髪に枝毛をみつけたり、指に髪がキシキシと絡んだりしたとき「サラサラの髪だったらなぁ」「きれいな髪になりたい」や、昔に比べて髪のボリュームが減ってしまったことが悩みになっている方がいるのではないでしょうか。
育毛や髪質改善は、外側からのケアだけでなく内側からのケアも大切です。
本記事では、育毛や髪質改善に効果がある「プロテイン」について紹介します。最後までお読みいただければ、プロテインが育毛や髪質改善につながる理由や、おすすめのプロテインと飲むタイミングについてもわかります。ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること!
プロテインと髪の関係
プロテイン(protein)は、日本語では「タンパク質」を意味します。日本ではタンパク質そのものではなく「タンパク質を主成分としたサプリメント」を指す言葉として認知されています。3大栄養素の一つであるタンパク質は、人間が生きていくうえで必要不可欠ですが、髪の毛との関係が深い栄養素でもあるのです。
本章ではプロテインと髪の関係について、以下の内容を解説します。
・タンパク質が不足すると頭皮環境が悪化
・プロテインは育毛や髪質改善に効果的
それでは、一つずつ確認していきましょう。
髪の毛をつくる主成分は「タンパク質」
髪の毛は筒状の3層構造になっており、すべての層がタンパク質でできています。外側のキューティクルは、水分やタンパク質が失われるのを防いだり、外の刺激から内部を保護したりする役割があります。
髪の毛の内部はコルテックスと呼ばれる層です。コルテックス細胞と髪の色を決めるメラニンが含まれていて、髪の構造の8~9割を占めます。水分を保持し、髪のしなやかさや弾力を作り出す役割を担っています。
髪の芯の部分がメデュラです。メデュラは細い毛では存在しない場合もあり、その役割ははっきりしていません。
このように髪の毛の成分は、タンパク質が材料です。そのためタンパク質が不足すると髪の毛が健康に育たず、発毛や育毛に影響が出てしまいます。
高度成長期に増え続けた日本人の1日当たりのタンパク質の摂取量は、近年減少傾向にあり、2019年には1950~60年と同水準にまで落ち込んでしまいました。今の日本人は、総じてタンパク質の摂取が不足気味といえます。
タンパク質が不足すると頭皮環境が悪化
タンパク質不足の状況が続くと、髪の毛や頭皮に悪影響を及ぼす可能性があります。タンパク質は、髪の毛だけでなく皮膚や内臓なども作り出しており、髪の土台ともなる頭皮もタンパク質の一種であるコラーゲンが原料です。
コラーゲン不足は、頭皮環境の悪化を招きます。頭皮の栄養不足によって髪の毛の成長が阻害されたり、血流が滞ったりすると、抜け毛の原因になってしまいますうのです。そのため、タンパク質は頭皮の健康維持には欠かせません。
適切にタンパク質を摂取すれば、悪化した頭皮環境を正常(健康)な状態に戻す効果が期待できます。
プロテインは育毛や髪質改善に効果的
主成分がタンパク質であるプロテインの摂取により、髪にハリやツヤが出るなどの効果や育毛促進が期待できます。
髪の主成分は「ケラチン」と呼ばれるタンパク質です。ケラチンは、18種類のアミノ酸が結合して作られます。しかし、18種類のアミノ酸の中には、体の内側では生成できないものもあります。
「外から摂取するしかないアミノ酸」が不足すると、ケラチンが合成できなくなり、髪の毛はハリやツヤを失ってしまうのです。細くなったり、弱くなるために切れ毛や枝毛になったりもするでしょう。
ケラチンが合成できなくなると、髪を作り出せなくなり、薄毛が進行してしまいます。そのためタンパク質が含まれているプロテインを摂取すれば、髪質を健全な状態にする効果が見込めるのです。
【主に3つ】プロテインの種類と特徴
プロテインにはいろいろな種類があるため、目的ごとに選んで摂取するのが望ましいでしょう。本章では、主なプロテインに分類されている3種類について、特徴などを解説します。
・満腹感を得られやすい「カゼインプロテイン」
・美容効果も期待できる「ソイプロテイン」
それぞれの種類の特徴を確認してい行きましょう。
低カロリーで吸収が早い「ホエイプロテイン」
ホエイプロテインは、乳製品から作られるタンパク質の一種です。筋肉のエネルギー源となって、筋タンパク質の合成や分解を抑制する効果があるBCAA(分岐鎖アミノ酸)を多く含んでいます。
また筋肉量の維持や増加だけでなく、運動するときの疲労感や筋肉痛を低減させる効果もあります。低カロリーで水に溶けやすく、体内への吸収や消化が早いのも特徴の一つです。運動直後の摂取におすすめなプロテインといえるでしょう。
満腹感を得られやすい「カゼインプロテイン」
カゼインプロテインも乳製品に含まれるタンパク質の一種です。乳製品から脂肪とホエイを取り除いた残りの不溶性固形成分です。
水に溶けにくいため、粉っぽく飲みづらさがありますが、骨や歯を作るカルシウムなどと結びつきゆっくり吸収されます。吸収にかかる時間はホエイプロテインの約3~4倍(7~8時間)ほどです。持続的に体に吸収されていくため、満腹感も長時間続きます。その特徴から、就寝前の摂取に向いたプロテインといえるでしょう。
美容効果も期待できる「ソイプロテイン」
ソイプロテインは、大豆タンパクが原料の植物性プロテインです。ソイプロテインに含まれる大豆イソフラボンは、肌の調子を整える美肌ホルモンのエストロゲンに似た働きをします。
またコラーゲンを増やす働きもあるため、頭皮環境の改善にも効果が見込めます。脂質が低く、カゼインプロテインと同じようにゆっくり吸収されるため、腹持ちがよいのも特徴といえるでしょう。
一方で粉っぽく水に溶けにくいため、飲みにくさを感じてしまうかもしれません。乳製品でお腹を壊してしまう人や、血中脂質が気になる方にもおすすめです。
おすすめプロテイン3選|育毛におすすめなのは「ソイプロテイン」
主なプロテイン3種類の特徴を解説しましたが、ホエイプロテイン・カゼインプロテイン・ソイプロテインのうち、育毛の観点からおすすめなのは「ソイプロテイン」です。
ホエイプロテインは筋肉の維持や増加に対して効果が高いため、運動をしている人や、筋肉量を増やしたい人に向いています。
カゼインプロテインは、運動後のスタミナ回復やダイエット中の間食防止に適しているでしょう。
それでは、おすすめのソイプロテイン商品3つをご紹介します。
・MYPROTEIN |ソイプロテイン アイソレート
・ザバス(SAVAS)|ソイプロテイン100
それぞれの商品について説明します。
LYFT|ソイ プラス
LYFTのソイプラスは、大豆プロテインを原料とし、ソイプロテイン独特のざらつきを少なくしたプロテインパウダーです。管理栄養士が監修しており、ソイタンパクだけではなく、1食に必要な22種類の栄養素、スポーツ乳酸菌などが含まれるため、朝食代わりにもおすすめです。
また、女性に嬉しい成分が特徴で、鉄分、食物繊維、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンB群、葉酸、亜鉛や大豆イソフラボン、スポーツ乳酸菌が含まれており、タンパク質だけでなく食事の補助となる完全栄養食になります。
安心の国内製造で、抹茶と黒糖きな粉の2種類の和風フレーバーも飲みやすいポイントです。
商品名 | LYFT|ソイ プラス |
メーカー | 株式会社LYFT |
定価(税込) | 500g 4,980円 1kg 7,980円 |
内容量 | 500g、1kg |
たんぱく質の含有量(1杯あたり、%) | 1食30g当たりたんぱく質 抹茶味15.4g(約51.3%)、黒糖きな粉味15.2g(約50.6%) |
おもな栄養素 | タンパク質、食物繊維、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、鉄、亜鉛、パントテン酸、葉酸など |
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出典:株式会社LYFT
ザバス(SAVAS)|ソイプロテイン100
明治のザバス(SAVAS)は、美味しさと飲みやすさから口コミ評価も高いプロテインです。2,000人以上の食事調査結果を元に、ビタミンB群・ビタミンC、Dやミネラルをバランスのよい比率で配合しています。そのため、体づくりや体調維持に適したプロテインといえるでしょう。
また明治オリジナルの造粒方法と配合で溶けやすさを追求し、シェイカーではなくコップでも簡単に溶ける特徴があります。フレイバーはソイミルク・ココア・ミルクティー風味の3種類から選べます。安心の国内自社工場製造もポイントです。
明治ブランドの実績や、飲みやすさに定評があるため「初めてのソイプロテイン」におすすめです。
商品名 | ザバス ソイプロテイン100 |
メーカー | 株式会社明治 |
定価(税込) | 224g 1,870円、900g 5,060円(10.5g 132円、2,000g 9,900円※ココア味のみ) |
内容量 | 224g、900g(ココア味のみ10.5g、2,000gもご用意あります。) |
たんぱく質の含有量(1杯あたり、%) | 1食28g当たりたんぱく質20g(約71.4%) |
おもな栄養素 | ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD |
Amazonで詳細を見る |
出典:株式会社明治
MYPROTEIN |ソイプロテイン アイソレート
MYPROTEINのソイプロテイン・アイソレートは、ほとんどの脂質や炭水化物を取り除く方法で生成した脱脂大豆が原料です。90%以上のタンパク質を含有していながら、低糖・低脂質です。そのため、カロリーを気にせずタンパク質を摂取できます。
また乳糖(ラクトース)がないため、お腹を壊す心配がありません。MYPROTEINはイギリス発祥で、ヨーロッパでも有数のスポーツ栄養ブランドのため、とても信頼できます。6つのフレイバーから選べるので、飽きがこないのも特徴です。
タンパク質の含有量にこだわる方や、ベジタリアンやビーガンの方におすすめできる商品といえるでしょう。
商品名 | ソイ プロテイン アイソレート |
メーカー | The Hut.com Limited |
定価(税込) | 2,590円 |
内容量 | 500g |
たんぱく質の含有量(1杯あたり、%) | 1食30gあたりたんぱく質27g(90%) |
おもな栄養素 | プロテインアイソレート |
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プロテインを飲む2つのポイント
プロテインの摂取を育毛や髪質改善につなげるためには、以下の2つを意識するのが大切です。
・ほかの栄養素と一緒に摂取:亜鉛・ビタミンB群・ビタミンC
それでは、1日に必要な量から確認していきましょう。
1日に必要な量を摂取:体重1kgに対して1g
1日に必要なタンパク質の量は、おおよそ体重1kgに対して1gが目安です。
体重が60キロであれば1日分の摂取の目安は60gになります。朝昼晩のトータルで60gは難しい量ではありませんが、食事の内容を意識しないとタンパク質は不足します。
・ごはん(一膳・150g):3g
・鶏ささみ(100g):23.9g
・ゆで卵(1個):6.9g
・牛乳(200ml):6.8g
毎食鶏ささみを100g食べていれば1日に必要なタンパク質量を満たせますが、現実的ではありません。食事で不足した分のタンパク質を、プロテインで補うようにしましょう。
他の栄養素と一緒に摂取:亜鉛・ビタミンB群・ビタミンC
育毛や髪質改善のためには、タンパク質だけでなくビタミンやミネラルも必要です。タンパク質と併せて、特に取り入れたいのが以下の3つの栄養素が挙げられます。
・ビタミンB群
・ビタミンC
亜鉛はミネラルの一種で、髪の主成分の一つである「ケラチン」を合成するのに必要な栄養素です。人の体内に亜鉛は存在していますが、近年は偏った食事などが原因で亜鉛不足が指摘されています。
次に、ビタミンB群で特に摂取したいのが「ビタミンB2」です。ビタミンB2は毛根の毛母細胞の活性化させるだけでなく、過剰な皮脂分泌を防いだり、細胞を再生させたりする働きがあります。ほかにも「ビタミンB6」は、ケラチンの生成を補助するのが特徴です。
また「ビタミンC」が不足すると、新陳代謝の悪化などを招き、毛細血管の血流を悪くします。頭皮の毛細血管の流れが悪くなると、髪の成長を妨げてしまいます。
これらの栄養素がプロテインに含まれているか、確認して選びましょう。食品で摂取する場合は、下の表を参考にしてみてください。
亜鉛 |
牡蠣・小麦麦芽・カシューナッツ等 |
---|---|
ビタミンB2 |
ウナギ・カレイ・卵・納豆・アーモンド等 |
ビタミンB6 |
玄米・スーパー大麦・牛レバー・マグロ等 |
ビタミンC |
ピーマン・ブロッコリー・アセロラ・キウイフルーツ等 |
意識しよう!プロテインを飲むタイミング
タンパク質は一度にたくさん摂取しても、体内で有効活用されません。1日のなかでプロテインを摂取するタイミングを意識すれば、より効果的にタンパク質を取り込めます。
プロテインを飲むのに適した、以下の4つのタイミングを意識しましょう。
・お腹が空いたとき
・運動の直後
・就寝前
4つのタイミングについて詳しく解説します。
起床した直後
体のすべての細胞は合成と分解を繰り返していて、タンパク質は常に必要とされています。寝ている間、睡眠時間や室温によっては500ml程度の水分が体内から失われると言われていて、タンパク質も同様に不足気味になっています。
そのため、起床した直後にプロテインを摂取するのは育毛を促すのはもちろん、筋肉を大きくするためにも効果的です。
朝食から取るのも効果的ですが、朝から肉や魚、大豆製品を十分な量を取るのは難しい場合もあるでしょう。そのような場合でも、水や牛乳にサッと溶かせば飲めるプロテインは便利です。
お腹が空いたとき
お腹が空いたときも、プロテイン摂取のタイミングです。「ソイプロテイン」は吸収がゆっくりなため腹持ちがよく、間食よりもカロリーを低く抑えられる可能性があります。また空腹時は吸収がよくなっているため、おかしよりも栄養価の高いプロテインをしっかり体内に取り込んだほうが健康的です。
運動の直後
運動の直後もプロテインの摂取に適したタイミングです。ただし、プロテインは運動前ではなく運動後に摂取しましょう。運動で刺激された筋肉が栄養を取り込もうとするタイミングで摂取すれば、より効率的にタンパク質を取り入れられます。
就寝前
睡眠中は多くの成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは脳の下垂体から分泌され、身体の機能調整や筋肉量を増やすなどの働きをします。成長ホルモンはタンパク質の吸収を促すため、寝る前にプロテインを飲むと、効率的にタンパク質を体内に取り込めるでしょう。
プロテインを飲むのは就寝30分~1時間前が目安です。栄養素の多いプロテインは、就寝直前に飲むと胃腸に負担をかける場合があるため、30分前には摂取しましょう。
成長ホルモンの分泌は就寝後30分~3時間とされています。ソイプロテインであれば吸収されるまでに時間がかかるため、就寝の30分~1時間前に飲めばホルモン分泌のピークに合わせられます。
飲食は寝る2~3時間前までに終わらせたほうがよい、といった情報もあるため、就寝前のプロテイン摂取をためらう場合もあるでしょう。しかし体重の増減に大きく影響するのは、1日の総摂取カロリーと消費カロリーです。1日の摂取カロリーを把握し、適正に摂取する分には問題ありません。
【要注意】プロテインを飲むときに気をつけること
それでは、実際にプロテインを飲むときに気をつけるポイント2つを解説します。
・食事による栄養摂取も意識|主食にしない
まずはプロテインを飲む頻度や、過剰摂取のリスクについて確認していきましょう。
こまめに摂取|プロテインを飲み過ぎない
プロテインを飲むときに気をつけたい一つ目のポイントは「プロテインはこまめに摂取し、飲みすぎない」ことです。
プロテインは適量を2~3回に分けて摂取しましょう。一気に飲まずにこまめに摂取すれば、血中のアミノ酸濃度を高いまま維持できます。
摂取したいタンパク質の目安は体重1kg当たり1gのため、60kgの人であれば1日60gです。このうち、食事から摂取できない不足分をプロテインで補いましょう。ただし、プロテインは飲めば飲むほど効果があるものではない点に注意が必要です。
摂取したタンパク質は、1日に体重1キロごとに1.5gまでは体を作るために使われますが、それを超えた分はその効果は期待できない可能性があると報告されています。
髪質改善を急ぎたいためにプロテインを飲みすぎると、カロリーオーバーになってしまいかえってバランスが崩れてしまうケースも考えられます。適正量を守るのも大切です。
食事による栄養摂取も意識|主食にしない
プロテインを飲むときに気をつけたい二つ目のポイントは、プロテインを「主食にしない」ことです。プロテインは、食事では足りない栄養素を補う役割のサプリメントです。食事での栄養摂取も意識しないと、さまざまな弊害が起きてしまうでしょう。
例えばプロテインはドリンクなので、噛みしめる必要がありません。噛む行為は、健康面でとても大切です。噛んで食事をすることにより唾液が分泌され、唾液に含まれる酵素が消化を助けます。また咀嚼による刺激が脳を活性化させ、認知機能を保つだけでなく集中力や記憶力を上げることも判明しています。食事から得られるメリットは栄養摂取だけではないのです。
また、プロテインは栄養素が多く含まれているため、数種類のプロテインを組み合わせると、タンパク質だけでなくはやミネラルを過剰摂取してしまう可能性があります。
栄養摂取のメインは食事とし、不足分を補う方法としてプロテインを活用しましょう。
まとめ
髪はタンパク質から作られています。現代の日本人はタンパク質の摂取量が減っているため、食事だけで必要量のタンパク質を摂取するのが難しい場合があります。
そのような場合、不足するタンパク質をプロテインの摂取で補えば、育毛や髪質改善の効果が見込めるでしょう。
髪や頭皮の改善には、大豆を原料としたソイプロテインが適しています。
ソイプロテインはゆっくり吸収されるため腹持ちがよく、特に就寝の30分~1時間前に摂取すれば成長ホルモンの分泌と併せて体内に取り込めます。
食事による栄養摂取を大事にしながら、不足分を補う形でプロテインを活用すれば、髪と頭皮環境の改善を促す効果が得られるでしょう。