「髪の毛を切りすぎてしまった」「挑戦したい髪型がある」このような場合に、早く髪の毛を伸ばしたいと考えるのは自然です。しかし、髪の伸びる早さには個人差があり、ヘアサイクルや頭皮環境の影響も指摘されています。
頭皮に対して適切なアプローチを行えば、髪の成長を促進できるかもしれません。反対に、不適切な習慣によって成長を阻害している可能性もあるでしょう。
本記事では、髪の伸びる早さや正常に伸ばすための6つの方法について解説します。髪の毛を伸ばす方法はすぐにでも実践できるので、本記事を参考にぜひチャレンジしてみてください。
この記事でわかること!
髪の毛は頭皮環境によって伸びる早さが変わる
髪の伸びる早さは、頭皮環境が関係しています。頭皮環境が良ければ、髪に栄養が行き渡りやすくなるため髪の成長速度が加速します。また、成長速度だけでなく強くてコシのある毛も増えるため、頭皮環境を維持することは髪の健康に欠かせません。
対して髪の伸びる早さが遅いと感じる方は、頭皮環境が悪化していることが原因かもしれません。頭皮の赤みや痒みに悩まされていたり、抜け毛が多かったりとトラブルを抱えている方もいるのではないでしょうか。
髪の毛を早く伸ばしたいと考えている方は、頭皮環境を整えることから始めるのが大切です。
ヘアサイクル|髪が伸びるメカニズムを知ろう
髪が伸びるメカニズムを知ることで、正常な髪の伸び方だけでなく、伸びづらくなる原因も把握できます。また、髪に良い習慣を送る意識も身につくでしょう。
髪が伸びるメカニズムを知るうえで重要なのは、以下の3つです。
・髪は1ヵ月で平均1cm伸びる
・頭皮環境が悪いと髪が伸びにくくなる
一つずつ確認していきます。
ヘアサイクル
髪の毛は常に成長し続けるわけではなく、成長と退行を繰り返すヘアサイクルが関係しています。ヘアサイクルには、成長期・退行期・休止期の3段階があり、これらの均衡が乱れると髪の伸びる早さが低下します。
ヘアサイクルにおける成長期は、男女で差があるのが特徴です。髪の成長を促す働きが女性ホルモンには含まれているため、男性よりも女性の方が成長期は長い傾向にあります。
また、薄毛の症状が見られる方は、ヘアサイクルの乱れが主な原因だと考えられます。そのため、ヘアサイクルを維持することは、健康的な髪の毛を生やすために大切な要素といえるでしょう。
髪は1ヵ月で平均1cm伸びる
髪の伸びる速度は、各々が持つ体質や頭皮環境で異なります。しかしながら、一般的には1ヵ月でおおよそ1cm伸びるとされています。1日計算では0.3mm〜0.4mmで、1年で約12cm伸びる計算です。そのため、髪を長くしたい場合は忍耐が必要だとわかるでしょう。
また、髪の伸びる早さは男女で変わりません。ちなみに、男性の髪が早く伸びるように認識しやすいのは、元の髪の長さが短く女性よりも成長が目立つためです。しかし、髪の抜けづらさは女性ホルモンの多さによって異なるため、女性の方が髪を伸ばしやすいのが特徴です。
頭皮環境が悪いと髪が伸びにくくなる
髪の伸びやすさには、頭皮環境が大きく影響しています。頭皮環境が良く血行が良好だと、酸素や栄養を頭皮に行き渡らせてくれます。言い換えれば、血流が悪く栄養が行き渡らないような悪い頭皮環境では、髪が伸びにくくなるだけでなく、健康な髪も生えにくくなるでしょう。
また、頭皮環境が悪いと髪の毛が伸びにくくなるだけでなく、抜け毛も増えるため、薄毛の原因にもなります。髪の伸びる速度が遅いと感じる方や、抜け毛が気になる方は頭皮環境が乱れている可能性を考えましょう。
髪が早く伸びる3つの条件
髪が早く伸びる方には共通点があります。以下の条件に当てはまる方は、髪の毛の伸びが早い傾向にあるでしょう。
・7時間以上ぐっすり寝ている
・タンパク質を十分にとっている
それぞれの条件について確認していきます。
頭皮の血行が良い
髪の毛を伸ばすために必要な栄養や酸素は、血液によって頭皮に循環されます。そのため、頭皮の血流が良好だと、髪の毛が早く伸びやすくなります。健康的な髪の持ち主や髪の伸びが早いと感じる方は、頭皮の血行が良く必要な栄養がしっかり届いている傾向にあるでしょう。
血のめぐりが悪く頭皮に栄養が届かなくなると、髪の毛の成長速度が低下するだけでなく、抜け毛による薄毛などのトラブルにもつながります。頭皮の血行が悪いと、いくら食事から栄養を摂取しても髪は健康的に成長してくれません。
頭皮環境が心配な場合は、丁寧にシャンプーをして清潔にしたり、頭のコリをほぐしたりして改善を目指しましょう。
7時間以上ぐっすり寝ている
睡眠がしっかり取れている方は、成長ホルモンの分泌が促進されるため、髪の毛が伸びやすいといわれています。対して、睡眠不足になると食事で摂取した栄養が頭皮に回りづらなくなるため、髪の成長が遅くなるでしょう。
成長ホルモンを促すための健康的な睡眠時間の目安は7時間以上です。そのため、普段の睡眠が7時間以下の方は、成長ホルモンの分泌が滞り、髪の毛の伸びが悪くなっている可能性があります。髪の健康のためにも、睡眠時間はしっかり確保して質の高い睡眠を心がけましょう。
タンパク質を十分にとっている
食事やサプリメントからタンパク質を十分にとっている方は、髪の毛の成長速度が早いでしょう。
髪の毛のほとんどはケラチンと呼ばれるタンパク質からできているため、髪の毛に栄養を行き渡らせるにはタンパク質を十分に摂取することが大切です。タンパク質が不足すると、生命維持に必要な臓器に優先的に供給されてしまいます。そのため、生命維持に直接関わらない髪の毛には栄養が行き渡りづらくなってしまいますまうのです。
また、タンパク質をはじめとする栄養不足は、髪の毛の成長速度を遅らせるだけでなく、太くて強い髪の毛も生成されにくくします。そのままでは、抜け毛や薄毛につながるリスクも高まってしまうでしょう。健康的な髪の毛を手に入れたいなら、食生活を整えて良質なタンパク質を摂取するように心がけたいものです。
頭皮の部位による髪の成長スピードの違い
髪の毛は、部位によって成長スピードが異なります。成長が早い部位と遅い部位の特徴について確認していきましょう。
速い:側頭部、後頭部
頭皮の中で髪の毛の成長が早いといわれているのは、側頭部と後頭部です。側頭部と後頭部は筋肉に覆われているため血流が良く、栄養が届きやすいとされています。
そのため、襟足やもみあげは前髪などと比較しても、伸びるスピードが早いといえるでしょう。
遅い:前頭部、頭頂部
成長スピードが早めな側頭部と後頭部に対して、成長スピードが遅いといわれるのが前頭部と頭頂部です。
しかし、髪の毛の中で、前頭部である前髪が特に成長スピードが早いと感じている方も多いでしょう。前髪は特に目につきやすい部位であるため、伸びるのが早く感じるだけで、実際は成長が遅い部位に分類されます。そのため、前髪を伸ばしたい方は、ほかの部位よりも根気強く待つ必要がありまするでしょう。
すぐできる!髪を正常に伸ばすための6つの方法
髪を正常な早さで伸ばすためには、以下6つの習慣を心がける必要があります。
・7〜8時間寝る
・湯船につかる
・頭皮に刺激の少ないシャンプーを使う
・栄養バランスの良い食事をとる
・ストレスをためない
これらの習慣を心がけると、健康的かつ正常な早さで髪の毛が成長するでしょう。それぞれの詳細について確認していきます。
1日30分以上運動する
髪の毛を正常に伸ばすための習慣として、1日30分以上の運動がおすすめです。適度な運動によって全身の血行が良くなると、頭皮へ栄養が行き渡りやすくなります。
血行を促進するための運動として、有酸素運動が特に効果的です。ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動は、筋力トレーニングに代表される無酸素運動と比較して、血液の循環を良くしやすく、髪の毛の成長にプラスの影響を及ぼします。
また、適度な運動によって脂肪燃焼や睡眠の質を改善する効果も期待でき、健康面でも大きなメリットがあります。
毎日の運動が難しい場合でも、週に2〜3回程度の運動から始めてみましょう。徐々に習慣化していくことで、髪の毛の健康をサポートする一歩となります。
7~8時間寝る
髪の毛の成長に不可欠な要素が、成長ホルモンです。成長ホルモンの分泌を促すためには、7〜8時間程度の良質な睡眠を取ることが大切です。また、深い睡眠に入るために、以下の習慣を心がけるとさらによいでしょう。
・就寝前3時間前までに食事を済ませる
・湯船に浸かって副交感神経を優位にする
・就寝前のアルコールやカフェインを控える
・快適な就寝環境を整える
特に、就寝前のスマホ操作はやってしまうという方もいるのではないでしょうか。就寝前のスマホは、ブルーライトの影響により睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が阻害されます。その結果、眠気が来づらくなり、睡眠の質が低下する原因となります。
質の良い睡眠を取るためにも、生活習慣に気を配りながら自分なりのルーティンを見つけてみてください。
湯船につかる
お風呂に入る際は、シャワーだけでなく湯船につかることをおすすめします。38〜40度程度のお湯に15〜20分浸かるようにし、のぼせないように気をつけましょう。
湯船につかると、全身の血行循環が良くなります。そのため、頭皮の血行が良くなると髪に栄養が行きやすくなり、髪の成長を期待できるでしょう。
緩やかに体温を上げるために、湯船につかる際は半身浴がおすすめです。徐々に血流を良くしていくことで、血管や全身状態に負担をかけることなく健康的な血流に近づけるでしょう。
さらに、湯船につかることで得られるリラックス効果も髪に効果的です。副交感神経が刺激され、自律神経が整うことでヘアサイクルの乱れも抑えられます。
頭皮に刺激の少ないシャンプーを使う
頭皮に皮脂や汚れが詰まっていると、健康的な髪の毛の発毛を阻害してしまいます。そのため、適切なヘアケアで頭皮の環境を維持することが大切です。
頭皮の汚れを落とすために念入りに洗髪するのは、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまう恐れがあるため注意しましょう。皮脂を洗いすぎると頭皮が乾燥しやすくなり、結果として皮脂分泌を過剰にしてしまいます。
洗いすぎが心配な方は、頭皮に刺激の少ないシャンプーの使用を検討してください。必要な皮脂まで洗い流してしまう心配が少ないので、頭皮環境の維持にもよいでしょう。
栄養バランスの良い食事をとる
食事の質を上げ、栄養バランスに気を配ることは、髪の毛の成長をサポートするうえで重要な要素です。
栄養バランスの偏った食事をとっていると、頭皮に十分な栄養が行き渡らなくなるため、髪の毛の成長速度が低下してしまいます。
それを防ぐためにも、食事は栄養バランスを意識して摂取することが大切です。普段から、ジャンクフードやインスタント食品をよく食べている方は注意しましょう。
髪の毛を作るうえで欠かせないタンパク質やアミノ酸、ビタミンなどを満遍なく取り入れて、髪の毛に十分な栄養が行き渡るように心がけましょうたいところです。
ストレスをためない
過度なストレスは、自律神経の乱れを引き起こす要因の一つです。自律神経が乱れると頭皮が緊張状態になり、血行が悪くなります。その結果、頭皮に栄養が届かなくなり、髪の毛の成長を阻害してしまう可能性があります。
髪の毛を十分に成長させるためには、ストレスを感じたらその都度発散して、ケアすることが大切です。適度な運動や十分な睡眠、趣味に没頭するなど自分に合った方法を試して、ストレスを低減して溜め込まないようにしましょう。
【NG行動】頭皮を弱らせる3つの生活習慣
生活習慣によっては、頭皮を弱らせる原因となります。以下の習慣のある方は、特に注意が必要です。
・過度なダイエット
・喫煙
頭皮が弱ると、髪の毛の成長が遅くなります。これらの生活習慣に心当たりのある方は、健康的な髪の毛を伸ばすために、改善を目指してください。
シャンプー時に頭皮を傷つける
シャンプー時にゴシゴシと爪を立てて洗う行為は、頭皮を傷つける原因の一つです。頭皮に傷がつくと、頭皮環境の悪化につながります。傷がついた箇所は細菌が入り込みやすく、炎症や痒みを引き起こしてしまいます。
頭皮の汚れは爪を立てて洗わなくても十分落とせるので、シャンプーをする際は、指の腹で優しく洗うようにしましょう。
また、シャンプーの洗い残しも頭皮環境の悪化を招きます。そのため、頭皮についたシャンプーは時間をかけて丁寧に洗い流すことが大切です。
過度なダイエット
過度なダイエットは、髪の毛の成長を遅らせる要因の一つです。食事を十分に取らないと、栄養不足を引き起こす可能性があるためです。
身体に十分な栄養がなければ、髪へ届く栄養は後回しになってしまうでしょう。どうしてもダイエットをしたい場合は、プロテインやサプリメントで不足しがちな栄養素を補給することが大切です。
さらに、ダイエットによって心理的なストレスがかかると、自律神経の乱れを引き起こし、髪の成長を阻害する可能性があります。過度なダイエットはなるべく避け、ストレスを溜めすぎないように適度に行いましょう。
喫煙
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させる働きを持ち、頭皮の血行を悪化させる要因となります。血行が悪くなると、髪の毛の伸びるスピードが低下するだけでなく、抜け毛の増加にもつながるでしょう。
また、健康的な髪が育ちにくくなることから、髪がパサつくといった症状が起きるのも特徴です。喫煙は髪以外の健康被害も多いため、普段から喫煙している方は、タバコの量を減らしたり禁煙に取り組んだりすることが大切です。
しかし、禁煙によるストレスも髪に悪影響なので、無理のない範囲から取り組むようにしましょう。
まとめ
髪の毛を早く伸ばす方法や、正常に伸ばすための方法について解説しました。髪の毛は、頭皮環境の良し悪しで成長スピードが変わるため、頭皮環境を整える習慣を身につけることが大切です。
頭皮環境を良くするためには、睡眠の質の向上やバランスの取れた食事などを心がけましょう。また、過度なダイエットや喫煙、慢性的なストレスなどは頭皮を弱らせる原因になるので、当てはまる方は対策が必要です。
髪の毛が伸びるスピードは個人差ありますが、日頃の取り組みによって改善できます。生活習慣を見直し、健康的で正常に伸びてくる髪を大切にしましょう。