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【医師監修】クアトロ検査とは? 検査方法やNIPT(新型出生前診断)との違い。他の出生前診断について

お腹の赤ちゃんと向き合うための検査【NIPT・出生前診断】
  • ・当記事は記事作成時点での情報を基に掲載しております。最新情報は各機関公式サイトにてご確認ください。
  • ・掲載のクリニックや検査内容等については、編集部による独自調査にて推薦しており、保証するものではありません。
  • ・監修者は、医学的根拠や専門知識に基づいて当記事を監修しており、クリニックの選定は行っておりません。
出生前診断には種類がいくつかあるため、どの検査を受けるか迷っている妊婦さんもいるのではないでしょうか。今回の記事で詳しく解説するのは、出生前診断のひとつである「クアトロ検査」についてです。
検査を受けるか悩んでいる方におすすめの情報と、他にも役に立つ基礎知識を解説していきます。
  • クアトロ検査はどのような方法?
  • クアトロ検査とNIPT(新型出生前診断)の違いは?
  • 検査はいつごろ受けられるようになるの?

このような内容を知りたい方に向けて、クアトロ検査について説明します。

検査の内容や方法を理解すると、いざ検査を受けようとしたときのメンタル面にも違いが出てきます。他にも、NIPT(新型出生前診断)や他の出生前診断との違いについて説明しますので、最後まで読んでみてください。

この記事の監修者
藤東淳也先生

医療法人双藤会 産科・婦人科 藤東クリニック
理事長・院長 藤東 淳也

URL:https://fujito.clinic/

■診療科:産科、婦人科

【経歴】
医療法人双藤会 産科・婦人科 藤東クリニック 理事長・院長
1993年4月 東京医科大学病院 産科婦人科学教室 研修医
1994年5月 中野総合病院 産婦人科 医員
1995年6月 戸田中央産院 産婦人科 医員
1995年11月 東京医科大学 産科婦人科学教室 研究員
1997年4月 東京医科大学産科婦人科学教室 助手
1999年3月 東京医科大学麻酔科学教室
1999年7月 東京医科大学八王子医療センタ- 産科婦人科医長
2002年4月 東京医科大学産科婦人科学教室 助手
2002年5月 米国カンザス大学医学部 細胞生物学教室へ留学
2004年4月 東京医科大学産科婦人科学教室 講師
2004年11月 東京医科大学病院産科婦人科学教室 医局長
2008年6月 県立広島病院 婦人科部長
2010年6月 産科・婦人科 藤東クリニック 院長
2015年11月 医療法人双藤会 理事長

【資格】
日本産科婦人科学会専門医
医学博士
細胞診専門医
バイオインフォマティクス認定技術者
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
婦人科腫瘍専門医
母体保護法指定医
新生児蘇生講習会専門コース修了

出生前診断は公的医療保険が適用されない『自由診療』です。
検査費用などは全額自己負担となりますので、高額となる可能性がございます。
また、各医療機関によって費用に含まれる内容が異なりますので、事前にご確認ください。
参考:国税庁「医療費を支払ったとき」より

この記事でわかること!

【出生前診断】クアトロ検査とは

出生前診断とは、お腹にいる赤ちゃんの先天性疾患の一部を調べることができる検査です。検査には遺伝学的検査と形態学的検査の2種類があり、これから解説するクアトロ検査は遺伝学的検査に分類されます。

クアトロ検査は母体血清マーカー検査のひとつで、妊婦さんの血液中に含まれる4つの成分を測定します。胎児のダウン症、18トリソミー、開放性神経管奇形などの確率を算出するスクリーニング検査です。

この診断は、あくまで先天性疾患が起こる確率を予測するものです。より正確な情報を得るためには、羊水検査や絨毛検査といった確定的検査を行う必要があります。

クアトロ検査で分かること

妊婦さんは年齢を重ねれば重ねるほど、遺伝子疾患を持っている赤ちゃんを出産する確率が上がっていきます。クアトロ検査は妊婦さんの年齢をベースに、赤ちゃんが疾患であったときの数値を加算して算出する検査です。

年齢だけに頼らず妊婦さん一人ひとりの、確率を算出するという点において信頼できる検査になります。今後、確定的検査や画像診断を受ける際の判断材料にすることもできます

なお、基準とされる確率(カットオフ値)より高い場合はスクリーニング陽性で、低い場合はスクリーニング陰性となります。

クアトロ検査で分かることは、胎児がダウン症、18トリソミー、開放性神経管奇形の可能性です。

クアトロ検査とNIPT(新型出生前診断)の違い

クアトロ検査とNIPT(新型出生前診断)の違いは、下記の5つが挙げられます。

 ・精度の違い
 ・対象疾患の違い
 ・検査できる期間
 ・母体年齢の影響について
 ・双児妊娠の場合の結果について

クアトロ検査の精度は陰性的中率が75〜85%のため、陽性と判断されてもかならずしも疾患であるとは判断できません。NIPT(新型出生前診断)の陰性的中率はクアトロ検査よりも高いため、検査結果について信頼度が高いと言えるでしょう。

クアトロ検査は、ダウン症、18トリソミー、開放性神経管奇形3種の先天性疾病や染色体異常の確立を算出します。
一方、NIPT(新型出生前診断)は、ダウン症、18トリソミー、13トリソミー3種を検査することが可能です。

クアトロ検査とNIPT(新型出生前診断)の違いを理解して、検査方法を選ぶときの参考にしてみてください。

  クアトロ検査 NIPT(新型出生前診断)
対象疾患 ・ダウン症
・18トリソミー
・開放性神経管奇形
・ダウン症
・18トリソミー
・13トリソミー
検査期間 妊娠15~17週頃 妊娠10週以降
母体年齢の影響 出やすい(35歳以上は陽性になりやすい) 陽性・陰性の結果に影響はなし
双児妊娠の場合の結果 検査は可能だが精度が低い
※18トリソミーは結果が出ない
染色体異常の検査が可能

参考:DNA先端医療株式会社HP

クアトロ検査の基礎知識

クアトロ検査の名前は知っているものの、詳しい内容を知っているという方は多くありません。ここで紹介する項目は、クアトロ検査の方法、検査の時期、料金など知っておきたい情報です。
これから検査を考えている妊婦さんのために、クアトロ検査の基礎知識を解説していきます。

クアトロ検査の方法

クアトロ検査は妊婦さんの血を採血して、血中の成分(APF、HCG、uE3、linhibinA)を計測する検査方法です。血中の成分のほかに、妊婦さんの年齢、体重、妊娠数週の情報を加えて結果を出していきます。

この情報から、胎児が対象疾患である確率を算出します
検査は妊婦さんの年齢に前述で算出した確率を照らし合わせているため、高齢の妊婦さんは陽性の確率が上がる傾向にありますまた、血液検査になるので母体へかかる負担が少ないため、流産や早産の心配がないのが特徴です。リスクは少ないですが、精度はあまり高くない検査方法になります。

クアトロ検査の検査時期

各検査には適切な検査時期があるので、ご自身の妊娠週数を把握して過ごすことが大切です。クアトロ検査に特に適した検査時期は、妊娠15〜17週頃までとなります

その理由のひとつとして、非確定的検査で陽性判定が出た場合は確定的検査を受ける判断材料にするためです。確定的検査の検査時期や審査結果が出ることを考慮して、クアトロ検査を受ける場合は余裕を持って臨みましょう。なお、15週に満たない場合は、クアトロ検査を受けることができないのでご注意ください。

クアトロ検査の料金

クアトロ検査の料金は施設によって異なり、相場は約2万5,000 〜3万円程です。目安の価格となるため、受ける施設に事前に詳しく確認しておきましょう。

また、クアトロ検査に限らず出生前診断は、自由診療のため保険の適用外です。全額自己負担であるのと、医療費控除も対象外になるため、確定申告のときに記載することができません。

【一覧表】出生前診断の種類

クアトロ検査以外の出生前診断には、どのような種類があるのかご存じでしょうか。各検査の特徴を、表にして解説していきます。

  非確定的検査 確定的検査
検査名 クアトロ検査 コンバインド検査 NIPT
(新型出生前診断)
羊水検査 絨毛検査
検査時期 妊娠15~17週 妊娠11~13週 妊娠10週以降 妊娠15~18週 妊娠11~14週
検査対象 ・ダウン症
・18トリソミー
・開放性神経管奇形
・ダウン症
・18トリソミー
・ダウン症
・18トリソミー
・13トリソミー
・ダウン症
・18トリソミー
・13トリソミー
染色体異常全般
・ダウン症
・18トリソミー
・13トリソミー
染色体異常全般
検査結果 約1~2週間 約1~2週間 約1週間 約3週間 約2~3週間
備考 陽性が出た場合、確定的検査で検査が必要 早産・流産のリスクがある

参考:新型出生前診断NIPT JAPAN  参考:東京慈恵会医科大学付属病院母子医療センター

出生前診断は大きく分けて2種類あり、非確定的検査と確定的検査です。

非確定的検査は採血による検査なため、母体や胎児へのリスクが低いことが特徴です。しかし、この診断の結果だけでは陽性の確定ができないため、場合によっては確定的検査を受ける必要があります。

確定的検査は妊婦さんのお腹に針を刺して、羊水・絨毛を採取するので早産や流産のリスクを伴います精度が非常に高く、診断の結果によって陽性の確定ができる検査です

検査期間や検査結果が出るまでの日数などは大きな差がないため、重要なポイントを押さえて参考にしてみてください。

まとめ

この記事では出生前診断のクアトロ検査の内容と、検査方法やNIPT(新型出生前診断)との違いなどについて解説してきました。クアトロ検査は、非確定的検査のひとつで、NIPTとの違いは、精度の高さや検査期間などです。この診断だけでは、確定診断は出来ないため、検査結果によっては羊水検査や絨毛検査を受ける必要があります。

他の出生前診断の特徴も踏まえつつ、検査を受ける際は医師のカウンセリングで詳しく内容を聞き、検査を良く理解することが大切です。パートナーとも相談しながら、検査を受けるか迷っている方や、出生前診断について知りたい方は参考にしてみてください。

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