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ヘアカラーが染まる仕組みは脱色と発色!髪の毛の構造やカラー剤を解説

大人の女性に読んでほしい!ヘアカラーについて【ヘアカラー・白髪染め】

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ヘアカラーは、イメージチェンジや白髪染めのため多くの方が利用できる施術です。日本人女性20〜30代の8割以上、40代で7割以上の方がヘアカラーを経験しているといわれています。

市販品や美容院で気軽に楽しめるヘアカラーですが、実際に髪が染まる仕組みや、髪の毛の構造については、ご存じのない方が多いのではないでしょうか。

本記事では、1剤と2剤を混ぜて使用する「酸化染毛剤」で、ヘアカラーが染まる流れや仕組みを、髪の毛の構造をもとに解説します。色落ちに関する疑問にもお答えしていますので、ヘアカラーについて興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること!

ヘアカラーが染まる仕組みは「脱色」と「発色」

ヘアカラーが染まる仕組みは、髪の毛の色を抜く「脱色」と髪の毛に色を入れる「発色」から成り立っています。

ヘアカラーで使用するカラー剤には、この「脱色」と「発色」の2つの役割があります。まず、カラー剤に含まれる過酸化水素水により、髪の毛のタンパク質や髪色の元であるメラニン色素が分解されて「脱色」の反応が起こります。ブリーチと呼ばれているのがこの「脱色」反応です。

髪の毛の色が脱色されたと同時に、酸化染料と呼ばれる成分が髪の毛に色を加えて「発色」の反応が起こります起こります。

つまり、ヘアカラーはただ表面に塗料を塗っているのではなく、「脱色」と「発色」の化学反応が同時に繰り返されて、髪が染まる仕組みです。

髪の毛を構成する3つの層

ヘアカラーで髪が染まる仕組みを理解するために、髪の毛の構造についても知っておきましょう。髪の毛は、以下の3つの層で構成されています。

・キューティクル|髪の毛の外側
・コルテックス|キューティクルとメデュラの中間
・メデュラ|髪の毛の中心部分

3つの層は筒状になっており、外側から、キューティクル・コルテックス・メデュラの順で層になっています。

キューティクル|髪の毛の外側

キューティクルは、3つの層の1番外側にあり、内側を保護する働きがあります。

主な成分は、ケラチンと呼ばれるタンパク質です。キューティクルの1枚1枚の厚さは約500μmで、板状の細胞が約5〜10枚ほど重なりウロコのような構造をしているのが特徴です。

通常、キューティクルが整っていると髪の毛にツヤがあります。しかし、外部の刺激によりキューティクルが剥がれたり開いてしまったりすると、髪は傷みパサつきの原因となります。特に、毛先のほうはキューティクルの枚数が少ないため、傷みやすい傾向にあります。

また、剥がれたキューティクルは再生ができません。きれいな髪を保つためには、こまめなトリートメントなど適切なケアを心がけたいものです。

コルテックス|キューティクルとメデュラの中間

コルテックスは、キューティクルとメデュラの中間にあり、髪の毛の水分保持やツヤを保つために、重要な役割を担っています。髪の毛の85〜90%をコルテックスが占めており、髪の色味を決めるメラニン色素もコルテックスに含まれています。

通常、コルテックスはキューティクルに守られていますが、外部の刺激によるダメージで露出してしまう場合もあります。ダメージを受けると、水分やタンパク質が流出するため、髪の傷みが増してしまうでしょう。

メデュラ|髪の毛の中心部分

メデュラは髪の毛の中心部に位置し、潤いや弾力性を守っています。主な成分は、タンパク質で、網目状または多孔質構造になっているのが特徴です。

メデュラは、全ての方の髪の毛に存在するわけではないものの、太い髪ほどメデュラが多い傾向にあります。軟毛や細い髪には含まれていない場合もあります。また、潤い保持や熱による膨張・収縮時の緩衝スペースの役割を果たすといわれていますが、詳細については未だ解明されていません。

髪の色を決めるのはコルテックスの中の「メラニン」

髪の毛は、キューティクル・コルテックス・メデュラの構造からなると説明しました。髪の毛の構造の中で、ヘアカラーで髪が染まる部分はコルテックスです。さらにいうと、コルテックスのなかでも髪の色を決めるのは「メラニン」です。

コルテックスには、NMF(Natural Moisturizing Facotor)やメラニン色素が含まれています。NMFとは、保湿効果の高い天然の物質で肌や髪の水分を保つ働きがあります。メラニンは、肌や髪の色を作る色素です。

また、メラニンは、真メラニン(黒〜褐色)と亜メラニン(黄〜赤色)に分けられ、髪色はメラニンの種類や量によって決まります。年を重ねてメラニンが生成されなくなった髪は、白髪になります

髪を染めるカラー剤は「1剤」と「2剤」を混ぜて使うもの

美容院や市販品のヘアカラーは、「1剤」と「2剤」を混ぜて使用する染色剤を用いています。ヘアカラーは、1剤(アルカリ剤・酸化染料)と2剤(過酸化水素水)を混ぜ合わせて起こる化学反応によって髪の毛が染まると知っておきましょう。

ヘアカラーで使用する1剤と2剤がどのようなものか、それぞれ説明します。

1剤|酸化染料・アルカリ剤などを含む

1剤には、酸化染料アルカリ剤界面活性剤が含まれています。

アルカリ剤と界面活性剤は、髪を保護しているキューティクルを開き、のちに酸化染料や2剤の色素成分が内部に入り込みやすくする働きをしています。ヘアカラーの色合いや明暗は、酸化染料によって決まりますが、1剤だけの塗布では発色の反応がおきず、色は髪に染まりません。

2剤|過酸化水素水などを含む

2剤には、過酸化水素水が含まれています。

2剤である過酸化水素水には、2つの役割があります。1剤のアルカリ剤と混ざることで、化学反応を起こして酵素を発生させます。この酵素には、黒髪の元であるメラニン色素を破壊して髪の色を明るくする効果(ブリーチ)や、酸化染料と結合して発色させる効果があります。

また、過酸化水素水には濃度があります。美容院では、髪質や色味、カラー剤を塗布する部位によって1.5%〜6%から濃度を調整して使います。一方で、市販のヘアカラーでは全て6%の濃度が使用されています。

過酸化水素水の濃度が高いほど脱色・発色の効果が期待できますが、その分ダメージも強くなるため注意が必要です。

【5ステップ】ヘアカラーが染まる流れ

では実際に、どのような過程でヘアカラーは行われるのでしょうか。1剤と2剤を混ぜ合わせて作ったカラー剤が、髪の毛に染まる流れを説明します。

ヘアカラーが染まる流れは、以下の5ステップです。

1. 1剤のアルカリ剤がキューティクルを開く
2. キューティクルと表面の隙間にカラー剤が浸透
3. カラー剤がメラニン色素を壊す
4. 酵素とカラー剤が結びついて発色する
5. 発色しながら膨らんでキューティクルから抜けづらくなる

カラー剤を塗って洗い流すだけと思われがちですが、さまざまな手順を踏んでいるのがわかるでしょう。

ステップ1、1剤のアルカリ剤がキューティクルを開く

1剤に含まれるアルカリ剤や界面活性剤が、髪の表面にあるキューティクルを開きます。

通常、キューティクルは内面を守るために閉じており、内面にはメラニン色素が入っている状態です。そのため、1剤でキューティクルを開き、カラー剤が髪の内部へ入り込む隙間を作ります。

ステップ2、キューティクルと表面の隙間にカラー剤が浸透

キューティクルが開いたら、2剤に含まれる過酸化水素水と1剤の酸化染料が、表面の隙間(コルテックス)に浸透していきます。しっかりと浸透することで、その後の「脱色」や「発色」を助け、キレイに染まる助けをしてくれます。

ステップ3、カラー剤がメラニン色素を壊す

浸透したカラー剤に含まれる過酸化水素水は、黒髪のもとであるメラニン色素を壊します。この工程は、「脱色・ブリーチ」と呼ばれ、もともとの黒い色素が抜けて明るくなります。脱色までにかかる時間は、15分程度です。

脱色(ブリーチ)は、明るい髪色にする際に行う処置だと考えている方が多いですが、通常のヘアカラーでも脱色は行われています。

テップ4、酵素とカラー剤が結びついて発色する

次に、ステップ2で発生したカラー剤と酸素が結びつきます。いわゆる酸化により、染料に「発色」反応が起こるため、髪に染料が入り込んでいきます。発色までにかかる時間は、30分程度です。

ステップ5、発色しながら膨らんでキューティクルから抜けづらくなる

カラー剤を髪の毛に塗布して酸素と結びつくと、発色をしながら膨らんでいきます。カラー剤が膨らむと、キューティクルから色素が抜けづらくなり、ヘアカラーが定着します。

また、定着には時間が必要なため、カラー剤を洗い流したあとのシャンプーは24時間以上たってからにしましょう。

ヘアカラーの色落ちに関するよくある質問

ヘアカラーにおいて色落ちは悩みの一つです。そこで、ヘアカラーの色落ちに関するよくある質問を3つピックアップしました。

・どのくらいの期間で色落ちしますか?
・落ちにくいカラーはなんですか?
・美容院は何ヶ月に1回行くべきですか?

それぞれの質問に対して回答も載せていますので、色落ちについて疑問のある方は参考にしてみてください

どのくらいの期間で色落ちしますか?

色落ちする期間の目安は「1ヶ月前後」といわれています。

色落ちする期間は、髪の質や傷み具合、カラーの色味や明るさなど、さまざまな要因によって大きく変わるのも事実です。特に、明るい色に染める場合は、ブリーチすることも影響して色が抜けやすい傾向にあります。

色が暗めで傷みの少ない方であっても、ヘアカラーの直後から退色は始まっており、シャンプーのたびに流れ出ています。そのため、平均的な期間は「1ヶ月前後」を目安に考えるとよいでしょう。

落ちにくいカラーはなんですか?

暗めのカラーは色落ちしにくい傾向にあります。暗めのカラー剤は、明るめのカラー剤と比べて色素が多く含まれているのが理由です。色素が多いと、色落ちするまでの時間が長くなるとされています。

また、色持ちが良いとされている色は、ベージュ系バイオレット系ブラウン系です。これらの色味は、日本人の髪に定着しやすい色味であるとされています。

ヘアカラーを頻繁にしたくない、長持ちさせたいと考えている方は、この3つの色味をベースにしたカラー剤を選択しましょう。

美容院は何ヶ月に1回行くべきですか?

美容院へ行く頻度は、カラー・パーマの状態や髪の毛の長さにより異なるため、ここではカラーに着目して答えます。

ヘアカラーの色落ちの目安は1ヶ月前後です。そのため、ヘアカラーをキレイに保つためには1ヶ月半〜2ヶ月に1回の施術がおすすめだといえるでしょう。

特に、明るいカラーをしている方は、新たに根元の部分が生えてくると、いわゆるプリンヘアになってしまいます。生え際の髪色が気になる前に早めに美容院へ行くと、キレイな状態を保ちやすいでしょう。

仕事が忙しいなど2ヶ月に1回通うのが難しい方は、色落ちがしにくい暗めの色に染めると、染め直す頻度を少なくできるかもしれません。また、ダメージが心配な方は、新たに生えてきたところだけカラーをする「リタッチ」といった方法もあるため、美容師に相談しましょう。

ヘアカラーの失敗を避けるなら美容院でのカラーがおすすめ

ヘアカラーで失敗したくない方は、美容院でカラーをしてもらいましょう。

セルフカラーは、ドラッグストアをはじめ身近な店舗で購入できるため、セルフカラーを楽しんでいる方も多いのではないでしょうか。時間も選ばず、低価格でヘアカラーができるため、忙しい方にとっては魅力的でしょう。

しかし、セルフカラーは一人ひとりに合わせた配合ではないため、色ムラや思った色にならないといった失敗が多くあります。

さらに、市販のカラー剤に含まれるモノエタノールアミン成分は、髪に残留しやすく、ダメージや頭皮トラブルにも繋がりかねないリスクがあります。一方で、美容院のカラー剤にはアンモニアが含まれており、揮発性が高く、髪に残留しにくいのが特徴です。

美容院では、ヘアカラーのプロである美容師が、一人ひとりの髪質や頭皮環境を考慮して、色の配合からダメージケアまで配慮してくれます。施術前には、使用するカラー剤が肌に合うか確かめるために、パッチテストを行う美容院もあります。

色ムラのない発色やツヤ感を大切にしたい方は、美容院でのカラーがおすすめです。

まとめ

ヘアカラーは、「脱色」と「発色」2つの反応が同時に起こるため、髪が染まります。仕組みはとても簡単ですが、キレイに染めるためには、放置時間や色合い、髪質やカラー剤の種類など、一人ひとりに合わせたヘアカラーが大切です。

ヘアカラーの失敗は、髪や頭皮にダメージを与えるリスクが高くなります。そのため、失敗を避けるにはヘアカラーのプロに任せるのがおすすめです。

ヘアカラーは1ヶ月前後で色落ちするため、キレイなカラーを保ちたい方は、2ヶ月以内を目安に美容院に行きましょう。色落ちしたくない方は、ブラウン系などの暗めな色に染めるのがポイントです。ヘアカラーの仕組みや髪の構造をよく知りながら、髪や頭皮に優しいヘアカラー方法を楽しんでください。