リバースケアとは、シャンプーやトリートメントの順番を逆にした工程のことです。特にボリュームを抑えたい方、乾燥やパサつきの改善を行いたい場合には、メリットのある方法と言えます。
この記事では、リバースケアの意味と特徴、期待できる主な効果やデメリットについて詳しくご紹介していきます。髪のパサつきやダメージが気になる方や、色落ちしやすく悩んでいる方などはぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること!
リバースケアとは?
リバースケアはヘアケア方法の1つで、トリートメントから始めていくのが主な特徴です。
通常のヘアケアは、ブラッシングから予洗い~シャンプー~トリートメントという流れとなります。そのため、シャンプーから始めると洗浄成分と手や髪同士の摩擦によって、髪の毛がダメージを受けてしまう場合があります。
反対に、リバースケアの基本的な流れとしては、最初にブラッシングを行います。次に、ヘアオイルとトリートメントをなじませ、最後にシャンプーで汚れを洗い落とします。
最近髪のダメージが気になる方や通常のヘアケアではツヤが出ない方などに、特にメリットの多いヘアケア方法と言えます。
リバースケアで期待できる効果
続いては、リバースケアで期待できる効果について1つずつ確認していきましょう。
髪の摩擦を低減
シャンプーによる髪の摩擦を低減できるのが、リバースケアの大きなメリットです。
お湯で濡れると髪のキューティクルが開き、摩擦などの負荷に弱い状態となります。そのため、シャンプーから始めると強い洗浄成分と手や髪同士の摩擦によって、髪がダメージを受けてしまう場合があります。
リバースケアに変えると、最初にヘアオイルやトリートメントで髪の毛を保護できるため、シャンプー時の摩擦を低減させながら汚れを洗い落とせるようになります。髪のツヤを保つことが出来るため、指通りの滑らかな状態を維持することが期待できます。
シャンプーをしている時の髪同士の摩擦が気になる方、髪のゴワつきやパサつきを改善したい方は、リバースケアを検討してみるのはいかがでしょうか。
汚れを落としやすい
先にトリートメントを髪になじませておくと、シャンプーの際にスタイリング剤や皮脂汚れなどを落としやすくなる場合があります。ヘアスプレーやヘアバーム、ヘアクリームなどの使用頻度が高い方は、特に大きなメリットです。
シャンプーでスタイリング剤などを落としきっていると感じていても、少し残っている場合があります。そのため、先にトリートメントをなじませておけば、髪についている油分などが浮いてきます。浮いてきた油分や汚れは通常より落としやすいので、特に油分が髪に残りやすいタイプのスタイリング剤でない限りは、1回のシャンプーでも洗い流せます。
ダメージケアにつながる
リバースケアは、ダメージケアを重視している方にもおすすめです。
シャンプーの前にトリートメントを行うと、髪へ栄養や補修成分などを効率的に浸透させることができます。また、前半で紹介したようにシャンプーによる摩擦を低減できるため、ダメージケアという点でも効果的な方法と言えます。
髪のボリュームを抑えられる
リバースケアなら、髪全体のボリュームダウンが期待できます。髪が広がる原因は、髪質やダメージなど様々です。以下に髪が広がってしまう理由を一部紹介します。
・一般的な髪質ではあるものの、ダメージを受けている
・軟らかい毛質で、乾燥していると空気中の水分を吸収して広がる
中でもくせ毛、乾燥、パサつきによって広がっている髪の毛に対しては、リバースケアでボリュームを抑えられる可能性があります。
トリートメントだけでなくヘアオイルを最初になじませておくと、油分などを髪に浸透させやすくなり、補修およびうるおいによりボリュームをダウンできることもあります。
色落ちを防止
ヘアカラーをしている方は、リバースケアに変えることで色落ち防止効果が期待できます。シャンプーから先に行った場合、シャンプーの持つ洗浄力によって薬剤に含まれる油分なども洗い落してしまうことがあります。
一方、トリートメントやヘアオイルを先になじませておけば、油分などで髪をコーティングできるためシャンプーによる色落ちのリスクを低減できます。シャンプー後の色落ちで悩んでいる方は、リバースケアを試してみるのもおすすめです。
リバースケアのデメリット
リバースケアにはメリットだけでなくデメリットもあります。関心を持っている方は、デメリットも把握した上で試してみるか判断してみてください。ここからは、リバースケアのデメリットについてわかりやすく解説していきます。
髪質やトリートメントによってはベタつく場合も
髪質やトリートメント、ヘアオイルの種類によっては、髪に油分などが浸透しすぎてしまい、ベタついてしまう場合があります。
乾燥した状態の髪にヘアオイルやアウトバストリートメント(洗い流さないトリートメント)を行うと成分が浸透しやすいため、ツヤを出しやすい反面、ベタつく可能性も出てきます。
髪がベタついたり重くなったりしてしまった場合は、一旦通常のヘアケアに戻すか、リバースケア際に使用するトリートメントやヘアオイルの量を調節してみるといいでしょう。他にも美容室で丁寧にケアしてもらい、髪の状態を改善してもらう方法もあります。
ヘアオイルやトリートメント代がかかる
リバースケアへ切り替える場合、ヘアオイルやトリートメント代に気を付ける必要があります。
リバースケアの際は、最初の工程でヘアオイルやトリートメントを使用します。シャンプーを行った後に再度トリートメントを使用するため、特にトリートメントの消費量が増加します。髪の状態によっては、ヘアオイルをシャンプー後に使用するケースもあります。
つまり通常のヘアケアより消費量が約2倍に増えるため、その分出費も増えてしまいます。節約を意識している方やトリートメントやヘアオイル代の負担が気になる方は、他のヘアケア方法を検討してみるのいいかもしれません。
髪質によってはリバースケアが合わない
特に細く軟らかい髪質はリバースケアに向いていない場合もあるため、注意が必要です。
トリートメントなどの成分を浸透させやすくするのがリバースケアの強みです。そのため、軟毛や猫っ毛の場合はトリートメントやヘアオイルを適量使用しても一定のボリューム感やふわっとしたヘアスタイルを保てない可能性があります。
自分の髪質がわからない時は、美容師さんに聞いたりセルフで診断したりしてみましょう。セルフ診断の方法はたくさんありますが、例えば髪を1本持ち上げて離した際に下がらなければ比較的硬い、下がれば軟らかい髪質と判断できます。
リバースケアのやり方
リバースケアの手順は、冒頭でも軽く触れたようにブラッシングから始まります。それでは、リバースケアのやり方について1つずつわかりやすく解説していきます。
髪の毛に付着したホコリなどをブラシで落とす
まずは、通常のヘアケアと同じように髪や頭皮に付着したホコリなどをブラッシングで落としていきます。ブラッシングは、ヘアオイルやトリートメントをなじませる上で重要な工程です。
しかし、ブラシと髪の間で摩擦が起きると、ダメージを受けてしまうため、ブラッシングを行う際は、丁寧かつ優しく髪の汚れやほこりを落としていくことが大切です。
具体的には、勢いよくブラシを動かさず、毛先と中間、根元と段階的にとかしていくなどして、髪にかかる負担を抑えます。
ヘアオイルを全体になじませる
ブラッシングの次は、ヘアオイルを髪全体になじませていきます。
ヘアオイルをなじませることで得られる主な効果は、保湿やツヤ出しです。ヘアオイルによっては補修タイプもあるため、馴染ませれば補修効果も期待ができます。パサつきや枝毛、切れ毛が気になる時は、補修効果も含まれているヘアオイルを用意しておきましょう。
ヘアオイルを使用する時は、適量を手に取り髪の毛の中間から毛先に向かって丁寧に塗り込んでいきます。根元や頭皮についてしまうとベタつきにつながるため、中間からなじませるのがポイントです。
塗り込んだ後は10~15分程度放置し、ヘアオイルの成分を髪の内部に浸透させていきます。
ヘアオイルの上にトリートメントを付ける
次は、ヘアオイルの上にインバストリートメント(洗い流すタイプのトリートメント)を付けていきます。
インバストリートメントを付けると、補修やうるおい成分及び栄養分の浸透だけでなく、ヘアオイルを流しやすくなります。トリートメントする時は適量を手に取り、髪の毛の中間あたりから毛先に向かって馴染ませていきます。
その際、手もしくは目の粗いコームで丁寧に優しく行うのがポイントです。馴染ませた後は、10分程度放置します。
ぬるま湯で軽く洗い流す
インバストリートメントを放置、浸透させた後、38℃前後のぬるま湯でヘアオイルとトリートメントを洗い流していきます。
傷や摩擦といったダメージを与えないよう、指の腹を使うのが大切なポイントです。また、髪に馴染んだトリートメントを全て洗い流してしまうとヘアケア効果を得られないため、少しトリートメントの感覚が残る程度で洗うのを止めましょう。
指の腹を使って優しくシャンプーをする
適量のシャンプーを手に取り、髪や頭皮に残った汚れなどを落としていきます。
洗う際は、シャンプーをよく泡立てながら指の腹で頭皮や髪を優しくマッサージするように行います。爪を立ててしまうと、頭皮を傷付ける原因になるため気を付けてください。また、毛先ばかり洗うとダメージにつながるため、洗い方や毛先への摩擦などにも気を付けましょう。
シャンプーの泡などの洗い残しがないよう、丁寧にお湯で流すのも重要です。
髪のきしみが気になる場合はトリートメントを付ける
シャンプーした後に髪のきしみが気になる時は、再度インバストリートメントを行いうるおい効果や補修効果を高めていきます。
トリートメントのポイントは、前段で紹介したように適量を手に取り、髪の中間から毛先へ向かってなじませて10分程度放置することです。トリートメントの成分を浸透させたら38℃前後のお湯で洗い流しましょう。
タオルドライ後にアウトバストリートメントを付ける
シャンプーもしくはインバストリートメントを洗い流した後はタオルドライを行い、アウトバストリートメントまたはヘアオイルのいずれか1つを使用してケアしていきます。
タオルドライする時は、髪や頭皮に残った水分をできる限り拭き取ることが大切です。また、その際に力を入れ過ぎて摩擦が起きないよう、タオルを髪に当てるようにして水分を吸い取ると良いでしょう。
髪全体の水分をある程度拭き取った後は、アウトバストリートメント(もしくはヘアオイル)を適量取り、髪の毛の中間から毛先に向かって丁寧になじませていきます。放置時間は5~10分程度です。
ドライヤーと髪を20㎝離しながら乾かす
トリートメントもしくはヘアオイルをに放置したら、最後にドライヤーで髪をしっかり乾かします。頭皮ケアも行いたい時は、頭皮用美容液を塗った後に乾かしましょう。
リバースケアに限らずドライヤーを使用する際は、頭皮からドライヤー本体を20㎝以上離して、やけどや熱によるダメージを受けないよう注意することが大切です。他にも温風を当てる時は、本体を振って熱を分散させましょう。
8割程度乾いたら、ドライヤーの冷風機能で手ぐしを行いながら丁寧に乾かしていきます。その際、髪の毛を持たずにドライすると毛先がドライヤーの風で揺れ、髪同士の摩擦を引き起こしてしまいます。そのため、毛先を5本の指の間でつかみ、軽く引っ張るような感じで乾かすと、髪への負担を低減できます。
リバースケアがおすすめな人は?
特に髪のパサつきやダメージを感じている方や髪がまとまりにくい方、絡まっていて指通しにくさを感じている方には、リバースケアはおすすめの方法と言えます。
他にもシャンプー時の摩擦を減らしたい時や髪の広がりを抑えたい時は、リバースケアによって改善できる可能性があります。
リバースケアの注意点
保湿や補修、摩擦低減などといった効果が期待できるリバースケアですが、いくつか注意点もあります。リバースケアを行う際に注意すべき主なポイントを1つずつ確認していきましょう。
リバースケアを毎日行わないようにする
リバースケアを毎日行わないようにするのが、効果を低減させないためのポイントです。毎日リバースケアをしてしまうと、余分な油分などが髪に付着し、ベタつきやボリュームダウンにつながります。
そのため、リバースケアの頻度は1週間に平均1~2回程度で十分とされています。
ヘアオイルで重めの質感になる時はミストを活用
細く軟らかい髪質や、ヘアオイルを使用すると重めの質感になってしまう時は、ヘアミストで代用してみるのもおすすめです。
ヘアミストは、髪に吹き付けて保湿やダメージ予防、紫外線カットなどといった効果を期待できます。
ヘアオイルと異なり水分量が多いため、吹き付けてもベタつき感を抑えられ、ボリュームダウンも回避できます。そのため、軟毛や細い毛の方に向いていると言えます。
ヘアオイルやトリートメントを使用する際は根元や頭皮に付かないよう注意
ヘアオイルやトリートメントを使用する時は、髪の根元や頭皮に付かないように注意が必要です。
髪の根元にトリートメントやヘアオイルが付いてしまうと、ドライヤーで乾かしてもふわっとしたヘアスタイルを維持できません。また頭皮に付いた場合、しっかり洗い流さないと毛穴の詰まりや頭皮環境の悪化につながる可能性もあります。
リバースケアでは、ヘアオイルやインバストリートメントの回数は2回、アウトバストリートメントは1回で、通常のヘアケアよりも回数が多くなります。そのため、洗い残しや頭皮への付着などがないよう気を付けましょう。
まとめ
リバースケアはヘアオイルとトリートメントを先に行うことで、うるおい効果や補修効果などが期待できるケア方法です。また、シャンプーの際の摩擦を軽減できるなど、髪へのダメージを抑えられることが強みです。
通常のヘアケアでは乾燥してしまう方や、髪のダメージが気になる方などは、今回の記事を参考にしながらリバースケアを取り入れてみてはいかがでしょうか。