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天候の変化による頭痛は、天気痛とも呼ばれています。天気痛の主な原因は、ホルモンバランスの変化や乱れ、心身のストレスなど様々です。
対策としては、飲み薬やマッサージなどがあります。対策に加えて、普段から頭痛を予防するための習慣を身につけるのも大切です。
この記事では、天気痛が発症するメカニズムや対処法を中心に解説します。天気痛に悩む方は、ぜひ最後まで見てみてください。
この記事でわかること!
天気の乱れで頭痛が起こるメカニズム
天気の乱れで起こる頭痛には、下記3つの原因があります。
- 気圧の変化を内耳センサーが感知
- 体内の水分バランスの乱れ
- 自律神経の乱れ
この章では、それぞれの原因について解説します。まずは天候変化の頭痛のメカニズムを知って、自分の症状と照らし合わせてみましょう。
気圧の変化を内耳センサーが感知
耳にある内耳センサーが、台風や大雨などの際に気圧の変化を察知します。すると、脳の中枢に存在する自律神経のバランスが崩れて、天候変化による頭痛を引き起こす仕組みです。
自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあります。気圧の変化が影響しやすいのは、身体を興奮させる働きのある交感神経です。内耳にあるセンサーが敏感だと、わずかな気圧変化でも自律神経が反応してしまい、バランスを崩して低気圧頭痛を引き起こすのです。
頭痛以外にも、めまいや肩こり、耳鳴りや不定愁訴(ふていしゅうそ)などを併発する場合もあります。人によって、低気圧による体調不良は様々です。飲み薬やマッサージなどで、症状に対処しましょう。
体内の水分バランスの乱れ
体内の水分バランスが乱れると、血液中の水分が血管の外に出て浮腫(むくみ)が発生しやすくなります。すると、身体は体内に溜まった水を排出しようと働き、水分が蒸気となって体内の上へと上ってきます。この水蒸気の圧が頭にかかる現象が、頭痛の原因です。また、浮腫によって誘発されるプロスタグランジンやヒスタミンなどの物質も、頭痛の原因だとされています。
体内の水分バランスが大きく乱れると、身体の血圧が低くなり肩や首が凝る症状が現れるケースがあります。さらには、浮腫によって関節リウマチや気管支喘息の悪化を招くパターンもあるので、これらの持病がある方は注意しましょう。
日常生活に支障が出る場合は病院で検査をし、適切な治療を受けましょう。クリニックや病院で処方された鎮痛剤を服用して、治療を進めることも可能です。
自律神経の乱れ
気圧が低下すると、空気中の酸素の量が少なくなって自律神経のバランスが乱れます。緊張状態のときに働く交感神経と、リラックスしているときに働く副交感神経のバランスが崩れることで、頭痛が起こりやすくなります。
自律神経が乱れると、頭痛だけでなく体調そのものを崩しやすくなります。人によっては、耳の閉塞感や耳鳴り、めまいやメニエール病を発症する方もいるほどです。症状が治まらないときは、無理をせずに温かくして休息をとりましょう。
鈍痛がしたり締め付けるような痛みが起きたり、頭痛の症状は人それぞれです。鎮痛剤を服用しても快方に向かわない場合は、早めに病院やクリニックを受診して治療を受けましょう。診断内容によっては、医療機関で頭痛の鎮痛剤を処方してもらえる場合もあります。
天気痛の可能性あり!簡単セルフチェック
天候の悪化で起こる頭痛としては、次の5つのような特徴があります。
- 頭痛と同時にむくみが起こる
- 関節痛や腰痛も発症する
- 首こりや肩こりが辛くなる
- 普段よりも眠気が強くなる
- 気分の落ち込みがある
台風が近いときや雨天の季節、気温や湿度の差が大きい環境は天気痛を起こしやすいとされています。天候変化以外でも頭痛になりがちな方は、特に辛く感じるでしょう。
天気痛が起きた際は、無理せず休息や耳のマッサージなどの対策を行いましょう。次の章から、天気痛の対策や予防について解説します。
天気の影響を受けやすい女性の特徴
天気の影響で頭痛を受けやすい女性の特徴は、主に次の通りです。
- ホルモンバランスの変化がある
- ホルモンバランスの乱れが見られる
- 精神的なストレスで悩んでいる
この章では、それぞれの原因について解説します。自分の症状がどれに当てはまるか、確認してみてください。
月経周期:ホルモンバランスの変化
女性の場合、毎月の月経により周期が頭痛に影響している場合があります。女性はホルモンバランスの変化によって、気圧や天気の変動で体調を崩しやすいです。
さらに、女性は男性よりも筋肉量が少なく、冷え性になりやすい方もいます。人によっては、頭痛と同時にイライラや倦怠感を覚えて、日常生活に支障が出る場合もあるでしょう。生理痛が重なると、余計に痛みや倦怠感が重なってしまうものです。
ホルモンバランスが乱れて辛い際は、無理せず休息することが大切です。
更年期:ホルモンバランスの乱れ
40〜50代以上の閉経した女性の場合、更年期障害によるホルモンバランスの乱れが発生しやすくなります。ホルモンバランスが変化する更年期に見られやすい症状の一つが、天候変化による頭痛です。
更年期は、卵巣ホルモン(エストロゲン)の減少によって、血液中のセロトニン(脳の血管と収縮に関係)が不足します。そのため、血管の収縮に支障をきたして、脳の血管を拡張させて頭痛を引き起こしてしまうのです。
また、エストロゲン分泌がうまく行かなくなるため、自律神経のバランスも乱れやすくなります。気圧センサーの役割のある内耳が、自律神経の乱れで敏感に反応しやすくなるため注意が必要です。
気質:精神的なストレス
精神的なストレスも、天気痛の原因の一つです。天候の変化と日々のストレスが重なり、頭痛や肩こりなどの不調を引き起こしてしまうのです。
ストレスの原因には、仕事や私生活での対人関係や、生活習慣の乱れなどがあります。いずれの原因でも、長期的に続くと天気痛の起こりやすい体質になる可能性があります。
体調を整えるには、交感神経と副交感神経のバランス維持が大切です。神経のバランスを維持するためには、十分な睡眠や栄養バランスのよい食事を取り入れ、適度な運動などを行いましょう。
天気のせいで頭痛が起きたら?短時間でできる対処法
天候変化による頭痛が発生した際は、下記の対策を取りましょう。
- 耳のマッサージと温罨法(おんあんぽう)で血行促進
- 軽い運動や入浴で汗をかく
- 漢方薬で内耳のむくみケア
- 鎮痛剤で痛みを和らげる
この章では、それぞれの対策について解説します。頭痛の対策に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
耳のマッサージと温罨法で血行促進
天候変化による頭痛対策として、耳のマッサージと温罨法があります。いずれも、血流の促進に働きかける方法です。
耳のマッサージは、耳周辺の血流をよくするのに効果的です。気圧センサーの役割のある内耳をマッサージして、血流とリンパ液の流れを良くします。場所を問わずに、耳をつまんで回すだけで簡単にできるので、覚えておきましょう。温罨法とは、患部を温めて血流をよくする温熱療法です。ホットパックやホッカイロなどが該当します。体を温めて全身の血行を促し、天候変化からくる頭痛を和らげる効果が見込めます。
軽い運動や入浴で汗をかく
軽い運動や入浴も、頭痛対策に効果を期待できます。どちらも、全身の血行を良くして自律神経を整えられるからです。
頭痛が起きている際の運動は、無理に激しくしなくても構いません。ウォーキングや軽いラジオ体操、ストレッチなど体調に合わせて行いましょう。筋肉の凝りをほぐして、痛みを和らげられます。
また、入浴はシャワーのみではなく、可能であれば湯船に入るとより効果的です。全身を温めて、血流を良くします。熱すぎないお湯に数分間でも浸かり、全身の筋肉をほぐしましょう。
漢方薬で内耳のむくみケア
内耳のむくみケアするための漢方薬として、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)があります。自律神経やホルモンバランスの乱れによって発生する血流の滞りやむくみ、耳鳴りなどに対処できる漢方薬です。
天候変化による頭痛は、血流が悪くなりむくみが発生しやすい特徴があります。当帰芍薬散の適切な服薬により、頭痛や諸症状が和らぐことが期待できます。
飲みやすい薬の形状を選択し、無理のかからないように飲んでいくことが大切です。服薬の際は、薬の説明書きをよく読んで用法用量を守り、飲み過ぎに注意して服薬をしましょう。
もしもほかに服用している処方薬があれば、医師に相談して飲み合わせについて聞いてみてください。
鎮痛剤で痛みを和らげる
頭痛の鎮痛剤を服用して、痛みを和らげる方法もあります。鎮痛剤に含まれる主な成分は、イブプロフェン・アセトアミノフェン・ロキソプロフェンなどのNSAIDsです。製品によっては、酸化マグネシウムなど胃粘膜を傷めないための成分も含まれています。
アリルイソプロピルアセチル尿素や無水カフェインが含まれている鎮痛剤は、さらに高い鎮痛効果が見られるのが特徴です。ただし、同じ鎮痛剤でも効果効能の現れ方には個人差があります。
頭痛の鎮痛剤は、自分の症状や体質に見合った薬を選ぶ必要があります。予算や症状を考慮して選択しましょう。飲み合わせについて不安がある方は、かかりつけ医に相談して服用に関して事前に聞いてみてください。
頭痛予防|天気に左右されにくい体質作り
辛い天気痛を予防するために必要な対策には、下記の3つがあります。
- 質のよい睡眠
- 栄養バランスの良い食事
- 適度な運動の習慣
この章では、それぞれの対策について解説します。天気痛を改善したい方は、ぜひご覧ください。
質のよい睡眠
十分な睡眠時間の確保は、頭痛予防につながります。痛みを和らげるだけではなく、身体全体の調子を整えて快適な毎日にしてくれるため、睡眠は大切です。
また、質の良い睡眠は疲労回復や精神的な安定にも効果が見込めます。睡眠中は副交感神経が優位になり、全身をリラックスさせてくれます。交感神経と副交感神経のバランスをよ良くするためには、十分な睡眠は不可欠です。
質の良い睡眠をするためには、就寝直前のカフェイン摂取やスマートフォンの操作を避けるなどの方法があります。読書をしたりアロマオイルを焚いたりしてリラックス効果を上げるのも、睡眠前に適した行動です。
ほかにも、眠りやすい枕の使用やヒーリング音楽を聴くなど、自分なりに効果的な睡眠方法を探してみましょう。
栄養バランスのよい食事
頭痛の起こりにくい体をつくるには、栄養バランスのよい食事も必要です。炭水化物や脂質に偏りすぎた食事ではなく、タンパク質やビタミン・ミネラルも補給しながら食事をして頭痛の起こりにくい体質にします。
アルコールやチーズ、チョコレートなどは頭痛を引き起こしやすい食材のため、摂取には注意が必要です。アルコールには血管拡張作用やむくみの働きがあり、チーズやチョコレートには血管収縮の働きがあります。摂取してすぐに頭痛は起こりませんが、摂取は控えめにしましょう。
タンパク質の摂取は、頭痛対策のみならず全身の細胞を作る働きがあるので、こまめな摂取が大切です。全体的な栄養バランスを考えながら、適切な食事習慣を作っていきましょう。
適度な運動の習慣
適度なストレッチやウォーキング、軽い体操も頭痛の予防には効果的です。激しい運動でなくても、仕事や家事の合間に適度に体を動かせば全身の血行が良くなります。血行が良くなると、自律神経が整い、頭痛の予防に繋がります。
適度な運動習慣は、頭痛の予防はもちろんストレス低減にも適しています。精神状態を安定させて、頭痛や疲労を和らげられる点も運動のメリットです。
ただし、頭痛が重いときは無理に運動をする必要はありません。軽いマッサージや入浴をして、無理なく体を休めることが大切です。
普段の歩数を増やしたり簡単な体操をして、少しでも運動の量を増やしていきましょう。
まとめ
天候変化による頭痛は、日常生活に支障が出るほどの存在です。そのため、日頃の習慣に気を付けたり、ストレスケアの手段を見つけたりして頭痛に対処しましょう。生活を整えれば、頭痛の予防と対策にもなり、生活を送りやすくなります。
もし頭痛になってしまったら、無理のない休息を取ってください。ゆっくりと湯船に浸かったり、むくみ対策の漢方薬や鎮痛剤などを服用したりして、十分に休養を取ることをおすすめします。耳のマッサージや軽いストレッチも取り入れると、副交感神経が優位になりリラックス効果を高められます。
休んでも頭痛が落ち着かない場合は、早めに病院やクリニックで受診をする必要があります。受診後は、医師の指示に従って処方薬を飲んで、無理をしすぎないようにお過ごしください。