- ・当記事は記事作成時点での情報を基に掲載しております。最新情報は各機関公式サイトにてご確認ください。
- ・掲載のクリニックや検査内容等については、編集部による独自調査にて推薦しており、保証するものではありません。
- ・監修者は、医学的根拠や専門知識に基づいて当記事を監修しており、クリニックの選定は行っておりません。
- クアトロ検査はどのような方法?
- クアトロ検査とNIPT(新型出生前診断)の違いは?
- 検査はいつごろ受けられるようになるの?
このような内容を知りたい方に向けて、クアトロ検査について説明します。
検査の内容や方法を理解すると、いざ検査を受けようとしたときのメンタル面にも違いが出てきます。他にも、NIPT(新型出生前診断)や他の出生前診断との違いについて説明しますので、最後まで読んでみてください。
出生前診断は公的医療保険が適用されない『自由診療』です。
検査費用などは全額自己負担となりますので、高額となる可能性がございます。
また、各医療機関によって費用に含まれる内容が異なりますので、事前にご確認ください。
参考:国税庁「医療費を支払ったとき」より
この記事でわかること!
【出生前診断】クアトロ検査とは
クアトロ検査は母体血清マーカー検査のひとつで、妊婦さんの血液中に含まれる4つの成分を測定します。胎児のダウン症、18トリソミー、開放性神経管奇形などの確率を算出するスクリーニング検査です。
この診断は、あくまで先天性疾患が起こる確率を予測するものです。より正確な情報を得るためには、羊水検査や絨毛検査といった確定的検査を行う必要があります。
クアトロ検査で分かること
妊婦さんは年齢を重ねれば重ねるほど、遺伝子疾患を持っている赤ちゃんを出産する確率が上がっていきます。クアトロ検査は妊婦さんの年齢をベースに、赤ちゃんが疾患であったときの数値を加算して算出する検査です。
年齢だけに頼らず妊婦さん一人ひとりの、確率を算出するという点において信頼できる検査になります。今後、確定的検査や画像診断を受ける際の判断材料にすることもできます。
なお、基準とされる確率(カットオフ値)より高い場合はスクリーニング陽性で、低い場合はスクリーニング陰性となります。
クアトロ検査で分かることは、胎児がダウン症、18トリソミー、開放性神経管奇形の可能性です。
クアトロ検査とNIPT(新型出生前診断)の違い
クアトロ検査とNIPT(新型出生前診断)の違いは、下記の5つが挙げられます。
・対象疾患の違い
・検査できる期間
・母体年齢の影響について
・双児妊娠の場合の結果について
クアトロ検査の精度は陰性的中率が75〜85%のため、陽性と判断されてもかならずしも疾患であるとは判断できません。NIPT(新型出生前診断)の陰性的中率はクアトロ検査よりも高いため、検査結果について信頼度が高いと言えるでしょう。
クアトロ検査は、ダウン症、18トリソミー、開放性神経管奇形の3種の先天性疾病や染色体異常の確立を算出します。
一方、NIPT(新型出生前診断)は、ダウン症、18トリソミー、13トリソミーの3種を検査することが可能です。
クアトロ検査とNIPT(新型出生前診断)の違いを理解して、検査方法を選ぶときの参考にしてみてください。
クアトロ検査 | NIPT(新型出生前診断) | |
対象疾患 | ・ダウン症 ・18トリソミー ・開放性神経管奇形 |
・ダウン症 ・18トリソミー ・13トリソミー |
検査期間 | 妊娠15~17週頃 | 妊娠10週以降 |
母体年齢の影響 | 出やすい(35歳以上は陽性になりやすい) | 陽性・陰性の結果に影響はなし |
双児妊娠の場合の結果 | 検査は可能だが精度が低い ※18トリソミーは結果が出ない |
染色体異常の検査が可能 |
クアトロ検査の基礎知識
クアトロ検査の名前は知っているものの、詳しい内容を知っているという方は多くありません。ここで紹介する項目は、クアトロ検査の方法、検査の時期、料金など知っておきたい情報です。
これから検査を考えている妊婦さんのために、クアトロ検査の基礎知識を解説していきます。
クアトロ検査の方法
クアトロ検査は妊婦さんの血を採血して、血中の成分(APF、HCG、uE3、linhibinA)を計測する検査方法です。血中の成分のほかに、妊婦さんの年齢、体重、妊娠数週の情報を加えて結果を出していきます。
この情報から、胎児が対象疾患である確率を算出します。
検査は妊婦さんの年齢に前述で算出した確率を照らし合わせているため、高齢の妊婦さんは陽性の確率が上がる傾向にあります。また、血液検査になるので母体へかかる負担が少ないため、流産や早産の心配がないのが特徴です。リスクは少ないですが、精度はあまり高くない検査方法になります。
クアトロ検査の検査時期
各検査には適切な検査時期があるので、ご自身の妊娠週数を把握して過ごすことが大切です。クアトロ検査に特に適した検査時期は、妊娠15〜17週頃までとなります。
その理由のひとつとして、非確定的検査で陽性判定が出た場合は確定的検査を受ける判断材料にするためです。確定的検査の検査時期や審査結果が出ることを考慮して、クアトロ検査を受ける場合は余裕を持って臨みましょう。なお、15週に満たない場合は、クアトロ検査を受けることができないのでご注意ください。
クアトロ検査の料金
クアトロ検査の料金は施設によって異なり、相場は約2万5,000 〜3万円程です。目安の価格となるため、受ける施設に事前に詳しく確認しておきましょう。
また、クアトロ検査に限らず出生前診断は、自由診療のため保険の適用外です。全額自己負担であるのと、医療費控除も対象外になるため、確定申告のときに記載することができません。
【一覧表】出生前診断の種類
クアトロ検査以外の出生前診断には、どのような種類があるのかご存じでしょうか。各検査の特徴を、表にして解説していきます。
非確定的検査 | 確定的検査 | ||||
検査名 | クアトロ検査 | コンバインド検査 | NIPT (新型出生前診断) |
羊水検査 | 絨毛検査 |
検査時期 | 妊娠15~17週 | 妊娠11~13週 | 妊娠10週以降 | 妊娠15~18週 | 妊娠11~14週 |
検査対象 | ・ダウン症 ・18トリソミー ・開放性神経管奇形 |
・ダウン症 ・18トリソミー |
・ダウン症 ・18トリソミー ・13トリソミー |
・ダウン症 ・18トリソミー ・13トリソミー 染色体異常全般 |
・ダウン症 ・18トリソミー ・13トリソミー 染色体異常全般 |
検査結果 | 約1~2週間 | 約1~2週間 | 約1週間 | 約3週間 | 約2~3週間 |
備考 | 陽性が出た場合、確定的検査で検査が必要 | 早産・流産のリスクがある |
参考:新型出生前診断NIPT JAPAN 参考:東京慈恵会医科大学付属病院母子医療センター
出生前診断は大きく分けて2種類あり、非確定的検査と確定的検査です。
非確定的検査は採血による検査なため、母体や胎児へのリスクが低いことが特徴です。しかし、この診断の結果だけでは陽性の確定ができないため、場合によっては確定的検査を受ける必要があります。
確定的検査は妊婦さんのお腹に針を刺して、羊水・絨毛を採取するので早産や流産のリスクを伴います。精度が非常に高く、診断の結果によって陽性の確定ができる検査です。
検査期間や検査結果が出るまでの日数などは大きな差がないため、重要なポイントを押さえて参考にしてみてください。
まとめ
この記事では出生前診断のクアトロ検査の内容と、検査方法やNIPT(新型出生前診断)との違いなどについて解説してきました。クアトロ検査は、非確定的検査のひとつで、NIPTとの違いは、精度の高さや検査期間などです。この診断だけでは、確定診断は出来ないため、検査結果によっては羊水検査や絨毛検査を受ける必要があります。
他の出生前診断の特徴も踏まえつつ、検査を受ける際は医師のカウンセリングで詳しく内容を聞き、検査を良く理解することが大切です。パートナーとも相談しながら、検査を受けるか迷っている方や、出生前診断について知りたい方は参考にしてみてください。