 10:00-14:00/15:00-19:00
水 13:00-19:00
木 10:00-14:00/15:00-19:00
金 10:00-14:00/15:00-19:00
土祝 9:00-14:00/15:00-18:00
(休診日:月曜日、日曜日)
診療科目
FAGA、美容皮膚科
治療方法
内服薬・外用薬(ミノキシジル・プロスタグランジン)・外科的治療(メソセラピー・HARG・PRP・自毛植毛)・栄養療法(ビタミン・ミネラル・アミノ酸など)
平均費用(税込)
・初回 初診費+検査費 11,000円
・2回目以降 月1回通院
再診費+治療薬(30日分)16,500円~35,200円
※来院ごとの都度払い
※6カ月に1回血液検査3,300円
効果が得られるまでに最低でも6~7か月間(個人差あり)
予約方法
電話・WEB・LINE予約
オンライン診療
対応可能
問い合わせ先
TEL:03-5224-6661(無料カウンセリング予約・相談)
アクセス
〒100-0006
東京都千代田区有楽町1-7-1有楽町電気ビル北館17F
JR有楽町駅中央西口・日比谷口より徒歩約1分
有楽町線D2出口より徒歩約1分
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スマイルAGAクリニック
スマイルAGAクリニックではカウンセリングやマイクロスコープを使用した頭皮チェック、血液検査が無料で受けられます。内服薬や外用薬、メソセラピー、ホームケアを組み合わせ、医師が一人ひとりに合う治療を提案してくれます。
店舗名
スマイルAGAクリニック 渋谷
診療時間
月火木金土日10:00~19:00
水10:00~22:00
(年中無休)
診療科目
AGA/FAGA
治療方法
内服/外用薬、発毛注射治療
平均費用(税込)
・内服薬(パントガール)1ヵ月 8,640円
・スマイル発毛処方1ヵ月 38,500円~55,000円
・メソセラピー初回限定 3,980円(2回目以降は問い合わせ)
・メソセラピー+スマイル発毛処方1回 48,400円~121,000円
6ヶ月~12ヶ月
予約方法
完全予約制(当日予約可能)
オンライン診療
対応可能
問い合わせ先
TEL:03-5778-3133/0120-000-528
アクセス
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷1-17-14 ACN渋谷ビル 4F
東京メトロ渋谷駅-20a出口より徒歩1分
JR線渋谷駅-宮益坂口より徒歩4分
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自分でできる薄毛対策
薄毛が気になってきたとき、自分で早めにできるケアを紹介します。
生活習慣を見直す
1日3食、規則正しい食生活を意識することで頭皮や髪の毛に栄養素が行き届き、薄毛の改善に繋がります。脂っぽい食事を控え、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。睡眠時間を十分確保してホルモンバランスを整え、髪の毛の成長を促すことも大切です。
頭皮マッサージをする
頭皮マッサージで血行を良くすると、薄毛が改善することがあります。首のうしろや後頭部、頭頂部にかけて頭皮を動かすようにマッサージしてみましょう。頭皮が乾燥している時にマッサージすると頭皮環境が乱れてしまうおそれがあるため、シャンプーの時などに行うのがおすすめです。
ヘアケアを見直す
間違ったヘアケアを続けると頭皮が傷つき、薄毛が悪化する原因になります。一日に何度も洗うと必要な皮脂まで失われるため、寝る前の1回だけにしましょう。シャンプー後は自然乾燥せずにドライヤーで髪の毛を乾かすことも大切です。
市販の育毛剤を試してみる
ドラッグストアなどで手軽に購入できる市販の育毛剤を使えば、頭皮の皮脂や水分のバランスが整い、毛髪が育ちやすい環境を作れることが期待できます。
髪の毛のボリュームが少なくなってきた場合、血行が促進される成分や保湿成分、脱毛予防向けに作られた育毛剤を検討しても良いでしょう。
髪型やアイテムでカバー!女性の薄毛の隠し方
ヘアセット時などに、急いで薄毛を隠したいときにおすすめの方法やアイテムを3つ紹介します。
分け目を変えるなど髪型を工夫する
地肌が見えて分け目が気になる場合、いつもと違う分け目や髪型に変えるだけで薄毛をカバーできることがあります。髪の毛を引っ張ると薄毛が悪化する可能性があるので、ポニーテールや三つ編みなどの髪型は避けましょう。
気になる部分にウィッグをつける
手軽に装着できるウィッグを使えば、薄毛を隠すことができます。「部分ウィッグ」なら頭頂部や分け目など薄毛が気になる部分だけをカバーし、自然に見える効果が期待できます。
ウィッグのサイズが合っていないと薄毛をカバーしきれず大きすぎると違和感が出やすいため、メジャーなどを使ってしっかりサイズを測ってから選びましょう。
薄毛パウダーを使用する
薄毛パウダーとは、地肌が見えている頭皮や髪の毛に黒色や茶色の粉末を振りかけることで、薄毛をカバーするアイテムです。
お出かけ前に塗れば薄毛を隠せるため、気軽に使えるのが魅力です。肌荒れが心配な場合は、無香料のものや天然由来成分が使用されている商品が良いでしょう。
まとめ
女性の薄毛は、複数の要因が関連しているため特定が難しいこともありますが、原因によっては生活習慣やヘアケアの見直し、頭皮マッサージなどで症状が改善することがあります。
セルフケアを続けても症状がよくならない場合は、専門クリニックなどでプロに相談してみると良いでしょう。