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【医師監修】頭皮アトピーの治し方と対策についてわかりやすく紹介!

髪の毛だけじゃない!女性のための頭皮メンテナンス【頭皮ケア・ヘッドスパ】

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アトピー性皮膚炎の方の中には、頭皮アトピーに悩んでいる方もいるかと思います。一般的な治療は、外用薬や薬の配合されたシャンプーを使用した方法です。この記事では、頭皮アトピーの治し方や注意点、頭皮ケアについてわかりやすくご紹介します。頭皮アトピーで悩んでいる方や症状を和らげるには何をすればいいのか調べている方は、参考にしてみてください。
この記事の監修者

女医によるファミリークリニック
院長 大井美恵子

URL:https://www.familyclinic-hiroshima.com/

■診療科:小児科・内科・皮膚科・アレルギー科

■所属学会
日本小児科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会
日本リウマチ学会、抗加齢医学会、広島県小児科医会
高濃度ビタミンC点滴療法学会日本アレルギー学会
日本小児皮膚科学会、日本小児科医会
赤ちゃん成育ネットワーク、点滴療法研究会

■経歴
広島大学附属幼小中高、金沢医科大学卒業
土谷総合病院にて初期研修、広島市民病院小児科勤務を経て姉妹で女医によるファミリークリニックを開業。
小児科内科皮膚科アレルギー科の診察を行う。

テレビ朝日、羽鳥慎一のモーニングショーやフジテレビ Live NEWS イット!などに出演、ラジオ、テレビ、WEBなど幅広く医療情報を提供している。

 

この記事でわかること!

頭皮アトピーとは?アトピー性皮膚炎の症状

頭皮に炎症が起きている状態

頭皮アトピーは、頭皮に現れるアトピー性皮膚炎の症状や状態です。

アトピー性皮膚炎とは、皮膚の炎症を伴う疾患です。主な症状はかゆみや湿疹の他、皮膚の赤みです。また症状が良くなったり悪化したりといった状態を繰り返すのも主な特徴です。炎症により皮膚の代謝が正常に行われにくく、フケも発生しやすい傾向があります。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎は、アトピー素因などの体質的な問題や環境の影響が関係しています。また、原因が特定できないケースもあり、多因子性という複数の要素が重なった病気としてみなされています。

体質的な要素には、アトピー素因の他、皮膚のバリア機能低下も関わっています。皮膚のバリア機能は、皮膚の水分を保持したり外部からの刺激から肌を守る働きをします。肌の乾燥などでこのバリア機能が低下すると、外部からの刺激や微生物による影響から皮膚を守りきれず、炎症や過剰反応につながることがあります。

また、アトピー性皮膚炎における環境的な要素は、ハウスダスト・細菌・食べ物・薬品といったアレルゲンや、ストレス・汗・乾燥といった非アレルゲンなど複数存在しています。

頭皮アトピーの一般的な治し方

次に、頭皮アトピーの一般的な治し方についわかりやすく解説します。

外用薬を使用

頭皮アトピーのような症状が続いている時は、医療機関を受診し外用薬を処方してもらうと良いでしょう。アトピー性皮膚炎を発症した場合は、まず頭皮の炎症を和らげる必要があります。そのため、医療機関での受診が重要になります。

処方される薬は、主にステロイド外用薬という塗り薬ですステロイド外用薬は皮膚炎に使用される薬で、抗炎症の働き(炎症を和らげる働き)が期待できます他にも症状や体質などに合わせて、アレルギー反応によるかゆみといった症状を和らげるための外用免疫抑制薬などの外用薬が処方されることもあります医師の判断や状況によっては、内服薬(飲み薬)や注射薬による治療が行われるケースもあります。

薬用シャンプーで頭皮ケア

医師から外用薬を処方してもらった後は、日々の生活の中で頭皮を清潔に保つよう心がけることも治療を進める上で大切です。 

頭皮アトピーは汗や汚れ、乾燥によって引き起こされている可能性もあるので、薬用シャンプーによるケアを行った方が良い場合もあります。

医薬部外品(※医薬品ではありません)の薬用シャンプーは、頭皮や毛髪の汚れを落とすだけでなく、かゆみ・フケ・乾燥に対する効果を期待できるのが特徴です。症状によっては、ステロイドの配合されたシャンプーが処方されることもあります。市販の薬用シャンプーと異なり医療用医薬品であるため、皮膚炎や湿疹の治療に適しています。一般的な塗り薬よりも広範囲に薬剤を浸透させやすいのがメリットです。

医師の指示に従って保湿剤を使用

アトピー性皮膚炎の症状や状況によっては、外用薬だけでなく保湿剤を処方してもらえます。シャンプーでは頭皮を清潔に保てるものの、必要な皮脂まで落としてしまう場合があります。また頭皮アトピーの症状が出ている状況では、バリア機能が低下しており、少しの刺激でも過剰に反応するおそれもあります。

そこで保湿剤を頭皮に塗れば、バリア機能に必要な水分を保持する事が可能です。保湿剤は、軟膏タイプからクリーム、ローションやフォーム(泡タイプ)の4種類があります。保湿剤を含め処方された薬は、医師の指示を必ず守って使用してください

原因物質の特定や対策を進める

頭皮アトピーおよびアトピー性皮膚炎の治療では、医師との相談を重ねながら原因物質の特定や回避をしたり、予め原因物質になり得る物質を避けたりするのも大切です。原因物質を特定できれば、症状の悪化を止められる可能性があります

例えば、ハウスダストやカビなどに反応してしまう場合は、エアコンのフィルターをこまめに清掃したり布製のソファーを避けたりする他、カーペットやぬいぐるみといったホコリの舞いやすい物を室内に置かないといった対策をしてください。炎症を起こしている頭皮に刺激を与えないためには、髪を短くしたり束ねたりといった対策も効果的です。その他にも金属アレルギーや薬剤、特定の成分に対してアレルギー反応を示すことがわかった場合は、原因物質の含まれる製品を購入・使用しないことも大事です。

頭皮アトピーに対する7つの対策

頭皮アトピーの症状や治し方について把握した後は、予防や症状を悪化させないための対策について確認していきましょう。

原因物質を避ける

過去に頭皮アトピーやアトピー性皮膚炎の治療を受けた方で、アレルギーの原因物質を把握している場合は、再度症状を出さないよう日頃から食材や衣類の素材、環境に気を付けながら生活しましょう。

アトピー性皮膚炎の環境因子(環境によるアレルギー)は、花粉やホコリ、紫外線をはじめ多数存在しており、また再発原因でもあります。そのため、物質の性質に合わせて対策しておくのが大切です。例えば、紫外線で反応してしまう場合は、日傘や日焼け止めスプレーなどで頭皮の日焼け対策ができます。

保湿ケアをする

頭皮の乾燥はバリア機能低下を招き、肌の炎症や湿疹といった症状を引き起こす原因になります。

そのため、頭皮の保湿ケアは、症状の悪化や発症を止める上で重要なポイントです頭皮に付着した汚れを丁寧に洗い落とし、保湿剤で頭皮の乾燥を防ぎます。また加湿器で室内の湿度を一定に保つことも、頭皮の乾燥対策になります。

頭皮を搔き過ぎない

頭皮を掻きむしらないよう気を付けるのはもちろん、爪を短く切っておくのも頭皮アトピー対策として重要です。

頭皮アトピーは、頭皮の傷でも起こる可能性があります。無意識に頭皮を掻いてしまう場合は、癖を直すよう心がけつつ、少しでも傷が付かないよう爪を短く切っておきましょう。

ストレスを溜めすぎないよう過ごす

ストレスはアトピー性皮膚炎の環境因子なので、ストレス低減策を取り入れるのも頭皮アトピー対策として欠かせませんストレス対策は人によって異なるものの、休日に趣味や心を安らげる時間を作ってみたり、ストレスを溜めないように過ごせる環境づくりを検討してみるのもおすすめです。

また睡眠不足や不規則な生活、風邪もストレスにつながるため、夜更かしや栄養バランスの偏った食事を避け、定期的な運動を行い、体力づくりを図ってみましょう。

頭皮の日焼けを避ける

アトピー性皮膚炎の環境因子には紫外線も含まれています。特に紫外線で炎症が起きやすい場合は、UVカット付きの日傘を使用してみるのもおすすめです。UVカット付き日傘とは、紫外線の吸収や反射機能を持つ日傘の事です。UVカット付き帽子より広い範囲をカバーできるのがメリットと言えます。

また、日焼け止めスプレーも効果が期待できます。人によっては、日焼け止めスプレーなどの製品に含まれる成分が頭皮アトピーを引き起こす場合もあるので注意しましょう。日焼け止めスプレーやクリームを使用する時は、事前にパッチテストを行い、皮膚に赤みやかゆみが出ないかチェックするようにしましょう。(パッチテスト:二の腕などに少量塗り、変化がないかを確認するテスト)

ホコリやダニ対策をする

環境因子の1つには、ホコリやダニも含まれています。ハウスダストに反応しやすい方は、ホコリの舞いやすい寝具類やインテリア、ぬいぐるみ、ダニが含まれやすい物の整理や掃除を行いましょう。

絨毯やカーペットを使用しないようにし、なるべくフローリングの状態で過ごすことは、ダニ対策につながります。畳の部屋がある場合は、定期的に掃除機をかけてダニを取り除いたり換気を徹底したりするのが大切です

また、寝具類のホコリやダニといった影響を和らげるには、防ダニ加工の施されたシーツや布団カバーを使用や、リネン類の定期的な洗濯も効果的です。他にも掃除機やモップに蓄積されたゴミや汚れは早めに処分し、ホコリの少ない環境を作るようにしてください。

換気、空気清浄機を利用

こまめな自宅の換気は、ホコリやカビ、ダニ対策にも役立ちます。

ただし花粉の多い時期の換気は、花粉による頭皮アトピーリスクの原因になりかねません。花粉などで換気が難しい時は、空気清浄機の他、除湿器を活用して室内の湿気を取り除きましょうまた、布製ソファーを使用しないこともホコリ対策になります

頭皮アトピー対策におけるシャンプーのポイント

頭皮アトピー対策で欠かせないポイントの1つが、日々の洗髪・シャンプーです。そこで最後は、頭皮アトピー対策を進める際に押さえておくべきシャンプーのポイントをわかりやすく解説していきます。

湯シャンを取り入れてみる

特に乾燥肌の方は、湯シャンを取り入れることで頭皮環境を改善できる場合があります。湯シャンはシャンプーを使用しない洗髪方法で、頭皮の乾燥防止などの効果が期待できます。シャンプーによる刺激を受けないため、頭皮のバリア機能が回復できる可能性もあります。

ただし、乾燥肌以外の方や体質的に合わない方が取り入れると、皮脂汚れの蓄積による頭皮のかゆみやフケといったトラブルを招くおそれもあり、注意が必要です。湯シャンは週に1回程度から始め、頭皮トラブルが起こっていないことを確認してから、継続するかどうか検討しましょう。

お湯の温度を38℃前後にする

お湯の温度が高すぎると、頭皮ダメージやかゆみを招く恐れがあります。また、42℃以上のお湯では皮脂を落とし過ぎてしまうこともあります。

そのため、予洗いやシャンプーの際はお湯の温度を38℃前後に設定し、温度に気を付けながら髪の毛や頭皮を洗いましょう。

強い力で洗わないようにする

頭皮や髪の毛に付着したホコリや皮脂汚れの多くは、ブラッシング・予洗い・シャンプーで落とせます。

ブラッシングの際は、顔から後頭部に向かって丁寧にかけていきます。予洗いでは頭皮の乾燥を防ぐためにぬるま湯を使用してください。続いて、シャンプーを適量手に取ってよく泡立ててから髪に付け、すすぎの際は、泡と汚れが残らないよう隅々まで洗い落としてください。

いずれの工程も力を入れ過ぎず、マッサージのようなイメージで指の腹を使いながら皮脂汚れなどを落とすのがポイントです。

低刺激のシャンプーを使う

シャンプー後にヒリヒリする時やかゆみが出やすい時は、低刺激シャンプーを検討してみるのもおすすめです。低刺激シャンプーは強い洗浄成分が配合されていないため、肌の弱い方に向いていると言えます。保湿成分の含まれた低刺激シャンプーもあり、保湿効果を得ながら頭皮の汚れを落とすことが可能です。

ドライヤーで頭皮がダメージを受けないよう気を付けながら乾燥させる

ドライヤーの熱風は、100~120℃程度と高温です。頭皮に近付けた状態で乾かすと、火傷や炎症といったトラブルを招く恐れがあります。ドライヤーを使用する際は、熱風で頭皮がダメージを受けないように、頭皮と本体の距離を20㎝以上離しながら髪を乾かすようにしましょう。 

また、1箇所に熱風を当てないよう注意するのも、頭皮ダメージを避ける上で重要です。

まとめ

頭皮アトピーとは、頭皮に見られるアトピー性皮膚炎の症状や状態のことです。強いかゆみを伴うのが特徴で、ステロイド外用薬を塗りながら時間をかけて治療していきます。

肌トラブルが起きやすくて頭皮の炎症が続いている方や最近頭皮にかゆみを感じてきた方は、頭皮ケアを始めたり医療機関の受診を検討してみてはいかがでしょうか