ラウレス-4カルボン酸Naは、界面活性剤としてさまざまなスキンケア・ヘアケア製品に使用されている成分です。しかし、使用する上で、ラウレス硫酸Naとの違いや安全性、髪への影響を理解しておくことが大切です。
この記事では、ラウレス-4カルボン酸Naの特徴やメリット、デメリットについて詳しく解説します。また、髪に優しい使い方や、しっとり感を求める人向けのトリートメントも紹介します。 ピカパカ編集部所属 公益社団法人日本毛髪科学協会認定 ヘアケアに関する記事の編集・執筆を担当。
毛髪診断士 須藤 麻悠
正しい知識をもとに、ヘアケア商品の成分を分析し、髪や頭皮に良いおすすめ商品を適切にアドバイスします。正しいヘアケア方法や商品の使用方法の解説も行っています。
この記事でわかること!
ラウレス-4カルボン酸Naとは?
ラウレス-4カルボン酸Naは弱酸性の界面活性剤で、シャンプーや洗顔フォームに使用されます。洗浄力が高く、刺激が少ないため、敏感肌にも適しています。自然由来の成分で、使用感にも配慮されています。
概要
ラウレス-4カルボン酸Naは、弱酸性で高い洗浄力を持つ界面活性剤です。主に植物由来のアルコールと弱酸から作られており、天然成分であるため、肌への刺激が少ないです。美容院でも使われることが多いこの成分は、皮脂をしっかり落としながらも、肌への負担を抑えています。そのため、肌が弱い人にも使いやすいでしょう。
参考文献:化粧品成分オンライン
配合されているアイテム
ラウレス-4カルボン酸Naは、シャンプーや洗顔フォーム、ボディソープ、クレンジングなどの洗浄アイテムに広く使用されています。天然由来の成分であり、弱酸性のため、肌に優しく高い洗浄力を発揮します。
刺激が少ないため敏感肌向けの製品にも多く採用されています。美容院のシャンプーにも、頻繁に配合されます。
ラウレス硫酸Naとの違い
ラウレス-4カルボン酸Naとラウレス硫酸Naは、どちらも高級アルコール系の界面活性剤ですが、洗浄力や刺激の度合いに違いがあります。ラウレス硫酸Naは、より強い洗浄力を持ち、泡立ちも優れていますが、皮膚や髪に対する刺激が強めで、ヘアカラーの持ちに影響を与えることがあります。
一方、ラウレス-4カルボン酸Naは、洗浄力は高いものの刺激が少なく、敏感肌や乾燥肌の人にも比較的優しいです。どちらも皮脂をしっかり落としますが、使用感や対象の肌タイプに合わせて選ぶようにしましょう。
ラウレス-4カルボン酸Naの安全性
ラウレス-4カルボン酸Naは、皮膚や眼に軽い刺激を与える可能性があると報告されています。ヒト試験では、16%濃度の製剤を皮膚に塗布したところ、わずかな皮膚刺激が確認されました。ただし、この成分は洗い流すタイプの製品であるため、皮膚に残ることはほとんどなく、刺激のリスクは低いとされています。
また、眼に対する刺激性もわずかで、回復は早いことが確認されています。さらに、長期間の使用実績があり、重大なアレルギー反応の報告はありません。
界面活性剤の種類
界面活性剤は、洗浄力や肌への刺激の度合いによって異なる種類が存在しますが、それぞれの特徴を理解することで、自分の肌質や髪質に合った製品選びがしやすくなります。
ここでは、洗浄力が強いものから順に、代表的な界面活性剤の特徴を解説していきます。洗浄力だけでなく、肌への優しさや使用感にも違いがあるため、使用目的に応じて自身に合ったものを選ぶことが大切です。
高級アルコール系
高級アルコール系界面活性剤は、洗浄力の強さと泡立ちのよさが特徴で、使用後の爽快感を得られます。多くの市販シャンプーに使用されており、主にコストが抑えられるため、シャンプーの8割にはこの成分が含まれているとされています。ただし、洗浄力が強いため、乾燥肌や敏感肌の方には刺激となる場合があり、注意が必要です。
代表的な成分には「ラウレス硫酸ナトリウム」や「ラウリル硫酸ナトリウム」などがあり、広く使用されていますが、肌の状態に応じた使用が推奨されます。
オレフィンスルホン酸系
オレフィンスルホン酸系界面活性剤は、高い洗浄力を誇り、近年では硫酸系洗浄成分の代替として使われることが増えています。洗浄力がほぼ同等で、泡切れやすすぎ性が優れていることも特徴です。
ただし、肌質によっては、洗浄後にパサつきや頭皮のつっぱり感を感じる場合があるため、敏感肌や乾燥肌の人には注意が必要です。代表的な成分として「オレフィン(C14-C16)スルホン酸ナトリウム」があります。
せっけん系
せっけん系界面活性剤は、洗浄力と脱脂力が高めながらも、低刺激という特徴があります。クリーミーな泡立ちとさっぱりとした洗い上がりが魅力で、安全性にも優れています。
しかし、洗浄後のしっとり感が感じにくいため、乾燥肌には不向きとされています。髪が軋む場合もあり、その際にはシャンプー後にトリートメントもしくはアウトバストリートメントで保湿することがおすすめです。
代表的な成分には「ラウレス-4カルボン酸Na」や「ラウレス-6カルボン酸Na」があります。
アミノ酸系
アミノ酸系界面活性剤は、穏やかな洗浄力を持ちながらもしっとりとした洗い上がりを実現します。このタイプは泡立ちは控えめで、肌に優しく働きかけるため、乾燥肌やアトピー肌に適しています。アミノ酸系にはいくつかの種類があり、グルタミン酸系、アラニン系、グリシン系が代表的です。よく配合されるのは、「ココイルグルタミン酸Na」や「ラウロイルメチルアラニンNa」などがあります。
ベタイン系
ベタイン系は、洗浄力が比較的弱く、低刺激で肌に優しい成分です。この特性から、ベビーシャンプーやダメージケア用のサロン専売品に多く使われています。肌への刺激を和らげる効果があり、強力な洗浄成分と組み合わせて使用されることもあります。
多くの場合含まれるのは、「コカミドプロピルベタイン」や「ラウラミドプロピルベタイン」などがあり、これらは主に肌に優しい製品で見られます。
ラウレス-4カルボン酸Naのメリット
ここでは、ラウレス-4カルボン酸Naのメリットを一つ一つ見ていき、ラウレス-4カルボン酸Naがどのように効果を発揮するのかをご紹介します。
洗浄力が高い
ラウレス-4カルボン酸Naは、高い洗浄力を持つ成分です。皮脂や汚れをしっかりと取り除く力が高いため、髪や肌に残った不純物を効率的に洗い流すことができます。シャンプーやボディソープなどに使用されることが多く、脂性肌や汚れが溜まりやすい部分には効果的です。
オイリーな肌向けのクレンジング製品にはよく配合されています。強力な洗浄力にも関わらず、適切に使用すれば、肌や髪に過度な刺激を与えずにきれいに保つことができます。
泡立ちがよい
ラウレス-4カルボン酸Naは、非常に泡立ちが良い成分です。少量の使用でも豊かな泡を作り出し、全体に均等に広がります。泡が豊富であることで、洗浄中に手触りが滑らかになり、洗浄がしやすくなります。また、泡立ちが良いことで、洗い上がりが軽く、さっぱりとした印象を与えるため、シャンプーやボディソープなどに多くつかわれています。
刺激が少ない
ラウレス-4カルボン酸Naは、比較的刺激が少ない成分として知られています。天然由来の成分を使用しているため、化学的な刺激が抑えられ、敏感肌や乾燥肌の方でも使いやすい特徴があります。シャンプーやボディソープなどに配合される際には、肌や髪への負担を極限まで抑え、優しく洗い上げることができます。
髪に優しい
ラウレス-4カルボン酸Naは、髪に優しい成分として人気です。高い洗浄力を持ちながら、髪の毛を傷めにくく、必要な潤いを保ちながら汚れを落とすことができます。
シャンプーに配合される際、髪の毛を優しく洗い上げることができるため、乾燥やダメージが気になる髪にも適しています。美容院で使用されることが多く、日常的に使うシャンプーとしても適切です。
ラウレス-4カルボン酸Naのデメリット
ラウレス-4カルボン酸Naは、洗浄力や泡立ちの良さがメリットの成分ですが、一部の使用者にはデメリットもあります。ここでは、ラウレス-4カルボン酸Naのデメリットについて詳しく説明し、どのような点に注意すべきかを解説していきます。
髪がきしむことがある
ラウレス-4カルボン酸Naは洗浄力が高いため、髪の毛にきしみを感じることがあります。これは、成分が髪の表面の皮脂や汚れを効率的に落とすため、髪に必要な油分まで取り去ってしまうからです。シャンプー後に髪が乾燥しやすく、髪の毛が細かったり乾燥しやすいタイプの人にとっては、きしみが強く感じられることがあります。
このような場合、トリートメントやコンディショナーで補うことが重要ですが、使い方に工夫が必要です。
しっとり系を求める人には向かない
ラウレス-4カルボン酸Naはしっとりとした仕上がりを求める人には向かない場合があります。この成分は洗浄力が強く、余分な油分まで取り除いてしまうため、髪の保湿が足りなくなることがあります。乾燥肌や乾燥しやすい髪の方には、使用後に髪がパサついたり、まとまりにくく感じることが多いです。
しっとりとした仕上がりを望む場合は、オイルや保湿成分を多く含むシャンプーの方が適しています。
カラーが退色しやすい
ラウレス-4カルボン酸Naは、カラーリングした髪にとっては退色を促進する可能性があります。この成分は強力な洗浄力を持つため、髪に残った染料が流れやすく、カラーの持ちが悪くなることがあります。頻繁にシャンプーをする場合や、カラー後すぐに洗髪すると、髪の色落ちが早く感じることがあるでしょう。
カラーが長持ちしてほしい場合は、カラー専用のシャンプーや低刺激の製品を選ぶ方が適切です。
ラウレス-4カルボン酸Naが含まれるおすすめシャンプー6選
ここでは、ラウレス-4カルボン酸Naが含まれるおすすめのシャンプーを6つご紹介します。ぴったりの1本を見つけてみてください。
ORBIS(オルビス)モイスト セラム シャンプー
ORBIS(オルビス)モイスト セラム シャンプーは、オルビスの知見を活かして作られたシャンプーです。コメセラミドやフルーツセラミド、ナノ化ヒアルロン酸など6つの美容液成分を80%配合し、まとまりのあるウルツヤ髪へと導きます。
洗浄成分は、低刺激性のアミノ酸系洗浄成分です。うるおいは残しつつ、毛穴に詰まった蓄積汚れをスッキリと取り除きます。髪のうねりやクセが気になる方や、乾燥で髪がパサつきがちな方におすすめです。
商品名 | ORBIS(オルビス)モイスト セラム シャンプー |
メーカー | オルビス株式会社 |
容量 | 420ml |
定価(税込) | 1,430円 |
公式サイトはこちら |
出典:オルビス株式会社
石澤研究所 植物生まれのオレンジ地肌シャンプーS
石澤研究所 植物生まれのオレンジ地肌シャンプーSは、搾りたてのオレンジ果汁をフレッシュなまま配合したシャンプーです。100%植物由来の洗浄成分を使用しており、髪や地肌を優しく洗い上げるのが特徴です。石けんベースでありつつ、弱酸性のためキシミがないのもポイントです。
無香料ですが、自然なオレンジの香りがバスルームいっぱいに広がります。洗いあがりと香りの良さに、リフレッシュできるでしょう。
商品名 | 植物生まれのオレンジ地肌シャンプーS |
メーカー | 株式会社石澤研究所 |
容量 | 400ml |
定価(税込) | 1,980円 |
公式サイトはこちら |
出典:株式会社石澤研究所
カウブランド 無添加シャンプー うるおいケア
カウブランド 無添加シャンプー うるおいケアは、天然由来アミノ酸系洗浄成分を配合し、地肌に優しく洗い上げるシャンプーです。ノンシリコーン処方で、髪と地肌を労わります。
セラミド・ヒアルロン酸・アミノ酸 (グリシン)などの素肌由来保湿成分を配合し、髪と地肌のうるおいをキープするのも特徴です。天然由来コンディショニング成分が配合されているので、シャンプーだけでもサラサラに仕上がります。
商品名 | カウブランド 無添加シャンプー |
メーカー | 牛乳石鹸共進社株式会社 |
容量 | 500ml |
定価(税込) | 1,000円 |
Amazonで詳細を見る |
出典:牛乳石鹸共進社株式会社
エッセンシャル ザビューティ 髪のキメ美容リペアシャンプー
エッセンシャル ザビューティ 髪のキメ美容リペアシャンプーは、11種のアミノ酸成分配合(補修)と天然由来の美髪オイル18-MEA OIL(毛髪保護)を配合したシャンプーです。髪の内部とキューティクル、Wでアプローチすることで、毛流れを整えて艶のある髪へと導きます。
フローラルリュクスの上品な香りも魅力です。シャンプーするたびに、優雅な香りに癒されるでしょう。
商品名 | エッセンシャル ザビューティ 髪のキメ美容リペアシャンプー |
メーカー | 花王株式会社 |
容量 | 450ml |
定価(税込) | 800円 |
Amazonで詳細を見る |
出典:花王株式会社
ボタニスト ボタニカルシャンプーモイスト
ボタニスト ボタニカルシャンプーモイストは、サトウキビ糖蜜やコメセラミド、マカダミアナッツオイルなど、ボタニカル成分を濃密に配合したシャンプーです。保湿・地肌・ダメージケアのトリプルケアで、根本からうるおいのある健やか髪へと導きます。
地肌ケアにアプローチするのは、2種のシラカバウォーターです。地肌にうるおいを与え、乾燥によるふけ・かゆみを抑えます。髪と地肌を労わりながらケアしたい方におすすめです。
商品名 | ボタニカルシャンプー モイスト |
メーカー | 株式会社I-ne |
容量 | 460ml |
定価(税込) | 1,540円 |
Amazonで詳細を見る |
出典:株式会社I-ne
Harietta(ハリエッタ)カラーシャンプー ダークブラウン
Harietta(ハリエッタ)カラーシャンプー ダークブラウンは、髪に艶を与えながら髪色をキープできるシャンプーです。放置時間なしで、シャンプーするだけで白髪が徐々に色づきます。
さらに、3種類の美髪オイルが艶髪へと導きます。国産柑橘エキスと和漢植物由来成分配合(保湿成分)が髪や頭皮にうるおいを与え、へたりがちな髪をふんわり仕上げるのも特徴です。使うたびに艶の出てくる新体験を、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
商品名 | カラーシャンプー ダークブラウン |
メーカー | 株式会社ウィルミナ |
容量 | 300ml |
定価(税込) | 2,288円 |
Amazonで詳細を見る |
出典:株式会社ウィルミナ
しっとりさせたいときにおすすめのトリートメント3選
ラウレス-4カルボン酸Naは洗浄力が強く、さっぱりとした仕上がりが特徴です。なのでしっとり感を求める方には物足りなく感じることもあります。その場合は、保湿力の高いトリートメントを選びましょう。
ここでは、乾燥が気になる髪やしっとり感を重視する方におすすめのトリートメントを紹介します。
リサージ ヴォーニュ エッセンスリード
リサージ ヴォーニュ エッセンスリードは、ゴワつく髪を柔らかく整えるトリートメントです。内部からしなやかさを引き出し、手触りの良い素直な髪へ導きます。毛髪柔軟化成分であるコハク酸が、髪をしっかりとほぐし、コラーゲン成分が保湿を提供します。
乾燥やダメージを受けた髪でも、しっとりとした仕上がりに仕上げてくれるため、乾燥やゴワつきが気になる方におすすめです。髪の質感にこだわる人におすすめのアイテムです。
商品名 | リサージ ヴォーニュ エッセンスリード |
メーカー | 花王株式会社 |
容量 | 220g |
定価(税込) | 2,420円 |
Amazonで詳細を見る |
出典:花王株式会社
ReFa MILK PROTEIN TREATMENT
ReFa MILK PROTEIN TREATMENTは、天然ミルク由来のプロテインを使ったトリートメントです。髪のパサつきや広がりの原因となる内側の空洞化を補い、うるおいを長時間保つことができます。髪の栄養素であるタンパク質を補うことで、カラーリングや紫外線ダメージにも強い髪に導きます。
ホワイトスムースコンプレックスを配合し、シルクやシアバターなどがキューティクルを補修します。しっとりなめらかな仕上がりを実現し、髪の美しさを保つためのサポートをします。
商品名 | ReFa MILK PROTEIN TREATMENT |
メーカー | 株式会社MTG |
容量 | 500g |
定価(税込) | 1,980円 |
Amazonで詳細を見る |
出典:株式会社MTG
イグニス イオ マルチプル チョイス ヘアトリートメント
イグニス イオ マルチプル チョイス ヘアトリートメントは、洗い流しと洗い流さない両方の使用ができ、髪のダメージに合わせて柔軟にケアが可能です。
ジメチコンなどのヒートプロテクト成分を配合し、ドライヤーやヘアアイロンなどによる熱ダメージから髪を守ります。髪の内外からしっかりとダメージを補修し、うるおいを与えながら、まとまりのあるツヤ髪へ導きます。シャンプー後に使用することで、髪にしっとり感となめらかさを与えます。
商品名 | マルチプル チョイス ヘアトリートメント |
メーカー | 株式会社アルビオン |
容量 | 180g |
定価(税込) | 2,530円 |
公式サイトはこちら |
出典:株式会社アルビオン


まとめ
ラウレス-4カルボン酸Naは高い洗浄力と泡立ちの良さを持ち併せながら、髪に優しい特性があります。しかし、使い方によっては髪がきしむことがあり、しっとり感を求める人には向かない場合もあります。ラウレス硫酸Naとの違いを理解し、自分の髪や頭皮に合った製品を選ぶことが大切です。この記事を参考に自分に合ったシャンプーを見つけてみてください。