「髪は女性の命」とも言われるように、傷みがなくツヤのある髪は女性の魅力を引き立てます。そんな大切な髪の毛が傷むのを防ぐため、どのようなケアをしたら良いのでしょうか。
この記事では、髪の傷みの原因や対処法・ケア方法を紹介しています。髪の傷みでお悩みの方、髪の傷みの原因について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

étora hair
代表 NAO(カドグチ ナオミツ)
URL:https://etora.net/
◇PROFILE
美容師歴13年。
渋谷にあるヘアサロン『étora hair』代表。
お客様1人1人に寄り添った丁寧なカウンセリング、接客を心がけ、トレンドを押さえたスタイルを提供している。
この記事でわかること!
髪の傷みとは?髪が傷むとどうなる?
「髪が傷んでいる」というと「パサパサする」「チリチリする」「乾燥」「広がる」といった外部の状態をイメージする方が多いと思いますが、これらは髪の内部で起こっている問題が原因です。
傷んだ髪で起きていることについて、詳しく説明します。
傷んだ髪で起きていること
髪は内側からメデュラ、コルテックス、キューティクルの3層で構成されています。
メデュラは髪の中心部です。コルテックスは髪の約85〜90%を占め、タンパク質から作られています。さらに、そのコルテックスを覆い、タンパク質や水分を逃がさないようにしているのがキューティクルです。
髪が何らかのダメージを受けると、外側のキューティクルが剥がれ落ちてしまいます。すると内側にあるタンパク質や水分が流出してしまうことで、髪は乾燥してパサパサ・チリチリになってしまいます。
この状態こそが「髪が傷んでいる」状態です。また、キューティクルが乱れると髪のツヤがなくなり、まとまりのない髪になってしまいます。
髪が傷む原因
髪が傷む原因には、以下のようなものがあります。
・ドライヤーやヘアアイロンなどの熱
・カラーやブリーチ、パーマ
・自然乾燥
・紫外線
髪が傷む原因について、それぞれ詳しく説明します。
シャンプーやブラシの摩擦
髪が傷む大きな原因として、日常的に行うシャンプーやブラッシングが関係しています。
キューティクルが剥がれてしまう主な原因は摩擦です。日常生活の中で、髪が摩擦の影響を受けるシーンはたくさんあります。例えばキューティクルは水に濡れると開く性質があり、シャンプーは摩擦の大きな原因となります。また、ブラシや手ぐしなどで髪をとかす行為も、髪の傷みにつながります。
ドライヤーやヘアアイロンなどの熱
キューティクルは熱に弱いため、ドライヤーやヘアアイロンなどで髪に熱が加わると大きなダメージを受けてしまいます。長時間のドライヤー、高温でのヘアアイロンやコテの使用は注意が必要です。
カラー、ブリーチ、パーマ
カラーやブリーチ、パーマは、髪の傷みを進める大きな原因の1つです。髪のおよそ9割を占めるコルテックスには、タンパク質や水分だけでなく、髪の色を決める色素「メラニン」も含まれています。
カラー剤やブリーチ剤はメラニンやコルテックスに影響を与えるため、水分やタンパク質が減って髪が傷みやすくなります。
また、カラー・ブリーチ剤やパーマ液にはキューティクルを剥がす成分が含まれており、これらも髪の傷みがひどくなる原因です。
自然乾燥
前述の通り、キューティクルは水に濡れると開く性質を持っており、濡れた髪は非常にデリケートな状態にあります。そのため、濡れたまま髪を放置しておくと髪が傷みやすくなります。
場合によっては雑菌が繁殖することもあり、髪・頭皮にとって良くない影響を与えます。熱の与えすぎは髪にとってよくありませんが、ドライヤーをせず自然乾燥させてしまうと、さらに髪を傷めることになります。
紫外線
肌と同じく髪も紫外線の影響を受けますが、髪はUVケアを怠ってしまいがちな部位です。
紫外線を浴びると髪は水分を失い、乾燥・枝毛・切れ毛・カラーの退色を引き起こしやすくなります。そのため、外出の際は帽子・日傘・日焼け止めスプレーなどを活用して、髪に直接紫外線が当たる状況をできる限り避けるようにしてください。
髪の傷みをケアする方法
髪が傷む原因を解説したので、ここからは髪の傷みをケアする方法を紹介していきます。髪の傷みをケアするためのポイントは6つです。
・トリートメントの使用
・カラーやパーマの頻度を下げる
・濡れた髪を放置しない
・ヘアアイロンを正しく使用する
・頭皮のケア
それぞれのケア方法について詳しく紹介するので、ぜひ試してみてください。
正しいシャンプー方法
髪の傷みを拡大させないためにも、まずは正しいシャンプー方法を身に付けましょう。正しいシャンプーの手順は以下の通りです。
2. ぬるま湯で予洗いする
3. シャンプーを手でよく泡立ててから髪に付ける
4. しっかりすすぐ
中でも気を付けるべきポイントは、「3:シャンプーを手でよく泡立ててから髪に付ける」です。
先ほど説明したように、濡れた髪はキューティクルが開いて剝がれやすい状態です。この状態で摩擦を与えてしまうと、髪内部のタンパク質や水分が流出してしまい傷みにつながります。そのため摩擦でキューティクルに刺激を加えないように、シャンプーはしっかり泡立ててから髪に付けるようにしてください。洗う際は、指の腹で頭皮を揉み込むようにし、必要以上にこすらないようにしましょう。
トリートメントを使う
美容院で自分の髪質や傷み具合に合ったトリートメントをしてもらうと、髪の内側からダメージを補修して手触りが改善されます。カウンセリングの際に詳しい状態を美容師に伝え、適切なトリートメントを選んでもらうようにしてください。
また、自宅でできるトリートメントには、大きく分けて「洗い流すトリートメント」と「洗い流さないトリートメント」の2種類があります。
洗い流すタイプの「インバストリートメント」には、髪を補修し手触りを改善する効果があり、乾燥した髪がまとまりやすくなる効果が期待できます。洗い流さないトリートメントは「アウトバストリートメント」とも呼ばれ、ドライヤーの熱から髪を守ったり保湿したりする役目もあります。
この他にも、トリートメントにはヘアミルクやヘアオイルなど様々な種類があり、中には髪にまとまりを与えるスタイリング剤効果を持つものもあります。髪の悩みに合わせてトリートメントをうまく使い分けると良いでしょう。
カラーやパーマの頻度を下げる
カラーやパーマで髪が傷んでしまった方は、施術の頻度をできるだけ減らすことをおすすめします。
前述の通り、カラーやパーマ・ブリーチが髪に与える影響は非常に大きく、一気に髪を傷める原因になります。頻繁にパーマ・カラー・ブリーチをしている方は、パーマの頻度を下げたり、カラーやブリーチをお休みする期間を作ったりするように心がけましょう。
パーマやカラーを我慢せずおしゃれを楽しみたい場合は、髪に優しい成分を使ったカラー剤を使用するほか、髪全体へのダメージを減らすためにリタッチ(根元染め)を上手に活用するのも良いかもしれません。
濡れた髪を放置しない
髪が濡れるとキューティクルが開くため、濡れた髪は非常に傷付きやすくなっています。洗髪後は濡れた髪を放置せず、すぐに乾かすようにしてください。ドライヤーの熱による影響を減らすため、あらかじめタオルドライで十分に髪の水分を取ると良いでしょう。その際はゴシゴシ拭くのではなく、髪に押し当てて余分な水分を吸収するようにすることが摩擦を減らすポイントです。
目の細かい櫛やブラシで濡れた髪をとかすことは、摩擦を与えて髪が傷む原因になります。濡れた髪を扱う際は、粗めのブラシで軽くとかす程度に留めるようにしましょう。
ヘアアイロンを正しく使用する
ヘアアイロンやコテは、乾いた髪に使用するようにしてください。濡れた髪に当てると、一気に水分が蒸発して髪が傷む原因になります。また、使用する際はできるだけ短時間で済ませ、髪を引っ張らないように注意してください。温度は160℃以下に設定すると、髪が傷みにくいと言われています。
頭皮のケア
健康的な髪を維持するには、土台となる頭皮の状態を健やかに保つ必要があります。頭皮には皮脂や汚れが溜まりやすいため、ここで紹介した正しいシャンプー方法を実践し、汚れを洗い流しましょう。
ただしシャンプーは頭皮の乾燥を招くため、1日1回に留めるようにしてください。また、髪が濡れた状態で放置すると髪が傷みやすくなるだけでなく、かゆみやニオイ、雑菌などが発生する原因にもなります。洗髪後は髪を濡れたまま放置せず、すぐに乾かすことが大切です。
傷んだ髪を元に戻すことはできる?
一度傷んでしまった髪を、ダメージのない状態に戻すことはできるのでしょうか。髪の毛は死んだ細胞でできているため、元に戻すことは不可能です。しかし、ケア次第ではダメージを補修し、手触りをある程度改善することは期待できます。
まとめ
この記事では、髪の傷みの原因やケア法について説明しました。
髪が傷む原因は様々ですが、摩擦やドライヤーなどの熱、カラー、パーマ、ブリーチなどによるダメージによることが多くあります。髪の毛は一度傷んでしまったら元に戻ることはないため、髪が傷む原因を理解し、正しくケアすることが、髪の傷み予防につながります。
髪の傷みに悩んでいる方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。