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髪の毛の主な再利用(リサイクル)方法4選!具体的な活用方法を紹介

もっと知りたい!女性の髪のこと【お役立ちコラム】

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切った髪の毛には様々な再利用(リサイクル)方法があります。髪の毛は天然素材なので、肥料や繊維、美容や健康にも役立ちます。
この記事では、髪の毛の主な再利用(リサイクル)方法4選と、それぞれの具体的な活用方法を紹介します。髪の毛を再利用(リサイクル)することで、環境にも自分にも優しいライフスタイルを目指せます
髪の毛の再利用(リサイクル)方法に興味がある方は、ぜひ最後までお読みください。

この記事でわかること!

髪の毛の主な再利用(リサイクル)方法4選

髪の毛は、切ってしまうと捨てられることが多いですが、実は様々な方法で再利用ができます。ここでは、髪の毛を再利用する方法を4つ紹介します。

  • ヘアドネーション(医療用ウィッグ)
  • オイルフェンスや毛髪マット(水質改善)
  • コンポスト(畑の土の質を良くする)
  • 家庭用品や建築材料(素材として活用)

髪の毛はただ捨てるだけではなく、さまざまな形で社会貢献につなげることができます。再利用法についてわかりやすく説明します。

ヘアドネーション(医療用ウィッグ)

ヘアドネーションとは、髪の毛の寄付のことです。小児がんや白血病などの病気、不慮の事故などで髪の毛を失った子どもたちに対し、医療用ウィッグを無償で提供する活動のことです。
医療用ウィッグは100%人毛でできているため、見た目や質感がとても自然です。ヘアドネーションで作られたウィッグは、髪の毛がないことで「人に会うのが恥ずかしい」「学校へ行きにくい」といった悩みを抱える子どもたちの社会復帰を手助けする重要なアイテムとなっています。
ただし、ヘアドネーションに参加するには、髪の毛は31cm以上の長さがあることが必要です。髪の毛の伸びる速度は、1日に約0.3mm〜0.4mmといわれています。つまり、1ヶ月で約1cm、1年で約12cmぐらい伸びるということです。ヘアドネーションはどなたでも参加できる活動ですが、髪を伸ばすためには約3年と長い時間がかかる大変なものなのです

オイルフェンスや毛髪マット(水質改善)

オイルフェンスとは、石油類などが事故等によって河川、湖沼、海などの水面上に漏洩・流出した場合に、その拡散を防止するために使用される装置です。
髪の毛は、油や炭化水素などの環境汚染物質を吸着する性質を持っていて、一度吸着した油は洗浄して再利用できます。この性質を利用したものが、オイルフェンスや毛髪マットです。
オイルフェンスや毛髪マットは、化学物質やエネルギーを消費せずに自然に分解されるため、二次的な環境汚染を引き起こしません。オイルフェンスや毛髪マット(水質改善)は、水質汚染による環境破壊や生態系への影響を低減するために効果的な手段といえます

コンポスト(畑の土の質を良くする)

コンポストとは、有機物を分解して土壌改良剤や肥料にする方法です。コンポストには、野菜や果物のくず、茶葉やコーヒーかす、卵の殻などの台所の生ごみや、落ち葉や草刈りくずなどの庭の廃棄物を使います。
髪の毛も有機物の一種なので、コンポストに加えられます。髪に含まれる窒素が発酵を促進して、土壌の質を上げるそうです
髪の毛をコンポストにする方法は簡単です。髪の毛を切ったら、そのままコンポストヒープに入れるだけです。ただし、髪の毛は分解しにくいので、細かく切ったり、他の緑色の材料と混ぜたりするとよいでしょう。また、カラーやパーマなどで化学物質が残っている場合は、土や植物に悪影響を与える可能性があるので注意しましょう。

家庭用品や建築材料(素材として活用)

髪の毛は、その伸縮性や強度の高さから、木材やプラスチックなどの一般的な素材に代わって利用できる可能性があります。その一例として、ロンドンを拠点とするバイオ製造会社のバイオームは、美容室で廃棄される髪の毛を回収し、特殊な技術で加工し、木材ベースのシート素材や3Dオブジェクトの代替品を製造しています。このように、髪の毛は資源として再利用することで、環境に優しい素材となります。
また、2022年のロンドン デザイン ウィークでは、髪の毛が原料のロープを使った家庭用品が展示されました。このロープは、髪の毛の強度や柔軟性を生かして、様々な形に変化させられます。

【髪の毛を寄付】ヘアドネーションの3つの条件

ヘアドネーションに参加するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 寄付できる髪の毛は「31cm」以上
  • カラーやパーマ、ブリーチ済でもOK
  • 髪が乾いた状態でカット・保管が必要

ただし、寄付できる髪の毛の長さや状態は、団体やサロンによって異なる場合があります。そのため、ヘアドネーションに参加するには髪の毛を切る前に、寄付先の団体やサロンを事前に確認しておくことが大前提です。
ここでは、一般的なヘアドネーションの条件について、わかりやすく説明します。

寄付できる髪の毛は「31cm」以上

ウィッグを作るためには、髪の毛の長さが31cm以上必要です。これは、ウィッグのベースに髪の毛を植える際に、二つ折りにして15cm程度の長さで植えるからです。15cm以下だと、髪の毛が立ってしまったり、ヘアスタイルが作れなかったりします。
また、31cm以上の髪の毛は男女問わず使えますが、31cm以下の髪の毛は、ほとんど男の子用にしかなりません。女の子用のウィッグは、40cmや50cm以上といった長さの髪を混ぜて作ります。
一部の団体では、15cm以上から寄付を受け付けているところもあります。これは、頭頂部に植毛をしないウィッグで、常に帽子をかぶって使用するインナーウィッグと呼ばれるものです。
寄付する団体によって、必要な髪の毛の長さや種類が異なります。自分が寄付したい団体をよく調べてから、髪の毛を送ることが大切です。

カラーやパーマ、ブリーチ済でもOK

ウィッグを作るには、髪の毛にカラーやパーマ、ブリーチなどの化学処理がされていても問題ありません。ただし、極端にダメージがひどくて切れやすい髪の毛は不適切です。
カラーやパーマ、ブリーチ済でもOKというのは、ウィッグを作る際に、髪の毛の色や質感を調整することができるからです。また、ウィッグを受け取る人も自分の好みやイメージに合わせてカラーやパーマ、ブリーチをしている人もいるからです。
したがって、カラーやパーマ、ブリーチ済でもOKということは、ヘアドネーションに参加する人や受け取る人の多様性を尊重することにつながります。

髪が乾いた状態でカット・保管が必要

髪が乾いた状態でカット・保管が必要というのは、ウィッグを作る際に髪の毛の品質や色合いを保つためです。湿った髪の毛はカビや雑菌が繁殖しやすく、変色や臭いの原因になります。また、湿った髪の毛は重くなり、カットすると長さが変わってしまうこともあります。
髪の毛をカットしたら、ゴムで結んだままにし、密閉された袋や封筒に入れてください。空気に触れると髪の毛が劣化する可能性があります。
また、髪の毛がほどけたり、混ざったりしないように注意してください。髪の毛を保管するときは、寄付先の団体やサロンの指示に従ってください。寄付先によっては、髪の毛に名前や連絡先などの情報を添えることが求められる場合があります。

ヘアドネーションの5つの手順

ヘアドネーションに参加するには、以下の手順を踏む必要があります。

1、ヘアドネーションができる美容室を選ぶ

2、カットする長さを決める

3、伸ばした髪を切る

4、髪の束をひとつにまとめる

5、寄付する団体に必要なものを用意して送る

髪の毛を失った子どもたちにとって、ウィッグは自信や希望を与えてくれる大切なものです。ヘアドネーションに参加することで、あなたは自分の髪の毛を誰かの笑顔に変えることができます。
それでは、手順についてわかりやすく説明します。

ヘアドネーションができる美容室を選ぶ

ヘアドネーションに参加するためには、まず髪の毛をカットしてもらう美容室を探す必要があります。ヘアドネーションに協力している賛同サロンを利用するか、自分の行きつけのサロンかどちらかを選びます。
賛同サロン以外のお店を利用する場合は、事前にヘアドネーションであることを伝えておくことが必要です。また、美容師さんに「ヘアドネーションの方法」という書類を読んでもらい、カットの方法や髪の毛のまとめ方などを確認してもらう必要があります。この書類は、各団体のサイトからダウンロードできます。

カットする長さを決める

ヘアドネーションに参加するためには、髪の毛をカットする前にどのくらいの長さを寄付するかを決める必要があります。メディカル ウィッグの製作には、最低でも31cm以上の長さが必要です。
この長さは髪の毛を束ねたときに、切り口から毛先までの距離となります。髪の毛を切るときには、カット後のヘアスタイルとのバランスも考えながら寄付する長さを決めましょう。

伸ばした髪を切る

髪をいくつかの束に分けてゴムで強めに結びます。結び目から1cm上の部分をハサミでカットすると、髪の毛が束になって落ちます。このとき、髪は乾ききった状態であることが重要です
シャンプーをして濡れた髪は、乾いたときに縮んでしまうので、寄付する長さが足りなくなる可能性があります。また、毛束が太いと切り口が斜めになってしまい、毛先の長さが不揃いになります。そのため、毛束は細めに分けて切り口がまっすぐになるように注意しながらカットしましょう。これで、ヘアドネーションのための髪の毛の準備ができました。

髪の束をひとつにまとめる

切った髪の毛は、髪の毛の長さに関わらず1人ごとの毛束にまとめます。もし他の方と一緒に送る場合には、髪の毛を混ぜないようにしましょう。
それぞれの毛束はヒモではなく、必ずゴムで結んでください。ヒモだと髪の毛がほどけやすくなり、ウィッグの製作に支障が出る可能性があります。
ゴムで結んだ後は、配送前にゆるんでいないかを再チェックしましょう。このとき、ゆるい場合にはしっかりと縛りなおして再度整えます。これで髪の毛をまとめる作業は完了です。

寄付する団体に必要なものを用意して送る

寄付する髪の毛の用意ができたら、団体によって必要なものが異なるので団体ごとに必要なものを用意します。
例えばJHD&Cの場合は、寄付する人の情報や髪の状態を記したドナーシートと返信用封筒が必要です。ドナーシートは任意なので、必要な範囲で記入すればOKです。
返信用封筒は、JHD&Cが「髪の毛を確かに受け取りました」というポストカードタイプの受領証を送るためのものになります。受領証は希望者のみですが、もし必要な場合は封筒を同封しましょう。

【活用事例】水質改善を目的とした髪の毛の使い方


水質改善を目的とした髪の毛の使い方について、以下の3つの活用事例をご紹介します。

  • オイルフェンス|モーリシャスでの重油流出
  • 毛髪マット|ヘアリサイクルプロジェクト(The Hair Recycle Project)
  • 髪の毛チューブ|フランスで水質改善

それぞれの活用事例について、詳しく見ていきましょう。

オイルフェンス|モーリシャスでの重油流出

2020年、モーリシャス沖で日本の貨物船が暗礁に乗り上げ、船体が破損して約1000トンもの重油が海に流れ出る事件が起こります。この重油は、海洋生態系や観光業に大きな被害を及ぼす恐れがありました。
この危機的な状況に対応するために、現地のボランティアたちは、髪の毛を使ってオイルフェンスを作るという独創的な方法を考え出したのです。髪の毛は、水には吸着しないのに油には強く吸着するという親油性の特性を持っています。そのため、重油を効果的に吸収できます。
ボランティアの人たちは、美容院や個人から寄付された髪の毛を袋に詰めてオイルフェンスを作りました。このオイルフェンスは海岸線に設置され、重油の拡散を防ぐ役割を果たしました。髪の毛を使ったオイルフェンスは、環境に優しく、低コストで作れる利点があります。このように、髪の毛は水質改善のために貴重な資源となる可能性を秘めています

毛髪マット|ヘアリサイクルプロジェクト(The Hair Recycle Project)

ベルギーでは、美容室で出る髪の毛を有効活用するために、環境汚染物質を吸着させるマットを開発するプロジェクトが進められています。このプロジェクトは「ヘアリサイクル」と呼ばれ、非営利団体Dung Dungが主導しています。髪の毛のリサイクルによって、環境保護や社会貢献を目指す団体です。
美容室から集められた髪の毛は機械で正方形に加工され、排水溝に設置されます。そうすることで、水質汚染につながる油や炭化水素などを川に流す前に吸着できます。髪の毛は、その特性上、油分や有機物を吸収しやすく、また分解されにくいということが利点です。
このような毛髪マットは、循環経済や雇用創出にも貢献すると期待されています。例えば、毛髪マットを作ることで、美容室のゴミ処理費用を削減したり、毛髪マットを製造する人々に雇用機会を提供できます。このプロジェクトは、美容室と環境保護団体が協力して、地球環境の改善に取り組む画期的な取り組みです。

髪の毛チューブ|フランスで水質改善

髪の毛チューブは、美容室で切り落とされた髪の毛を再利用することで、環境問題に取り組む「正義の理容師(Coiffeurs Justes)」というプロジェクトの一環として作られました。
髪の毛チューブは、ナイロン製のチューブ状ストッキングに髪の毛を詰めたものです。このチューブは、油や炭化水素を吸収する性質を持つ髪の毛の特徴を利用します。なんと、髪1kgで7〜8リットルの油と炭化水素を吸収できるという驚くべき効果があります。
このチューブは、港や水路に設置されて、海洋の油汚染を防止する役割を果たしています。また、使用済みのチューブは、バイオマス発電所に送られてエネルギーに変えられます。このように、髪の毛チューブは、廃棄物を有効活用して水質改善に貢献するだけでなく、再生可能エネルギーの源となるという特性を持っているのです

コンポストで髪を分解するには「みみず」がおすすめ

コンポストとは、生ゴミや落ち葉などの有機物を微生物や「みみず」などの生き物に分解させて、肥沃な土に変える方法です。コンポストには、堆積型とミミズ型の2種類があります。

堆積型コンポスト
生ゴミを積み重ねて自然に分解させる方法です。この方法では、髪の毛などの固いものや水分が少ないものは分解されにくくなります。また、分解に時間がかかるため、虫が発生したり、臭いが出たりすることもあります。

ミミズ型コンポスト
生ゴミを「みみず」に食べさせて糞として排出させる方法です。この方法では、髪の毛などの固いものや水分が少ないものも、微生物が柔らかくなるまで待ってから食べてくれます。また、分解に時間がかからず、虫が発生しにくく臭いも抑えられます。

髪の毛は窒素を多く含んでおり、肥料としても優れています。髪の毛を刻んで土に混ぜ込んだり、ミミズコンポストに加えたりすることで植物の成長を促進できます。

髪の毛を素材にした「家庭用品」と「建築材料」

髪の毛は、タンパク質やケラチンなどの有用な成分を含んでおり、環境にやさしい素材として活用できる可能性があります。髪の毛を再利用することは、環境保護や社会貢献にも貢献できます。髪の毛を素材にした家庭用品や建築材料は、新しい循環型社会への一歩になるかもしれません

家庭用品|髪の毛を原料にしたロープ

髪の毛は、ケラチンというタンパク質でできており、強度や伸縮性に優れています。そのため、髪の毛を紡いで糸にし、それを編んでロープにすることが可能なのです。実際に髪の毛は産業革命以前、靴下や靴の繊維製品やロープなどに活用されていた歴史があります。
髪の毛を原料にしたロープは、一般的なロープよりも軽量で耐久性があり、水にも強いことが特徴です。また、髪の毛は自然分解されるため、環境にも優しいといえます。髪の毛を原料にしたロープは、アウトドアや防災などの用途に適しています。
髪の毛を原料にしたロープを作る方法は、以下の通りです。

  • 髪の毛を洗って乾かし、長さや色などを揃える。
  • 髪の毛を束ねて紡ぎ車で紡いで糸にする。
  • 糸を2本以上撚り合わせて太さや強度を調整する。
  • 撚り合わせた糸をさらに撚り合わせてロープにする。

建築材料|木材ベースのシート素材や3Dオブジェクトの代替品

髪の毛は、木材ベースのシート素材や3Dオブジェクトの代替品としても利用できます。これらの製品は、髪の毛とバイオ樹脂などのバインダーを混ぜて加工することで作られます。髪の毛は木材と同様にセルロースとリグニンという成分を含んでいるので、木質繊維として扱うことが可能です。

木材ベースのシート素材
髪の毛とバイオ樹脂を混ぜて圧縮成形することで作られます。このシート素材は、木材よりも軽量で耐水性があり、断熱性や防音性も高いことが特徴です。また、自然分解されるため、廃棄時にも環境負荷が低いと言えます。そのため、木材ベースのシート素材は、家具や建築パネルなどの用途に適しています。

3Dオブジェクト
髪の毛とバイオ樹脂を混ぜてペースト状にし、3Dプリンターで造形することで作られます。この3Dオブジェクトは、木目調や木質感があるだけでなく、強度や耐久性も高いことが特徴です。また、自然分解されるため、廃棄時にも環境負荷が低いと言えます。3Dオブジェクトは、インテリアやアクセサリーなどの用途に適しています。

まとめ

髪の毛は、切って捨てるだけではもったいない天然素材です。その価値はまだ十分に認識されていませんが髪の毛には、さまざまな再利用(リサイクル)方法があります。
髪の毛を再利用(リサイクル)することで、環境にも自分にも優しいライフスタイルを目指しましょう。