【医師監修】白髪治療の内容とは？注意点についても分かりやすく解説

• ・当記事は記事作成時点での情報を基に掲載しております。最新情報は各機関公式サイトにてご確認ください。
• ・記事記載の効果・効能は個人差があり、保証するものではありません。
• ・掲載の施術や治療については、自由診療（保険診療適用外）となります。
• ・監修者は、医学的根拠や専門知識に基づいて当記事を監修しており、商品やサービスの選定は行っておりません。

最近白髪が増えたと感じる方の中には、美容クリニックなどで提供されている白髪の治療について興味や関心を持ち始めている方もいるのではないでしょうか。この記事では、クリニックで提供されている白髪治療の内容や注意点について詳しくご紹介します。白髪が増えて悩んでいる方や白髪治療の効果について気になる方などは、ぜひ参考にしてみてください。

『自由診療』は公的医療保険が適用されない治療・施術です

記事掲載の治療・施術は自由診療となります。
健康保険などの公的医療保険は、病気や怪我の治療に適用されます。病気や怪我の治療ではなく、健康やアンチエイジングなど、容姿を変える治療・施術は、美容目的の診療と見なされるため、治療費は全額自己負担となります。
参考：国税庁「医療費を支払ったとき」より

この記事でわかること！

治療によって白髪が改善される？

まずは、治療によって白髪が改善されるのかという点について分かりやすく解説していきます。

確実に白髪を減らす方法は確立していない

白髪を確実に減らす方法については確立していません。そのため、現時点で白髪を治療する方法はないと言えます。

髪の毛は、毛根の下部にある毛球部の毛母細胞が分裂することで成長しています。この時はまだ白髪の状態ですが、メラノサイトという毛球部に存在している組織からメラニン色素が発生し、毛母細胞の細胞分裂時に組み合わされることで、黒や茶といった髪色になります。

ところが加齢や遺伝、ストレス、体調不良など複数の要素が関係して、メラノサイトの働きが弱くなると、メラニン色素を作ることができずに白髪になります。中でも加齢や遺伝の場合は、食生活の見直しや頭皮ケアを行っても改善は難しいとされています。

美容皮膚科の白髪治療は改善が見込める可能性もある

白髪を治療する方法は確立していないものの、美容皮膚科で提供されている白髪治療によって改善できる可能性があります。

FAGA専門クリニックや美容皮膚科などで提供されている白髪治療は、主にAPRILINE HAIRLineという薬剤を用いた方法です。この薬剤には様々な栄養素が含まれており、毛包の老化抑制や活力アップといった効果が期待できます。次の項目で治療内容について詳しく解説します。

美容皮膚科やFAGAクリニックによる最新の白髪治療とは

それでは、美容皮膚科やFAGAクリニックで行われているAPRILINE HAIRLineを使った最新の白髪治療について確認していきましょう。

注射によって髪や毛根に活力を与える

APRILINE HAIRLineによる治療では、脱毛症・薄毛・髪の毛が細くなっている・白髪が増えているといった場合に、各症状の改善を期待できるのが特長です。治療は、頭皮にこの薬剤を特殊な方法で注入し、一般的には通院しながら何度か施術を行います。

薬剤に含まれているジンク・ビオチンという成分は毛包（毛嚢）の老化や若白髪の発生を遅らせ、ヒアルロン酸とペプチドブレンド、アミノ酸、アルギニンなどは頭皮の潤いと毛包（毛嚢）への栄養補給、血流促進といった効果を発揮します。その結果、毛根の活力アップなどのメリットが得られ、白髪や脱毛予防につながると考えられています。

特にストレスや生活習慣の乱れなどが原因で、メラニン色素の生成が一時的に休止している状態の場合では、頭皮に栄養補給することで復活できる可能性があります。

 

白髪以外の効果も期待できる

APRILINE HAIRLineには、アミノ酸・ビタミン・ペプチド・ヒアルロン酸といった栄養素の他、抗酸化作用を期待できる銅、脂漏調節作用や抗アンドロゲン作用などがあるとされる亜鉛も含まれています。

そのためFAGAクリニックなどでは、白髪予防以外に以下のような目的で使用されることもあります。

育毛促進や髪の毛を太くする効果も期待できるため、薄毛に悩んでいる方や髪の毛が細くなってきたと感じている方にも利用されるケースがあります。

白髪治療で注意するポイント

続いては、FAGAクリニックなどで白髪治療を受ける際に注意すべきポイントを解説します。

施術後の洗髪やカラーリングなどに注意が必要

APRILINE HAIRLineによる白髪治療では、メソガンという特殊な治療機器を使って薬液を頭皮に注入します。

薬液注入時に針を用いた刺激があり、施術後24〜48時間は軽度のむくみが現れたり、肌が敏感になったりする可能性もあります。そのため、施術直後の頭皮に強い刺激を与えないよう、クリニックから注意点に関する説明を受けることがあります。
具体的には、施術後の洗髪時に注入を受けた箇所を爪や指で強く擦ったり、ブラッシングを行ったりしないなどが挙げられます。施術から数週間程度は、カラーリングやパーマを控えるよう言われる場合もあります。

自由診療のため全額自己負担

APRILINE HAIRLineによる治療は自由診療なため、全額自己負担です。

すぐに改善を見込めるわけではなく、2週間に1度の注入を6〜8回程度受けた後、2〜3ヶ月の頻度で治療を継続していきます。治療費はクリニックによって異なるものの、6回分の治療で33万円前後が相場です。

白髪治療を検討している方は、クリニックの初回カウンセリングで治療費用はもちろんのこと、治療内容や副作用などを確認し、無理のない範囲で受けられるか判断しましょう。

日々の生活で白髪対策

既に色が抜けた髪の毛は、後から改善できません。
ただし、これから生えてくる髪の毛の状態を改善させることは可能です。 特に生活習慣の見直しや頭皮ケアなどは、抜け毛や薄毛だけでなく白髪対策においても重要だと言えます。日々の生活で白髪を増やさないようにするための対策について、分かりやすく解説していきます。

ストレスを溜め込み過ぎないよう気を付ける

ストレスの適度な発散や体を休ませることは、白髪対策にもつながります。

過度なストレスや疲労が続くと、自律神経の交感神経が活発になります。すると心拍数の増加だけでなく、血管の収縮も起こり血流の悪化を招きます。その結果、頭皮周辺の血流も悪くなって髪に栄養が届きにくくなり、白髪につながります。

仕事などでストレスが溜まっている場合は、音楽を聴いたりショッピングを楽しんだりなど自分にとって楽しいと感じる方法でストレスを発散させましょう。疲労が蓄積している時は、ストレッチや入浴の他、十分な睡眠時間を確保し心身をしっかり休ませることも大切です。

食生活を見直す

栄養バランスの取れた食生活は、健康だけでなく白髪対策にとってもメリットのある生活習慣です。

白髪対策として期待されているのは、黒ゴマや黒豆といった黒い食材と海藻やチーズ類と言われています。例えば、黒ゴマには血流促進を期待できるビタミンE、ホルモン合成を促進するパントテン酸や代謝をサポートするビオチンの他、頭皮の皮脂コントロールなどと関係するビタミンB2といった栄養素が含まれています。

海藻類には黒ゴマと同じくビタミンB2に加えて、ミネラルや亜鉛など髪の成長を促す栄養素が、さらにチーズ類には、タンパク質やビタミンの他、メラニン色素の原料でもあるチロシンやメラニンの定着をサポートしてくれるフェニルアラニンも含まれています。

白髪対策だけでなく食生活のバランスを見直す上でも、日々の食事にチーズや海藻を取り入れるなど、栄養バランスを考えてメニューを作ってみてください。

紫外線対策を行いながら生活

頭皮の日焼けは、乾燥などによる赤みやかゆみ、フケといったトラブルにつながります。日光に含まれる紫外線はメラノサイトの働きを弱めてしまうため、白髪の増加を招いてしまう点にも注意が必要です。
紫外線による影響を抑えるには、以下の対策を立ててみると良いでしょう。

紫外線は窓から室内にも入り込みます。日当たりのいい場所で過ごしている時は、室内でも日焼け止めスプレーなどで対策しておきましょう。

頭皮マッサージで血行促進

頭頂部の血流やリンパが滞っていると、十分な栄養を毛球部に運べません。

そこで、頭皮マッサージを定期的に行えば、髪の成長やメラニン色素の生成に必要な栄養を補給できるようになり、白髪対策にもつながります。頭皮マッサージは、髪に栄養をスムーズに運ぶ上でもメリットのある対策なので日々の生活で取り入れてみてください。以下に頭皮マッサージの一例をご紹介します。

他には、生え際からこめかみに少しずつ指を移動させながら優しく揉んでいくマッサージや、頭頂部から首に向かって円を描くように指圧していく方法もあります。白髪予防として、自分に合った方法を試してみてください。

漢方薬で白髪予防

白髪予防策には、漢方薬を用いた方法もあります。

漢方では、 人は気と水（すい）、血（けつ）という3種類の要素で構成されており、何らかの原因によりこのバランスが崩れることで心身に異常が起こると考えます。髪に関するトラブルは、血の不足や腎の機能低下が関係していると言われ、この機能を整えることで改善が期待できるとされています。

ただし、漢方は基本的にその人の体質などに合わせて処方されるため、自分に適した漢方薬については漢方クリニックを受診するようにしてください。また、漢方薬による症状改善にはある程度の時間がかかることも覚えておきましょう。

急激に白髪が発生している場合は医療機関の受診を

急激に白髪が増えている時は疾患が原因の可能性もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。白髪と関係のある主な疾患について解説していきます。

甲状腺機能低下症

新陳代謝を促したり交感神経を刺激させたりといった役割を持つ甲状腺ホルモンは、喉仏の下にある甲状腺から分泌されています。しかし、何らかの原因により甲状腺機能低下症にかかると甲状腺ホルモンの分泌が減少し疲労感やむくみ、脱毛の他、白髪の発生といった症状が現れるようになります。白髪だけでなく疲労感なども感じる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

腎不全

腎不全は腎臓の機能低下に関する疾患で、髪色を作り出すメラノサイトにも影響を与えます。腎臓は背中側にある臓器の1つで、老廃物の排出を含め様々な役割を担っています。

そのため、腎不全になると尿が出なくなったり、高血圧や貧血といった症状が出たりする他、意識障害につながる危険性もあります。さらに髪の成長も弱まることから、白髪が増えることもあります。

悪性貧血

悪性貧血は、ビタミンB12の吸収障害によって引き起こされる貧血で、鉄欠乏性貧血とはメカニズムなどが異なります。

ビタミンB12は、造血作用や末梢神経の修復などといった働きを担っている体に重要な栄養素です。また、DNAの合成にも必要であるため、メラノサイトの成長にも欠かせません。ビタミンB12の吸収には、内因子という糖たんぱく質との結合が必要です。

しかし、悪性貧血になると自身の抗体によって内因子を攻撃してしまい、ビタミンB12の結合および吸収を阻害してしまいます。すると、ビタミンB12が不足し食欲不振といった症状の他、正常なDNAを作れずにメラノサイト不足および白髪増加につながります。

原田病

原田病は自己免疫疾患の1つで、ぶどう膜炎を発症します。自己免疫疾患とは、免疫システムが自身の細胞を攻撃してしまう病気のことです。

ぶどう膜炎の発症後は網膜剝離を引き起こし視力低下、目の痛みや充血といった症状がみられるようになります。さらに原田病の場合はメラノサイトを攻撃するため、皮膚の白斑（皮膚の色が抜けて白い斑点が出る症状）や抜け毛、白髪といった症状を引き起こすのが特徴です。

前駆症状（病気を発症する前に出てくる症状）は、主に頭痛や吐き気です。皮膚の白斑や白髪等の症状に関しては、発症から数か月以上経過した慢性期に現れます。視力低下と共に頭痛などの症状が出た際は、早めに医療機関を受診しましょう。

参照：Vogt-小柳-原田病
参照：原田病はこんな病気

まとめ

白髪を確実になくす治療法は、確立していません。ただし、FAGAクリニックや美容皮膚科などで行われているAPRILINE HAIRLineを用いた白髪・脱毛症治療は、白髪の改善を見込める可能性があります。

最近白髪が気になる方や白髪を増やしたくない方は、美容皮膚科を検討したり生活習慣の見直しをしてみましょう。一方、白髪と同時に他の症状も出ている方は、早めに医療機関を受診し、原因を探ってもらうことが大切です。