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髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」に必要な条件と寄付の流れを解説

もっと知りたい!女性の髪のこと【お役立ちコラム】

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社会貢献やサスティナブルな生き方が注目される昨今「病気の子どもたちの力になりたい」「切った髪の毛を捨てるなら何かに役立てたい」と、髪の毛の寄付へ関心を寄せる方が増えています。

しかし、「どこまで伸ばせばいい?」「いつもの美容院で切ってもらえる?」と詳しいやり方がわからず、ハードルを感じている方もいるでしょう。

この記事では、ヘアドネーションに参加するための条件や実際の流れをご紹介します。最後まで読むと、カットする前に知っておくべき正しい情報を理解でき、スムーズにヘアドネーション活動へ参加できます。

髪を寄付するために何から始めればよいかわからない方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

 

この記事でわかること!

 

髪の毛を寄付するなら:ヘアドネーション

ヘアドネーションは、ヘア(髪)とドネーション(寄付)を組み合わせた言葉です。誰にでもできそうなボランティアとして興味のある方は多いでしょう。まず、ヘアドネーションの概要を解説します。

子どもたちに医療ウィッグとして使ってもらう

ヘアドネーションとは、寄付された髪の毛をウィッグへ加工し、小児がんや先天性の脱毛症で髪を失った18歳未満の子どもたちへ無償で贈る活動です。

市販の子ども用ウィッグは、大人用に比べて種類が少ないうえオーダーすると数十万円もする高価なものです。
髪を失う前の自分の姿との違いから、精神的に深い傷を抱えている子どもたちも少なくありません。
活動に参加してオリジナルウィッグのプレゼントをすると、子どもたちに前向きな気持ちになってもらうきっかけとなるでしょう。
なお、日本でヘアドネーションを行っているのは主に以下の3団体です。

・ NPO法人 JHD&C(Japan Hair Donation & Charity、ジャーダック)
・ NPO法人 HERO(ヒーロー)
・ 株式会社グローウィング つな髪

各団体に送られた髪はウィッグに生まれ変わり、待っている子どもたちにプレゼントされます。団体ごとに理念や規定にが異なる場合がある部分があるため、自分の想いや髪のコンディションに合う団体を探してみてください。

【5つの条件】寄付できる髪の毛には条件がある

ヘアドネーションでは、いくつかの規定をクリアした髪のみ受け付け可能です。条件に合わないとせっかく寄付しても使ってもらえないため、寄付できる髪の条件5つを確認しておきましょう。

31cm以上であること

各団体が求めている髪の毛の長さは31cm以上です。31cmより短いと頭全体をカバーするウィッグは作れません。
毛は2つ折りにしてベースの生地に植え込みます。31cmの毛を植えこむと、出来上がるのは約15cmのショートタイプです。これより短いと、植えたときに毛が立ち上がり、うまくスタイルを保てません。そのため、寄付する髪の長さは最低31cm以上は必要です。
また、女の子からはロングを希望する声が多く、さらに長い毛が重宝されます。一方、長めの毛は集まりにくく不足しているのが現状です。
寄付を検討中の方は、伸ばすのが負担にならない範囲で、ロング用のウィッグが作れる長さの髪の寄付に協力できると良いいいでしょうすね。

完全に乾いた状態でのカット・保存

寄付する髪は完全にドライの状態でカット・保存しなければなりません。少しでも湿っていると、カビや菌が繁殖する可能性があるためです。
髪を役立てられるよう、以下の点に気をつけるとよいでしょう。

・ シャンプーは前日に済ませておく
・ 当日はスタイリング剤を使わない
・ ドライカットしてほしいと美容師さんに伝える

もし濡れた場合は、ドライヤーなどで乾かしたあと、1週間ほど風通しのよい場所で干して、内側まで乾燥させれば利用できます。

引っ張ると切れるダメージヘアはNG

両端を持って引っ張るとちぎれるようなダメージヘアは、受け付けてもらえないため注意が必要です。団体によっては色や性質の違う髪の毛に統一感をもたせる目的で、届いた毛に薬品を用いたトリートメント処理を施す場合があるためです。
なお、極端なダメージヘアでなければ、軟毛や枝毛混じりの髪なども使えます。また、ブリーチ歴があったりパーマをかけていたりしても、受け付けを実施している団体もあります

切った髪の根元を縛ってあること

寄付する髪の毛は、長さがわかりやすいように根元をゴムでしっかり縛る必要がありますゴムで結ぶ位置は、ハサミを入れる1cm下が目安です。
カット前に髪全体をいくつかのブロックに分け、ゴムで束にしてください。束が太すぎると毛がほどけやすいため、必ず複数に分けましょう。
ゴムで結ぶ位置は、ハサミを入れる1cm下が目安です。ハサミを入れた部分から毛先までが31cm以上あれば寄付できます。

同一人物だけの髪をまとめる

髪の毛を寄付する際は、同一人物の髪だけをひとまとめにします。送り先に届いた髪は、長さごとに仕分けされます。仕分け作業がスムーズに進むよう、何人かの髪を送る場合は、全員分をまとめず一人ひとりでまとめてください。

ウィッグを作るために必要な髪の長さと量

一人分の毛束では、一体のウィッグは完成しません。毛束は一見長さが揃っているようにみえますが、含まれる毛の長さはまちまちで、短い毛もたくさん入っています。
その中なかから決まった長さのみを仕分けて使うため、実際に植えこめる本数はかなり減ってしまうのです。ショートとロングのタイプ別に、何人分の毛が必要なのか見てみていきましょう。

ショートヘア|31cmの髪が30~50人分

ショートのウィッグを作るときは、31cmの髪の毛を半分の位置で2つ折りにして植えます。31cmの髪をウィッグの全体に植えこむと、15cmのショートタイプが出来上がるのです。
ショートタイプを一体仕上げるには、30~50人分の髪を用意して、さらに長さ31cmの毛を選ぶ必要があるといわれています。

ロングヘア|50cm以上の髪が50~70人分

一方、ロングタイプは、50cm以上の髪を50~70人分も使ってウィッグを製作します。
ロングタイプは、50cm以上の髪を6対4または7対3程度で2つ折りにして植毛し、31cmの髪も混ぜながらバランスを取ります。そのため、ショートタイプに比べてより多くの方の髪が必要となるのです。

【6ステップ】髪の毛を寄付する流れ

それでは、実際の流れを6つのステップで紹介します。具体的な流れを確認し、活動に参加するときスムーズに参加できる始められるようにしましょう。

ヘアドネーション対応の美容院を探す

まずは、寄付用のカットに対応してもらえる美容院を探します。探し方は以下の2通りです。

・ 行きつけの美容院で対応してもらえるか問い合わせる
・ 各団体のホームページから活動への賛同サロンを検索する

いずれの方法を選んでも、ヘアドネーションを希望していると事前に伝えましょう
長い時間をかけて伸ばした髪をバッサリ切るのは、カットする側・される側どちらにとっても勇気のいる行動です。通い慣れた美容院で、普段からコミュニケーションのとれている美容師さんに対応してもらうのがおすすめです
もし美容師さんがヘアドネーションをあまり知らない場合は、団体のホームページに掲載してある資料を持参して普段の行程との違いを伝えてみてくださいましょう。
また、団体のホームページでは、活動に賛同しているサロンを検索できます。ドネーションカットの経験が豊富なサロンを利用したい方や、特定の美容院に通っていない方は、賛同サロンにお任せすると良いよいでしょう。
サロンによっては、記念写真や動画、セルフカット体験など思い出に残るサービスを受けられるメリットもあります。費用やサービス、雰囲気などもチェックして、好みのサロンへ足を運んでみてください。

カットする長さを相談

仕上がりの髪型も考えながら、寄付する長さを美容師さんと相談しましょう。長い期間かけて伸ばした髪のカットは、大きなイメージチェンジになります。ヘアドネーションをよい経験にするためにも、理想のスタイルがあれば事前に伝えておきましょう。
また、出来上がりのウィッグを想像すると、どのくらいカットするか決めやすくなるかもしれません。
ジャーダックでは、寄付する長さ別に以下のようなウィッグが出来上がります。

  • 31cm:ショート
  • 40cm:ボブ
  • 50cm:ロング
  • 60cm:スーパーロング

自分の髪からできるウィッグをイメージするとより実感が湧くわくのではないでしょうか。

ドネーションカットをしてもらう

どのくらい髪の長さをカット切るかが決まったら、全体を細い束に分けてゴムでしっかり留め、結び目の1cm上をカットします。分ける束の数は、髪の全体量によって異なります。以下の数を目安にしてみてください。

  • 髪が少ない方:3~5束
  • 髪が多い方:5~8束

髪の束にボリュームがありすぎるとハサミが入りにくく切り口がガタガタになりやすいため、適量に微調整してとめるとよいでしょう。カットしたら、切り口から先までを計測し、適した長さがあるか確認してみてください。

カットした髪をまとめる

出来上がった複数の髪の束は、さらにゴムでひとまとめにします。送った髪は、長さごとに仕分けされるため、作業がスムーズに進むよう、毛先の向きをそろえて束ねましょう。何人かの髪を送る場合は一人分ずつまとめ、他の方の髪と混ざらないように注意しましょうてください。

必要な書類や提出物を揃える

髪をまとめたら、書類や提出物を揃えます。団体によって提出物や毛束を包装する規定が異なります。3つの団体の違いを、以下の表で簡単に紹介します。

 

ジャーダック

ヒーロー

つな髪

提出物

ドナーシートを任意で入れる

※ドナーシート:年齢や性別、髪質などを記入

名前・居住地を書いた紙を必ず入れる

なし

毛束の包装

ビニール袋などに入れる

・包んでも包まなくてもよい

・包む際はビニール袋に入れる

包装せずそのまま梱包する

各団体のガイドラインに従って、丁寧に準備しましょう。

追跡機能のある方法で発送する

髪や書類などの準備ができたら、寄付したい団体へ自分で送ります。配達状況を把握したい方は、追跡サービスつきの方法で送ってください。
追跡サービスつきの送付方法とは、日本郵便の「レターパック」やヤマト運輸の「宅急便コンパクト」など、追跡番号から荷物の配達状況を調べられる方法です。団体のホームページにもおすすめの送り方が紹介されているため、目をとおしておきましょう。
髪の毛が到着したかどうかの個人的な問い合わせには、どの団体も対応していません。無事届いたか気になる方は、追跡サービスを利用しましょうてください。

髪の毛を寄付するときの注意点!

髪の寄付を検討するにあたり、おさえておきたい注意点を解説します。後悔なく活動に参加できるよう、注意点を事前に把握しておきましょう。

白髪やダメージヘアは断られることも

団体によっては白髪やダメージヘアを受け付けていない場合もあるため、自分の髪質が条件に合っているか確認する必要があります。つな髪では、髪本来の質感を残したウィッグを提供したいとの理念から薬品による加工処理を行っておらず、白髪やパーマのかかった髪を受け付けていません。
つな髪へ送れない方は、ジャーダックやヒーローへの送付を検討してみてくださいましょう。各団体で受け取ってもらえる髪質を、以下の表で紹介します。

 

ジャーダック

ヒーロー

つな髪

白髪

×

カラーリング

暗めの色なら〇

ブリーチ

×

縮毛矯正

HPに記載なし

×

パーマ

×

※〇:受け入れ可、×:受け入れ不可

遠慮は不要!寄付された髪は余っていない

インターネットで調べると「髪が余っている」「意味がない」などとネガティブな意見も散見されるため「せっかく送っても役立たないかも……」と不安を感じる方もいるでしょう。
結論からいうと、寄付された髪は余っていません。送られた髪の量と出来上がるウィッグ数とのギャップから、余っているとの勘違いが生じているようです。
前述したとおり、ウィッグを一体仕上げるには数十人分の毛を使います。現在のところ100人以上の子どもたちが到着を待っていますが、多くの毛を活用しても行き渡った数はまだ少ないのが現状です。また、ロングタイプを希望する女の子が多いにもかかわらず、長めの髪の毛は特に不足しています。
このような現実があるため、迷っている方の遠慮は不要です。正しい知識を身につけてぜひ活動に参加してみてください。

31cm以下の髪は受け付けていないことも

日本の主な3団体で現在募集しているのは、31cm以上の髪です。長さが足りないと、フルウィッグ製作に活用してもらえません。
短くても子どもたちが望むウィッグを作れるとの勘違いから、基準に満たない髪を送ってしまう方もいるでしょう。
そのような短い髪を、シャンプーやカラー剤の開発に使う評価毛やカット練習用の毛として販売し、ウィッグ用の費用に還元する団体もあります。一方で、仕分けや手続きの手間を考慮して受け付けていない団体もあります。
送った髪が無駄にならないよう、規定の長さを守って送りましょうください。

「寄付」なのでお金はもらえない

ヘアドネーションは「寄付」すなわち「ボランティア」のため、お金はもらえません。基本的に以下の費用がかかると認識しておきましょう。セルフカットする場合は、かかるのは封筒や送料のみです。

  • 髪型を整える料金
  • ドネーションカット料金
  • 封筒や箱代
  • 送料

ドネーションカット料は一般的に無料ですが、サロンによっては料金が発生するケースもあります。検討しているサロンのサイトに詳しい料金が記載されていない場合は、直接問い合わせて費用を確認しましょうてください。

基本的に送料は自己負担

寄付する髪の毛の送料は、自己負担です。送料が不足していると受け取ってもらえません。自分で切手を貼って送る場合は、料金を間違えないよう注意しましょう。
便利な郵送方法として推奨されているレターパックでの送料はこちらです。

  • レターパックプラス:全国一律520円
  • レターパックライト(厚さ3cm以内):全国一律370円

寄付する長さはカットの前に要相談

自分にもよい経験になるよう、仕上がりの髪型と寄付する髪の長さを、美容師さんとよく相談しましょう。
伸ばしていた期間が長いと、自分がボブやショートになった姿をイメージしにくい場合もあります。どんなスタイルが似合うか、仕上がりも優先しながらカットする長さを話し合ってみてください。
また、少しでも興味のある方は、普段のカットの雑談中に疑問点を質問しておくと、伸ばし方やカットするタイミングなどのアドバイスをもらえて、当日までの準備がしやすくなります。

まとめ

ヘアドネーションは、自分の髪を提供して病気で髪を失った子どもたちの役に立てるボランティア活動です。興味のある方は、活動団体で受け取り可能な髪の規定・基本的な流れ・注意点などをおさえておくと、活動へ参加しやすくなります。

大事に伸ばした髪を役立てるためにも、長さやカットの仕方の基準を満たして送りましょうってください。カラーやパーマをしていても受け入れをしている団体があります。検討中の方はぜひ寄付活動にチャレンジして、子どもたちの笑顔に貢献してみてくださいましょう。