「雨の日はくせ毛がさらに広がって髪がなかなかまとまらない」といった悩みを抱えている方は多いでしょう。「雨の日に髪が広がらない対処法を知りたい」「雨の日にもきれいにセットできるコツがあれば知りたい」といった方もいると思います。
今回は、雨の日にくせ毛が広がりやすい原因や、なるべく広がらないようにするためのポイント、きれいに髪の毛をセットするコツなどを解説します。
雨の日になると髪が広がったりうねったりして困っている方は、最後まで記事を読んで参考にしてみてください。
この記事でわかること!
雨の日にくせ毛が広がる原因は「髪質」と「ダメージ」
雨の日にくせ毛が広がったりまとまりにくくなるのは、主に髪質と髪に蓄積したダメージが原因です。では、なぜ髪質とダメージによって髪が広がってしまうのでしょうか?
詳しく解説していきます。
くせ毛の髪質|水分を吸収しやすい
くせ毛には、以下の4種類があります。
- 波状毛(はじょうもう)
- 縮毛(しゅくもう)
- 連珠毛(れんじゅもう)
- 捻転毛(ねんてんもう)
この4種類のうち、日本人に特に多いくせ毛の髪質が波状毛です。波状毛は、波のようなうねりを持ったくせ毛で、パーマをかけているように見えるのが特徴です。また、季節によって髪質が変わり、ごわついたりうねったりするなど手入れが大変なケースもあります。その一方で、きれいに手入れすればパーマをかけなくてもゆるふわなウェーブを保てるといったメリットもあります。
また、くせ毛は髪の毛の内部にある「Oコルテックス」と「Pコルテックス」のバランスが悪いのも特徴です。Oコルテックスは水分保湿がしやすく、Pコルテックスは水分が保持しにくいといった特徴があり、このバランスが悪いと湿気をすう場所が髪によってバラバラになり、膨張しやすくなります。
くせ毛のダメージ|キューティクルが傷ついている
キューティクルとは、髪の毛の表面を覆っているタンパク質の一種です。髪の毛は3層構造をしています。中心部にメデュラ、その外側にコルテックスがあり、この2つをキューティクルが包み込んでいます。
キューティクルは、0.5~1μmと非常に薄く、鱗のように重なって髪の毛を覆っているのが特徴です。メデュラやコルテックスを外部からの刺激から守り、髪内部からタンパク質や水分が失われるのを防ぐ役割を担っています。
キューティクルは髪の毛の一番外側の部分ですから、外部からの刺激を真っ先に受けます。そして、キューティクルは濡れると剥がれやすくなり、そこに刺激を受けると傷んでしまいます。
例えば、髪の毛を洗って乱暴に拭いたり、ドライヤーの熱を長時間当て続けたりしても傷んでしまいます。また、パーマやカラーを頻繁にしていても、キューティクルは傷んでしまいます。くせ毛の方の場合は、ストレートパーマや縮毛矯正をかける機会もありますが、これもまたキューティクルが傷つく原因になります。
そして、キューティクルが傷つくと内部に水分が入りやすくなるほか、保湿機能も衰えて髪の毛が広がったりパサき切れ毛や枝毛の原因にもなるでしょう。
くせ毛でかつキューティクルが傷ついていると、より雨の日にくせ毛が広がりやすくなります。
【4つのお悩み別】湿気対策のポイントを解説
くせ毛は直毛に比べると、雨の日は髪の毛が広がってしまいがちです。だからこそ「何とかしたい」と悩む方も多いでしょう。ここでは、髪の毛の悩み別に湿気対策のポイントを4つ紹介します。ぜひ、参考にしてください。
前髪のうねり対策、最初に前髪を乾かそう!
せっかく前髪を丁寧にセットしたのに、外出中に前髪がうねって形が崩れてしまってはがっかりします。前髪のうねりの原因は、髪の毛が湿気を含んでしまうためです。
前髪のうねりを防ぐために、以下の4ステップで髪の毛をセットしてみましょう。
- 前髪の水分をしっかりと乾かす
- 洗い流さないトリートメントを付けて、髪の毛を油分でコーティングする
- ヘアアイロンで前髪を伸ばしてセット
- キープスプレーで髪の毛を固める
これで、雨の日でも前髪がうねることなくキープできる可能性があります。念の為、コードレスヘアアイロンを持っておくことで、万が一外出中に前髪がうねってもすぐにセットしなすことができます。
髪のベタつき対策、油分を落とすシャンプー
髪の広がりとともに、悩んでいる方が多いのは髪のべたつきです。髪がべたつく原因は大きく分けて2つあります。
- 皮脂や汗が髪についてしっかり洗い流せていない
- 頭皮から過剰に皮脂が分泌している
汗や皮脂を洗い流すには、ノンシリコンシャンプーやクレンジングシャンプーがおすすめです。また、髪の毛をろくに濡らさず、シャンプーを手のひらに出したらすぐに髪に付けるような洗い方では、皮脂や汗は十分に落ちません。皮脂や汗をしっかりと洗い流すには、以下のステップでシャンプーをしてみましょう。
- 髪の毛を十分に濡らす
- シャンプーをしっかりと泡だててから髪の毛につける
- 指の腹で頭皮をこすってしっかり洗う
- シャンプーを徹底して洗い流す
シャンプーをしっかりと落としきれていないと、べたつきの原因になります。また、食生活の乱れ、睡眠不足などが原因で頭皮から過剰に皮脂が分泌される場合もあるので、生活習慣も見直してみましょう。
なお、あまり皮脂がたくさん出て髪の毛がベタベタする場合は、脂漏性湿疹などを発症している可能性があります。シャンプーをしてもベタベタが続く場合は、一度皮膚科を受診してください。
ペタンコ髪対策、ヘアスプレーを全体にかける
くせ毛の方の中でも、髪が細い人は湿気によって髪の毛がぺたんこになりがちです。髪の毛がぺたんこになるとせっかく決めたヘアスタイルも映えません。ぺたんこ髪対策には、まず髪の毛をしっかりと乾かしてください。出かける前にはドライヤーをかけて、入念に髪の毛を乾燥させましょう。
次に、髪の根元にヘアスプレーをかけて、髪の毛を立ち上げるようにブラッシングします。これで、ふんわりボリュームが出るでしょう。前髪も、同様に、根元にヘアスプレーをかけて髪の毛を起ち上げるようにブラッシングしてください。
ヘアスプレーを上からかぶせるようにかけると、髪の毛を押さえつけてぺたんこになってしまいます。ボリュームが出るタイプのスプレーを根元にかけるのがポイントです。
目立つアホ毛対策、小型のスタイリング剤でクセを和らげる
アホ毛とは、整えた髪の毛の隙間からとびだしてしまう短い毛です。
くせ毛の方のアホ毛は、髪の毛のうねりが主な原因です。髪の毛がうねっていると浮かびやがりやすく、セットしても飛び出してしまいやすいでしょう。また、髪の毛が傷んでいると切れ毛や枝毛が発生しやすく、それがアホ毛になるケースもあります。
アホ毛対策は、セット力のあるワックスやスプレーがおすすめです。また、小型のスタイリング剤を持ち歩けば、出先でも直すことができます。
シャンプーの仕方を見直したり毎日のヘアケアを行うなどして、髪の補修に力を入れることで、アホ毛が発生しにくくなります。
くせ毛に使うスタイリング剤の3つのタイプ
くせ毛が雨の日に広がらないようにするには、スタイリング剤を利用すると便利です。しかし、スタイリング剤は酒類が多いので、「どれを使っていいか分からない」と悩む方もいるでしょう。
ここでは、バーム・オイル・ミルクの3種類のスタイリング剤の特徴とおすすめの使用シーンを紹介します。
しっとり「バーム」|太くて固いくせ毛におすすめ
バーム(ヘアバーム)は、簡単に濡れ髪やつや髪を作れるのが魅力なスタイリング剤です。主要成分はミツロウや天然のオイルなので、髪への影響もありません。ヘアオイルのつや感とワックスのしっかりさを併せ持つスタイリング剤として、自然な髪で、しっかりとヘアスタイルを固めたい方におすすめです。
太くて固く、なかなかセットしにくいくせ毛の方も、ヘアバームならば希望通りの髪型が作れることができます。ショートやボブなど、くせ毛には不向きとされる髪型を可愛くキープしたい場合にも適しています。
まとまる「オイル」|ヘアセットの前におすすめ
ヘアオイルとは、髪につやを与えたりまとまりやすくする効果のあるスタイリング剤です。ヘアオイルの歴史は古く、日本にも「椿油」など伝統的なヘアオイルがあります。
ヘアオイルは、洗い上がりの髪をしっかりとタオルドライをした後で、体温で暖めたヘアオイルを髪に塗り、毛先から揉み込むようになじませましょう。その後、全体的にヘアオイルを塗り、最後にしっかりとドライヤーで乾かします。
そうすれば、髪の毛はしっとりつややかになりまとまりやすくなるので、雨の日にも広がりにくくなるでしょう。前髪のうねり対策にも効果的です。ドライの髪に付けても効果が薄いので、気をつけてください。
なお、ヘアオイルとバームを一緒に使うとワックスより自然な仕上がりになります。ヘアオイルは日焼け止めの効果もあるので、夏のスタイリングに使いましょう。
さっぱり「ミルク」|細くて柔らかいくせ毛におすすめ
ヘアミルクとは、水分と油分をバランスよく配合したスタイリング剤です。ヘアオイルと比べると水分が多く、髪のダメージを補修してくれる効果もあります。また、ヘアオイルやワックスよりテカリがすくなく、自然なつや感が生まれるのも特徴です。
乾燥でパサつく髪に潤いを与えたいという方から、ヘアドライヤーの熱や摩擦から髪の毛を守りたいといったときにも使えるので、細くて柔らかく、傷みやすいくせ毛の方にもおすすめです。
簡単にできる!雨の日のくせ毛ケア4選
くせ毛は日々のケアも重要です。特に雨の日が続くときは毎日髪の毛を意識して手入れしましょう。ここではくせ毛ケアを4つ紹介します。くせ毛のお手入れにお悩みの方は、参考にしてみてください。
シャンプーは予洗いをしっかりと
シャンプーをする際は、まずお湯でしっかりと汚れを落としましょう。乾いた髪の毛にシャンプーをいきなりつけてはいけません。予洗いをしっかりしたら、毛先にシャンプーを付けて泡立てましょう。その泡を頭皮に付けて指の腹でしっかりと洗います。
髪の毛の汚れは予洗いでだいたい落ちているので、優しく洗えば十分です。洗い終わったら入念に洗い流しましょう。もう十分だなと思ったらさらに1分洗い流すとより効果的です。
トリートメントやコンディショナーは、逆に頭皮につかないようにして髪の中間から毛先に向かってつけていきましょう。髪の表面がつるつるになるまで手ぐしでしっかりとなじませるのがポイントです。洗い流しも十分にしましょう。
丁寧なトリートメントで内部補修
髪の毛の傷みやクセが気になる場合は、トリートメントの後に蒸しタオルを巻いて成分をしっかりと髪の内部に染みこませましょう。時間をおくことで、内部にまで成分が染みこみます。
また、頭皮マッサージをして血行を良くすれば、より美しい髪の毛が生える下地が整います。頭皮マッサージは毎日続けましょう。10日以上続けると「なにか髪の調子がいいな」と感じられるでしょう。
ヘアオイルできっちり保湿
髪の毛を洗い終わったらしっかりとタオルドライをして保湿をしてみてください。ヘアオイルをつければ、髪の毛がコーティングできてドライヤーの摩擦や熱から髪の毛を守れます。
パサつきや切れ毛、枝毛が気になる人ほどヘアオイルの効果は感じられます。
お風呂上りは早めにドライヤーで乾かす
タオルドライだけでは、髪の乾燥は不十分です。ヘアオイルで保湿したら以下のステップでドライヤーで乾かしましょう。
- ドライヤーは髪の毛にわけ目をつくり、根元や頭皮から乾かす
- 根元や頭皮があらかた乾いたら、手ぐしを使って髪の毛の表面を乾かす
- 髪の毛の表面を乾かす場合、髪の毛からやや離してドライヤーを当てる
- 髪が8割程度乾いたらヘアブラシを使って髪の毛を整える
- 最後は冷風で髪の毛を冷やしてつやを出す
少々面倒に感じるかもしれませんが、丁寧にドライヤーをかければくせ毛でも簡単なスタイリングでまとまりやすくなります。ぜひ、実践してみましょう。
【要チェック】くせ毛が酷くなる4つのNG行動
最後に、くせ毛が酷くなりがちな4つのNG行動をご紹介します。中にはついうっかりやってしまいがちな行動もあるでしょう。髪の毛の傷みが気になっている方は、ここでご紹介した行動をやっていないかどうか、振り返ってみてください。
紫外線ダメージを放置する
紫外線は肌だけでなく髪の毛にも深刻なダメージを与えます。海や山に行った後、髪の毛に枝毛や切れ毛が増えた、といった経験がある方もいるでしょう。それが、髪の毛の紫外線ダメージです。
髪の毛の紫外線ダメージは放置されがちですが、しっかりとケアをしましょう。まずは紫外線を浴びないように、外出する際は帽子や日傘で日光を防いでみてください。ヘアオイルで保湿するのも大切です。
また、前述したような手順で、洗髪、トリートメント、ドライヤーを行いましょう。紫外線を浴びた髪を放置すれば、ダメージが蓄積してしまいます。
お風呂上りに髪を乾かさない
面倒なドライヤー疲れているときは髪の毛を洗うのに手一杯で、タオルドライで十分と思ってしまうときもあるでしょう。しかし、お風呂上がりに髪の毛を乾かさず、そのまま寝てしまえば、枕や布団との摩擦で髪の毛は傷む一方です。
夜、どうしても髪の毛を乾かすのが面倒ならば、朝10分早く起きてシャンプーをしてしっかりと髪の毛を乾かしましょう。そうすれば、髪の毛へのダメージをなるべく小さくすることが期待できます。
また、マイナスイオンドライヤーなど髪の毛にダメージが少ないドライヤーを使うとより効果的です。髪の毛の傷みが気になる方は、使ってみてください。
ダメージの大きいヘアカラー
ヘアカラーやパーマは、髪の毛を傷める原因になります。髪の毛の傷みが気になる方は、できるだけ利用しないほうがいいでしょう。また、ヘアカラーにはいろいろな種類がありますが、自分でできる安価なヘアカラーほど髪の毛のダメージが大きい傾向があります。
ダメージをなるべく小さくしつつヘアカラーを行いたい場合、ヘアサロンで低ダメージのヘアカラーを使うなどしてください。また、元の髪色とかけ離れたヘアカラーを使うほどダメージは大きくなるので、気をつけましょう。
頻繁にヘアアイロンを使う
ヘアアイロンは簡単に癖を伸ばせる便利なアイテムです。毎日使っているくせ毛の方も多いでしょう。しかし、頻繁にヘアアイロンを使うと熱と摩擦によってキューティクルが傷んでしまいます。
ヘアアイロンは1日1回だけ使うなど、ヘアブラシ感覚で使わないように注意しましょう。また、髪の毛にダメージが少ないヘアアイロンを使うなど工夫してみてください。
まとめ
今回は、雨の日にくせ毛が広がる原因や対策方法を紹介しました。雨の日に髪の毛が広がってしまう場合は、単に「髪質だから」とは言い切れません。もしかしたら、髪の毛が傷んでいる可能性もあります。
一度自分のヘアケア方法を見直してみましょう。しっかりと髪の毛を乾かすだけでも髪の毛はまとまりやすくなるでしょう。このほか、スタイリング剤を場面によって使い分けることで、まとまりやすく、美しい髪の毛をキープできます。実行できそうなものから実行してみましょう。