ウィッグの購入を検討している方の中には、医療用とおしゃれ用のどちらを選ぶべきなか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。一見どちらも同じように感じるかもしれませんが、実際は品質や値段などに大きな違いがあります。本記事では、医療用ウィッグとおしゃれ用ウィッグの違いについて解説します。
この記事でわかること!
医療用ウィッグとおしゃれ用ファッションウィッグの違い
医療用ウィッグは、病気や薬の影響で脱毛した方が「生活の質の向上」を目的として、日常的に着用する装身具です。一方おしゃれ用ウィッグは、ヘアスタイルを変えて楽しむことを目的として使用されるファッションアイテムです。
以下では、医療用ウィッグとおしゃれ用ウィッグの違いを様々な視点から解説します。
ネット
医療用ウィッグとファッションウィッグの根本的な違いは、「自毛のある状態」で使うか、「地毛のない状態」で使うかという点です。
医療用ウィッグはがん治療中の方や脱毛症の方などが毎日使用するため、ネットは地肌に優しく、柔らかい素材が使用されています。一方、ファッションウィッグの裏地は化学繊維が使用されていることが多く、肌が敏感な方はかぶれてしまったり、チクチクとした肌当たりが気になったりすることもあります。
髪質
毎日長時間装着する医療用ウィッグは、自然な見た目にもこだわって作られているため、多くの場合は人毛やミックス毛(人毛+人工毛)が使用されています。人毛はセットに手間がかかる一方で、ドライヤーやヘアカーラーの使用、パーマやカラーが可能なのが主な特徴です。
ファッションウィッグは主に人工毛(化学繊維)が使用され、特有のテカリが出やすい傾向があります。ヘアスタイルが崩れにくいのがメリットですが、パーマやカラーはできず、安価な人工毛の場合は熱や摩擦に弱いため、ドライヤーやヘアアイロンなどの使用もできません。
つむじ
医療用ウィッグの頭皮部分には本物のようなつむじが作られており、上から見たときも自然です。毛流れや髪の立ち上がりまで考慮して植毛されているので、分け目を変えることもできます。
ファッション用ウィッグの場合は、使用されている人工地肌はO型やI型などごく一部であったり、そもそもつむじが作られていなかったりすることもあります。そのため、ウィッグによっては見た目に不自然な印象を与えることがあり、分け目を変えることもできません。
値段
ファッションウィッグの多くは機械植えによる大量生産なので値段が安く、5,000~20,000円前後が一般的です。医療用ウィッグの場合は、手作業で毛を1本1本植えて作られているため、ファッションウィッグに比べて料金が割高で、既製品の相場は10,000〜100,000円以上になります。
医療用ウィッグ選びで失敗しないためのチェックポイント
医療用ウィッグを選ぶときに知っておきたいチェックポイントを4つ紹介します。
ネットの通気性・伸縮性の良さ
医療用ウィッグのネットは、頭皮に直接触れるため通気性や伸縮性の良さが装着時の快適さに影響します。長時間使用するウィッグだからこそ、熱のこもりやすさやフィット感などを確認して選ぶことが大切です。
つむじや髪質の自然さ
つむじや髪質が自然かどうかも、医療用ウィッグを選ぶときの重要なポイントです。つむじは下を向いたときや座っているときなど、意外に周囲の人の目につくため、どこから見ても本物のような仕上がりになっているものがベストです。
分け目を自由に変えたい場合は、つむじの幅が広いタイプを選ぶとスタイリングがしやすくなります。人工毛を使用している医療用ウィッグは、つむじ部分が自然であっても特有のテカリがあることから、髪質に違和感が出ることがあります。自然な見た目にこだわるなら、人毛やミックス毛のウィッグがおすすめです。
サイズが合っているか
当然のことながら、ウィッグのサイズが合っていないと不自然な印象になってしまうため、購入前は必ず試着するようにしてください。インターネットで購入する際は試着ができないので、返品や交換が可能なショップを選ぶことが大切です。
アフターサービスが充実しているか
多くの場合、医療用ウィッグは長期間にわたって使用することになります。そのため、アフターサービスが充実している店舗で購入すると良いでしょう。
一般的に、人毛の医療用ウィッグは半年~1年ほど使用すると色あせてしまうことがあり、人工毛やミックス毛では繰り返しの摩擦によって毛先が縮れることがあります。その他、きれいな状態をキープしながらウィッグを使用し続けるには、日常の手入れではできない汚れ落とし、装着感の調整、ヘアセットなどのメンテナンスも必要です。アフターサービスの内容や料金はお店によって異なるので、サポートの充実度でお店を選ぶのも良いかもしれません。
既製品とオーダーメイド品の違い
医療用ウィッグは、既製品とフルオーダー・セミオーダー品の中から選ぶことができます。既製品は比較的金額が手頃で購入後すぐに使えることがメリットですが、サイズや毛量、長さの調節などができないことがほとんどです。
オーダーメイド・セミオーダー品はどちらも頭囲に合わせてサイズの微調整ができるため、既製品よりもフィットしやすく、ヘアスタイルやカラーなども好みに合わせられることがメリットです。
特に、フルオーダーは一人ひとりの頭の形に合わせた自分だけのウィッグになるため、装着感や見た目の不自然さなどは一番少ないと言えます。また、毛質やスタイル、カラーなども自由に注文できます。しかし、仕上がりまでに約30〜40日かかり、値段も数十万円かかります。
セミオーダーウィッグは、元となる既製品のウィッグを選んだ後に希望に合わせてカットしてもらうスタイルです。フルオーダーよりも製作日数やコストを抑えることができます。
既製品とフルオーダー・セミオーダーのどちらが良いとは一概に言えませんが、例えば治療の関係で毛量が変化する方やコスト重視の方、様々なヘアスタイルを楽しみたい方などは既製品を、ウィッグだと気付かれたくない方であればオーダーメイドやセミオーダーなど、状況に応じて選ぶと良いでしょう。
医療用ウィッグおすすめブランド5選
医療用ウィッグを検討するにあたりおすすめのブランドを紹介します。実店舗があり試着ができるショップもあるので、参考にしてみてください。
レディススヴェンソン
レディーススヴェンソンは医療用ウィッグで既製のシンプルウィッグからセミオーダーのウィッグまで幅広く商品を取り揃えています。つむじ部分が「人工皮膚」が付いている商品が多く、フェイスサイドや襟足には吸汗・速乾の素材を使用しています。さらに、スタイリストによるカットとスタイリングでより自然な仕上がりを実現できます。
実店舗もあるため試着したい方、直接相談したい方におすすめです。化学療法などがん治療による脱毛症状を診断された場合、定価より2割引にてウィッグ購入することができます。
ショップ名 | レディススヴェンソン |
メーカー名 | 株式会社スヴェンソン |
素材 | 人毛、人工毛ミックス |
タイプ | フルウィッグ、セミオーダーウィッグなど |
サイズ交換 | 〇 |
ドライヤー対応 | 人毛〇、ミックス毛✕ |
ヘアアイロン対応 | 人毛〇、ミックス毛✕ |
店舗 | 全国43店舗、オンライン相談可 |
定価(税込) | ショート 49,500円~ ミディアム 62,150円~ ロング 173,800円~ |
公式サイトはこちら |
出典:株式会社スヴェンソン
BRIGHT LELE(ブライトララ)
「BRIGHT LELE(ブライトララ)」の医療用ウィッグは100%総手植えウィッグや部分手植えなど医療用ウィッグにもいくつか種類があり、オールハンドメイド製法なのでより自然に近い上質なウィッグです。
BRIGHT LELEは他にもさまざまなヘアスタイルのウィッグを取り扱っており、ほとんどが1万円以下の低価格になっていますのでお買い求めしやすいのも特徴です。
ショップ名 | BRIGHT LELE(ブライトララ) |
メーカー名 | 京越株式会社 |
素材 | 人毛100%、人毛MIX、人工毛 |
タイプ | フルウィッグ、部分ウィッグ |
サイズ交換 | 商品到着後、7日以内にお問い合わせページまたはメールにて |
ドライヤー対応 | 〇 |
ヘアアイロン対応 | 〇(180℃まで) |
店舗 | 提携サロン2店舗(京都のみ) |
定価(税込) | フルウィッグ 5,980円~ ポイントウィッグ 1,580円~(前髪) |
公式サイトはこちら |
出典:京越株式会社
PINK AGE(ピンクエイジ)
PINK AGE(ピンクエイジ)はJIS規格 · 医療用ウィッグ審査を通過し「JIS S9623」 認証を獲得、日本毛髪工業協同組合からも「MWIG (メディカルウィッグ)」として認証されており、医療用ウィッグを取り扱っています。
また、ファッション用などの多様なウィッグを取り扱っておりトレンドに合わせたウィッグを選ぶことができ、おしゃれなウィッグをお買い求めができます。
ショップ名 | PINK AGE(ピンクエイジ) |
メーカー名 | 株式会社ピンクエイジ |
素材 | 人工毛、人毛(部分ウィッグ) |
タイプ | フルウィッグ、部分ウィッグ |
サイズ交換 | 商品到着後、7日以内にメールにて |
ドライヤー対応 | 〇 |
ヘアアイロン対応 | 〇 |
店舗 | オンラインのみ |
定価(税込) | フルウィッグ 6,980円~ ポイントウィッグ 2,980円~(前髪) |
公式サイトはこちら |
出典:株式会社ピンクエイジ
REMY(レミー)
REMY(レミー)は、人毛を100%使用した医療用ウィッグを取り扱うネットショップです。ネット通販のため実店舗より値段が手頃で、購入しやすくなっています。商品到着後5日以内に連絡すれば、交換や返品も可能です。商品不良や破損の場合はもちろん、「イメージ違い」でも返品・交換できるのも嬉しいポイントです。
ショップ名 | REMY(レミー) |
メーカー名 | ヘアダイレクト・ジャパン株式会社 |
素材 | 人毛100% |
タイプ | フルウィッグ |
サイズ交換 | 商品到着後、5日以内にメールまたは電話にて |
ドライヤー対応 | 〇 |
ヘアアイロン対応 | 〇 |
店舗 | オンラインのみ |
定価(税込) | レミースタンダード ショートスタイル 94,800円~ ミディアムスタイル 104,800円~ ロングスタイル 104,800円~ |
公式サイトはこちら |
私元気ウィッグ専門店
「私元気ウィッグ専門店」は、低価格で医療用ウィッグを購入できるネットショップです。広告費や人件費を抑えることで低価格を実現しており、「できるだけ費用を抑えたい」と考えている人も購入しやすくなっています。未使用でタグ付きなら、商品到着後3日以内に連絡すれば手数料や送料無料で返品・交換も可能です。
ショップ名 | 私元気ウィッグ専門店 |
メーカー名 | 株式会社TERMONY |
素材 | 人毛ミックス、人毛100% |
タイプ | フルウィッグ |
サイズ交換 | 商品到着後3日以内に連絡 |
ドライヤー対応 | 〇(一部商品) |
ヘアアイロン対応 | 〇(乾いた状態かつ低温) |
店舗 | オンラインのみ |
定価(税込) | ショート 11,000円~ ミディアム 22,000円~ 人毛100%ショート 25,300円~ |
公式サイトはこちら |
出典:株式会社TERMONY
医療用ウィッグに関する疑問
ここからは、医療用ウィッグでよくある疑問について解説します。
ウィッグとかつらの違いは?
ウィッグとかつらは製品としては同じですが、使用目的や性別などによって言葉を使い分けていることが多いようです。一般的に、かつらは男性の薄毛隠しに使用され、ウィッグは女性がイメチェンを楽しんだり脱毛をカバーしたりする目的で使われます。
医療用ウィッグは普通の人も使える?
医療用ウィッグをファッションウィッグとして使用しても問題ありません。
ファッションウィッグは料金が手頃でデザインも豊富に揃っているものの、つむじや髪質など不自然さが出やすい傾向にあります。
一方、医療用ウィッグは細部まで自然な見た目にこだわって作られています。「ウィッグをつけていることを周りに知られたくない」という方は、医療用を購入するのも選択肢のひとつです。
医療用ウィッグは保険適用になる?
医療用ウィッグは公的医療保険が適用されないため、全額自己負担になります。また、現在のところ医療費控除の対象にも含まれていません。
ただし、民間の保険に加入している場合は、ウィッグ購入時に還付金が受け取れる場合もあります。
医療用ウィッグの助成金制度はある?
自治体によっては、医療用ウィッグなどを購入した際に助成金を受け取れる制度があります。
例えば、東京都港区では、がん治療中の方がウィッグなどを購入した際に30,000円(もしくは購入経費の7割のうち低い額)が支給される制度があります。医療用ウィッグを購入する前に、住んでいる地域の助成金交付制度を調べてみると良いでしょう。
まとめ
医療用ウィッグは日常的な着用を想定されているため、良質で自然な見た目のものが多いものの、ファッションウィッグに比べて料金が高めです。一方、ファッションウィッグは大量生産されているため安い料金で購入できますが、見た目の不自然さが気になるケースもあります。
医療用ウィッグで失敗しないためには、ネットやつむじ、髪質の自然さやサイズをしっかり確認し、アフターサービスが充実している店舗で購入するようにしましょう。