【医師監修】白髪の生える場所と体調に関係がある？特徴についても解説

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白髪の生える場所は、人によって異なります。白髪が特定の部分に生えたり、かたまって生えたりすることがあると心配になる方もいるでしょう。そこで今回は、白髪の生える場所と白髪の原因の関係について詳しくご紹介します。最近白髪が増えてきて気になっている方などは、参考にしてみてください。

この記事でわかること！

白髪の生える場所は？

まずは、白髪の生える主な場所について解説します。

頭頂部や後頭部など様々

白髪の生える場所は、つむじや生え際の他、頭頂部や後頭部、頭部全体に広がる場合もあります。人によって白髪の生えやすい場所は異なるので、必ずしも分け目や前髪などに生えるというものではありません。

ただし、地肌の見える分け目は紫外線を浴びやすいため、白髪の比較的生えやすい場所だと言えます。また、側頭部や後頭部など特定の場所を搔く癖があるとと、地肌や毛穴を傷付けてしまうことで、同じ場所に白髪が生えてしまう可能性もあります。

白髪の生え方は主に2パターン

白髪の生え方は、2パターンに分けられます。
1つは、髪の毛の中間から毛先にかけて白髪になっているケースです。髪の成長し始めた段階では、色素を作るメラノサイト（色素細胞）からメラニン（色素）が分泌されます。しかし、メラノサイトの働きが何らかの原因で低下してしまうと、髪の成長段階でメラニン不足に陥り、毛先や髪の中間あたりから白くなってしまいます。

もう1つは、根元から白髪のパターンです。髪の生える段階で既にメラノサイトの働きが低下しているため、根元から白くなってしまいます。メラノサイトの働きが低下する主な原因として、加齢やストレスによる血行不良、遺伝、紫外線によるダメージなどが考えられています。

 

白髪の生える場所と原因

先述の通り、白髪の生える場所、生えやすい場所は人によって異なります。白髪の原因は複数あり、複合的であるため、必ずしも「生えた場所に応じて考えられる原因」がそのまま当てはまるとは言えないことを考慮して参考にしてみてください。ここからは、白髪が特定の場所によく生える場合に考えられる原因を紹介します。

頭頂部・前髪の白髪

頭頂部や前髪によく生える白髪は、紫外線が原因の可能性があります。紫外線を浴びると頭皮には活性酸素が発生します。過剰に発生した活性酸素は細胞を老化させるため、日光に当たりやすい頭頂部や前髪のメラノサイトは影響を受けやすく、白髪になる可能性があるのです。

頭頂部や前髪の白髪が気になる方は、頭皮を隠せる帽子や日傘、ヘア・頭皮用のUVスプレー、UVオイルなどを活用して紫外線対策をしてみましょう。

分け目の白髪

分け目の白髪は紫外線や頭皮への負担が原因となることがあります。分け目は頭皮が露出している部分が多いため、頭頂部や前髪のように紫外線によるダメージを受けやすいです。また、何年も同じ分け目で変えていないと頭皮に負担がかかり続けることで、周辺の頭皮が血行不良となり、白髪が生えることもあります。
紫外線対策をしたり、定期的に分け目を変えたりするといった工夫で頭皮への負担を軽減しましょう。

生え際・こめかみの白髪

生え際やこめかみの白髪は、頭皮への負担や眼精疲労が原因である可能性が高いです。分け目同様、生え際を引っ張るような髪型を長く続けていると頭皮の血行不良につながります。眼精疲労もまた、額やこめかみの血行不良を招きます。頭皮や頭皮に近い場所が血行不良になると、栄養が十分に行き渡りにくくなり、生え際やこめかみの白髪の要因になってしまうのです。

髪をまとめている時間が長い方は、なるべく下ろした髪型をするように変えてみましょう。デスクワークなどで眼精疲労になりやすい方は、ホットアイマスクや蒸しタオルで温めたり、頭皮マッサージを取り入れたりして血行不良の改善を試みてください。目を休めるよう、適度に休憩時間を入れることも大切です。

 

横だけ（側頭部）の白髪

もともと白髪は側頭部から生え始めることが多く、側頭部から徐々に頭頂部などに広がっていきます。このため、白髪が目立ってきたと感じたときに側頭部で白髪が見つかるのは自然なことです。一方で、特定の原因が関係するケースもあります。

鉄・亜鉛・ビタミンなどの頭皮へ酸素を運ぶための栄養素が不足したり、血行不良になったりした場合、側頭部に白髪が生える傾向にあります。またストレスで歯を食いしばる癖がある方も、側頭筋がこわばることで血行不良になり、側頭部に白髪が生えることもあります。食生活の偏りやストレスに心当たりのある方は、少しずつ改善してみましょう。

後頭部の白髪

後頭部はストレスによる白髪が生えやすいと言われています。ストレスを受け続けると交感神経が優位になるため、血管が収縮して血行不良となり、白髪が生えやすい頭皮環境につながります。適度にストレスを発散する習慣を付けるようにしてみてください。

後頭部の白髪は確認するのが難しいので、手鏡を2枚使用したり三面鏡を活用したりしてみるのもおすすめです。美容室で後頭部の白髪を確認してもらうことも可能なので、気になる場合は白髪の生えている場所をチェックしてみましょう。

白髪が多い人の主な特徴9点

白髪の多い人は、遺伝による影響の他、食生活や喫煙、睡眠の質なども関係しているかもしれません。ここからは、白髪が多い人の主な9つの特徴を紹介します。

遺伝的に白髪が多い

両親や祖父母などが髪の多い白髪の場合、遺伝的に白髪の多くなる家系の可能性があります。白髪の遺伝については解明されていないものの、遺伝的要因によって白髪の生えやすい傾向であることは十分に考えられます。中でも若白髪と呼ばれる10～20代で白髪が増えている状態は、遺伝による影響が高いのかもしれません。遺伝と白髪について気になる方は、家族や親戚にいつ頃から白髪が出始めたのか、どのくらい白髪があるのか確認してみるのも良いでしょう。

貧血気味な状態が続いている

貧血気味な状態が続いていると、髪の成長に必要な栄養が十分に行き渡らないことから、白髪につながりやすいと考えられています。鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビンを構成する鉄の不足によって起こる貧血です。また、鉄は血中の酸素を供給する役割を担っていて、酸欠状態を防ぐ上でも重要な栄養素でもあります。

メラニンを作るメラノサイトはヘモグロビンを通じた酸素の補給が必要です。貧血で悩んでいる方は鉄分を含むレバーや豆腐、牡蠣などの他、鉄分の吸収率を上げる野菜、動物性たんぱく質の含まれる乳製品や肉などをバランスよく摂取するのも良いでしょう。

食生活が乱れている

食生活が乱れていると、髪の成長やメラニンに必要な栄養不足に陥り、切れ毛や枝毛といったヘアトラブルの他、白髪の増加にもつながります。ハリとツヤのある髪の毛を保つには、ミネラルとビタミン、タンパク質といった栄養素をバランス良く摂取しましょう。タンパク質の不足は、メラニン色素の原料「チロシン」不足を招きます。ミネラルはメラノサイトを活性化させる上でも重要なので、不足させないようにする事が大切です。

活性酸素の一種である過酸化水素も白髪の原因でもあると考えられていますので、中和してくれるビタミンCやビタミンEをバランス良く摂取するのも良いでしょう。
ジャンクフードを頻繁に食べる方や野菜の摂取が不足しがちの方は、栄養バランスに配慮した食生活を意識してみてはいかがでしょうか。

睡眠の質が低下気味

白髪の原因には、睡眠の質も関係していると言われています。睡眠中に分泌される成長ホルモンには、頭皮や髪の回復、発毛サイクルを整える働きがあります。しかし、睡眠不足や浅い眠りの繰り返しなどで睡眠の質が低下すると、成長ホルモンの分泌不足に加えて血行不良、過酸化水素の増加といったトラブルを招き、白髪リスクを高めてしまうかもしれません。

睡眠の質を良くするために、就寝前の2～3時間前に入浴したり白湯などを飲んだりしてみてはいかがでしょうか。また、起床後に日光を浴びて体内時計を整えるたり適度な運動を行うことでも寝つきを改善することで睡眠の質も向上する可能があります。

喫煙の習慣がある

喫煙は白髪の原因と考えられ、注意の必要な習慣の1つです。タバコに含まれているニコチン成分は、血管を収縮させる働きを持っています。血流が悪化する事で頭皮や髪・メラニンに必要な栄養を補給しきれず、頭皮や髪のトラブルを招くかもしれません。

さらに、喫煙は体内に活性酸素が増えるため、酸素不足による機能低下のリスクも考えられます。喫煙習慣のある方で白髪が気になる方は、禁煙に向けた行動を始めてみてはいかがでしょうか。

過度なストレスを受けやすい状況

ストレスの溜まりやすい状況が続いている方も、白髪のリスクが高くなる可能性があります。過度なストレスは、交感神経が優位な状態を継続させるため血行不良を招く事で髪の成長に必要な栄養を毛母細胞から補給できなくなり、白髪を含むヘアトラブルが起こりやすくなります。日頃ストレスを感じている方は、まずはストレスの発散方法を見つけたりリラックスできる環境作ったりすることから始めてみてはいかがでしょうか。

髪や頭皮の洗い方やシャンプーに問題がある

誤った洗髪方法を続けていると、頭皮環境の悪化によって切れ毛や枝毛、白髪といったリスクを高めてしまいます。例えば予洗い不足やシャンプーの洗い残し、相性が悪いシャンプーを使用しているなどの問題があると、皮脂汚れを落としきれず雑菌の繁殖や毛穴詰まりを引き起こす原因になります。毛穴の炎症やターンオーバー（新陳代謝）の乱れによる頭皮のバリア機能低下といったトラブルから、白髪を増やしてしまう可能性があります。

頭皮のべたつきなどが気になる時は、スカルプシャンプーや肌にやさしいタイプのシャンプーなどを検討してみましょう。頭皮の赤みやかゆみを改善したい場合は、薬用シャンプーに替えてみるのもおすすめです。

加齢による影響

白髪は35歳前後から生える傾向があるとされています。そのため、30代に入り頭頂部などから白髪が増え始めた方は、加齢による影響を受けていると考えられます。年齢を重ねるとメラニン色素を作るメラノサイトの働きが少しずつ低下していき、白髪の生える場所も増えていきます。また、白髪の原因の一つと考えられる過酸化水素の働きを抑える力も弱まるため、より白髪の増えやすい環境へ変わる可能性があります。

加齢による影響は止められないものの、過酸化水素を増やさないよう抗酸化作用のある食べ物を摂取したりストレスを溜めたりしないよう気を付けることで、ある程度の改善が期待できるかもしれません。

腎機能低下症などの疾患を抱えている

白髪の原因には、腎機能低下症などの疾患が関係している場合もあります。
腎臓機能が低下すると、血液の生成量などに問題をきたしてしまいます。血液が正常に作られない状態では、毛母細胞から髪の成長に必要な栄養素も補給することができず、白髪を含むヘアトラブルにつながる可能性があります。急激に白髪が生えた、体調不良と同時に白髪も増えたなどの症状がある場合は医療機関を受診してみてはいかがでしょうか。

白髪の生える場所がかゆい原因

女性で白髪が気になっている方の中には、白髪の生える場所にかゆみを感じている方もいるかと思います。続いては、白髪の生える場所がかゆい原因について解説します。

黒髪と髪質が異なり毛穴を刺激

白髪の髪質は、黒髪よりも硬い傾向があります。そのため毛穴を刺激しやすく、かゆみを感じる場合があります。他にも白髪の断面は、扁平（平べったい）気味でなおかつ黒髪より太めです。人によってはかゆみだけでなく違和感を覚えるケースもありますし、くせ毛になってしまう場合もあります。

頭皮環境の悪化による血行不良

血行不良によって頭皮環境が悪化している場合、細胞間の情報伝達物質（サイトカイン）の分泌が炎症反応を誘発し、毛穴周辺の炎症やかゆみを引き起こすことがあります。

ただし、白髪そのものが情報伝達物質を分布させる原因ではないので、白髪の生えている場所を必要以上に触ったり、搔きむしらないように気を付けましょう。
また、白髪の有無に関わらず頭皮ケアを欠かさないようにするのも、健やかな頭皮環境を保つために重要です。

白髪が気になり髪を抜き続けるとと炎症につながる

白髪が気になって無理に抜き続けていると、かゆみを感じる場合があります。白髪を抜いたことで頭皮環境の悪化が起こり、前段で解説したような細胞間の情報伝達物質（サイトカイン）による炎症反応などを誘発し頭皮の赤みやかゆみといったトラブルを招く可能性があります。白髪を抜かないで切ったり他の対処方法を試してみてはいかがでしょうか。

白髪染めによる炎症

白髪染めを行った後にかゆみを感じる場合は、アレルギー反応による炎症を引き起こしている可能性もありますので注意が必要です。個人差がありますが白髪染めに含まれる「ジアミン」に反応する体質の方もいます。ジアミンは、白髪染めやヘアカラーに配合されている染料で、色持ちを良くするという側面もありますが、肌に合わないと、かゆみ、赤み、皮膚の腫れなどのアレルギー症状が起こすことがあります。
万が一、頭皮の炎症やかゆみ、腫れといった症状が発生した場合は、医療機関の受診をおすすめします。

白髪の生える場所がかゆい時の主な対策

白髪の生える場所がかゆい時は、いくつかのセルフケアで対策できる場合もあります。対処方法について確認していきましょう。

頭皮用ローションを使用

加齢や頭皮環境の悪化により、白髪に加えて頭皮が乾燥している場合は、頭皮用のローションで保湿ケアを試みてはいかがでしょうか。頭皮用ローションは保湿成分が配合された化粧水のようなもので、頭皮の乾燥を改善させる上でメリットがあります。特にグリセリンやDPG（ジプロピレングリコール）が配合されているタイプは保湿力が高いので、硬い頭皮を軟らかくしたい時にもおすすめです。

市販薬でケア

白髪の生えている場所がかゆい時は、市販薬で和らげられる場合もあります。市販薬には、主にかゆみを止める、炎症を鎮める、患部を整える成分が配合されています。例えば、アラントインやパンテノールなどの成分は、患部の状態を整えてくれます。ジフェンヒドラミンはかゆみを止める働きがあり、ステロイドはかゆみの元となる炎症を鎮める効果が期待できます。ただしステロイドには強さがあるので、市販薬を使用する場合には記載されている内容を確認し、比較検討するのも大切です。
特にかゆみが気になる時は、かゆみ止め成分が配合された頭皮用市販薬を検討してみましょう。頭皮にしみる場合は、エタノール無配合のタイプであれば肌への負担を抑えながら塗布できます。

白髪染めの頻度や種類を見直す 

白髪染めを行った後にかゆみを感じる方は、頭皮環境が改善するまで染めないようにしたり、染める回数やヘアカラーの種類を見直したりしてみましょう。例えばジアミンアレルギーの場合は、ジアミンの含まれていない白髪染めを使用することで頭皮への負担を和らげられるでしょう。ジアミン不使用かどうかは、製品パッケージに記載されている文言や成分表で確認できます。

オハグロ式白髪染め（非酸化染料）であればジアミンを使用しておらず、なおかつ色持ちの良さという点でもメリットを得られます。ただし、ジアミン以外でもかぶれる可能性はありますので、白髪染め後頭皮に炎症が起きた場合は、速やかに皮膚科を受診することをおすすめします。

頭皮ケアのできるおすすめヘアケア商品

頭皮ローションや育毛剤で頭皮環境を整えることも大切です。ここからは頭皮に良いおすすめヘアケア商品を紹介します。

スカルプD ボーテ　メディカルエストロジー　スカルプセラム

頭皮へダイレクトに届くスプレータイプの女性用育毛剤でお手軽に頭皮ケアができ、さらっとした液体タイプで髪についてもベタつきにくいのが特徴です。女性ホルモン「エチニルエストラジオール」配合で太く抜けにくい髪へ導きます。30種の天然由来成分配合で頭皮の荒れ（ふけ・かゆみ）を防ぎ、頭皮環境を整えてくれます。
フレッシュナチュラルローズの香りがリラックス感を演出します。

出典：アンファー株式会社

spa hinoki 頭皮保湿ローション

spa hinokiの頭皮保湿ローションは、保湿効果に加えて頭皮のかゆみやフケ予防にメリットの多いローションです。
スカルプケアシャンプーに加えて頭皮用ローションでケアを行いたい方、頭皮のかゆみが気になる方などにおすすめと言えます。
センブリエキスとセラミド成分、オタネニンジン根エキスが頭皮に浸透し、潤いを与えてフケやかゆみを抑えてくれます。またセラミド成分がバリア機能を高めてくれるので、乾燥予防につながります。

出典： ｎａｎｚｅｎ株式会社

スカルプD ボーテ　薬用頭皮保湿美容液

スカルプD ボーテ 薬用頭皮保湿美容液は、紫外線・乾燥や加齢、又はヘアカラー・パーマの薬剤の刺激によって乾燥状態になってしまった頭皮のコンディションを整え、自らの力でセラミドの生成を叶える頭皮専用美容液です。
水分保持能を改善し、フケ・かゆみを抑えます。丸みのあるノズルで頭皮に優しい使い心地です。

出典： アンファー株式会社

KADASON（カダソン） 薬用スカルプエモリエント

KADASON（カダソン）薬用スカルプエモリエントはかゆみによる頭皮トラブルや抜け毛等が気になる女性に向けた医薬部外品です。
健やかな頭皮環境を保つために潤いと皮膚常在菌のバランスを維持し、サポートしてくれます。
頭皮バランスを考慮したオイルフリー設計で、3種の水溶性保湿成分、4種類の有用成分を配合したスカルプローションです。

出典：ワイズ製薬株式会社

b.ris larich scalp

b.ris（ビーリス）のlarich scalp（ラリッチスカルプ）は、薄毛の原因である発毛サイクルに注目した育毛剤です。薄毛やボリューム不足で悩んでいる髪の毛に、栄養素を浸透させハリ・コシのある若々しい美髪へと導きます。特殊なノズルで頭皮に直接塗布しますので、手軽にスカルプケアができます。

出典：tellas株式会社

まとめ

白髪の生える場所は人によって異なり、なおかつ原因も様々です。生活習慣を改善するなどセルフケアでできる範囲の予防は可能ですが、白髪を完全に止めたり後から黒髪に戻したりすることは難しいです。

様々な場所に白髪が生えてきて気になる方や、同じ場所に白髪が生えきて悩んでいる方は、白髪改善治療に対応している美容皮膚科を検討してみてはいかがでしょうか。