頭皮に白いかさぶたが出来ている場合は、剝がしたり触ったりせず、早めにケアすることが大切です。
そこでこの記事では、頭皮に白いかさぶたができる原因や対処法、注意点、発生させないためのポイントについて詳しくご紹介します。頭皮のかさぶたで悩んでいる方や、何度もかさぶたができてしまう方などは参考にしてみてください。
この記事でわかること!
頭皮に白いかさぶたが出てくる主な原因
頭皮のかさぶたが白色の場合、それは炎症の影響を受けている可能性があります。まずは、頭皮に白いかさぶたが出てくる主な原因について確認していきましょう。
脂漏性皮膚炎の可能性
脂漏性皮膚炎は、皮脂の過剰分泌などによって引き起こされる炎症で、白いかさぶたが出てくることがあります。年齢問わず発症するのが特徴の1つと言えます。
何らかの原因により、常在菌のマラセチアが増殖することで皮脂が過剰に分泌し、発症するとされています。症状の主な発生場所は髪の生え際や頭皮のほか、眉間や耳の後ろなど、広範囲に及びます。
一般的には、ステロイドなどが含まれた塗り薬やローションタイプの薬を患部に塗りながら治療していきます。また、かさぶた以外に痒みも伴う場合は、飲み薬で症状を和らげられることもあります。
尋常性乾癬の可能性
尋常性乾癬は乾癬(かんせん)の一種で、皮膚疾患です。原因などは完全に解明されていないものの、他人に感染することはありません。
皮膚が赤く盛り上がり、なおかつ白色もしくは銀白色のかさぶたができる場合があります。白いかさぶたは鱗屑(りんせつ)という古い皮膚で、掻いたり無理に剝がしたりしてしまうと出血することもあります。
通常、皮膚の表皮細胞(皮膚の中で外側の細胞)は、20代なら約28日周期、30~40代なら約45日周期で生成~剥がれ落ちるという過程を繰り返しています。
一方、尋常性乾癬の症状が出ている表皮細胞では、通常の細胞より10倍以上のスピードで成長しています。すると炎症の起きた皮膚同士が重なり、赤みがかった色に変化します。さらに炎症の起きた皮膚は角化(厚みがあり、硬い皮膚)し、白いかさぶたに変化した後、剝がれ落ちます。
治療は、ステロイド剤などの外用薬や紫外線療法、飲み薬など様々なアプローチで進めていきます。
頭皮に白いかさぶたが出る場合の対処法
次に、頭皮に白いかさぶたが出てきた場合の対処法について説明します。
かさぶたを剥がしたり触ったりしない
頭皮に白いかさぶたが出来た場合は、触ったり剥がしたりしないよう気を付けましょう。
白いかさぶたが出ている場合は何らかの皮膚炎の可能性があり、注意の必要な状態です。また無理にかさぶたを剥がしてしまうと、出血や炎症の悪化など様々なリスクにつながるほか、傷跡が残るおそれもあります。
さらに尋常性乾癬の場合は、白いかさぶた以外に、化膿して水ぶくれなどが発生することもあります。化膿している箇所を触ったり掻いたりしないよう意識することが、症状を悪化させないための重要なポイントです。
皮膚科を受診して薬剤を処方してもらう
頭皮の白いかさぶたに気付いたら、早めに皮膚科を受診しましょう。
脂漏性皮膚炎や尋常性乾癬などの皮膚疾患は、市販薬やセルフケアでは対処できません。また、どのような疾患なのか判別できない状態では、どうケアをしていけばいいのかもわかりません。
そのため、かさぶたや頭皮の炎症に気付いた時は早めに皮膚科を受診し、どのような疾患なのか診断してもらう必要があります。皮膚科では、症状に合わせて外用薬や内服薬などを処方してもらえます。
なお、脂漏性皮膚炎は、症状がひどくなると自然治癒の難しい皮膚疾患でもあり、医療機関での治療が必要不可欠です。また、尋常性乾癬には根本療法(原因を取り除く治療)がありません。そのため、長期間にわたって対症療法や生活習慣の見直しなどを組み合わせながら、症状と向き合う必要があります。
この記事内ではおすすめの頭皮保湿アイテムを紹介しています
頭皮の白いかさぶたを放置しない方がいい理由
頭皮の白いかさぶたを放置しない方が良い具体的な理由を解説していきます。
症状の悪化につながる
白いかさぶたを放置したままにしておくと、症状の悪化につながる可能性があります。例えば成人型の脂漏性皮膚炎は、症状がひどくなると自然治癒が難しいとされています。放置による症状悪化は治療の長期化につながり、注意の必要な状況になりかねません。
そのため、尋常性乾癬の場合は、医療機関での適切な治療を受けなければ症状を低減させることが難しい疾患だと言えます。
このように皮膚疾患の放置にはデメリットがあります。また、単なるかさぶたと自己判断せず、早めに医療機関を受診するのが症状を改善するためにも大切です。
かさぶたを剥がす癖につながる可能性
白いかさぶたを放置していると、頭皮を掻いたりかさぶたを剥がしたりしてしまうことに繋がる可能性もあります。
皮膚疾患によっては、白いかさぶたの形成だけでなく頭皮のかゆみといった症状も発生します。そのため、かゆみを我慢できず頭皮を掻いてしまうと、炎症を悪化させてしまうだけでなく、出血することもあります。また、かさぶたが剥がれた場合、化膿や症状悪化といったリスクも懸念されます。
日常生活で頭皮を掻かないよう意識することは可能です。しかし、就寝中や何かに集中していると無意識で頭皮を掻いてしまうこともあり、気付かないうちに症状が悪化するおそれがあります。
皮膚疾患にはかゆみを伴うケースもあるので、頭皮を掻かないよう注意しながら早めに医療機関で治療を受けるようにしてください。
頭皮の痛みが続く
白いかさぶたやかゆみが気になり頭皮を掻いてしまうと、炎症の悪化などによって頭皮の痛みを引き起こすこともあります。さらに頭皮を掻くことで手から細菌が感染するリスクもあるので、白いかさぶたや頭皮に触れないよう気を付けましょう。
また、脂漏性皮膚炎の場合は、かゆみや白いかさぶた以外に頭皮の軽い痛みも伴います。頭皮の痛みを改善させるには、医療機関で外用薬や内服薬などを処方してもらう必要があります。まずは自己判断で放置したり対処したりせず、医療機関で治療を受けるようにしましょう。
一時的な薄毛のリスクを発生させてしまう
白いかさぶたを放置することで懸念されるポイントの1つとして、一時的な抜け毛および薄毛のリスクがあります。脂漏性皮膚炎や尋常性乾癬の症状に抜け毛はありません。しかし、頭皮の炎症やかさぶたを放置したり掻いたりしていると毛根もダメージを受けるため、抜け毛が増えてしまう可能性はあります。
さらに、かさぶたの放置などで頭皮環境が悪化すると、皮膚疾患が改善したとしても抜け毛リスクが残ってしまうこともあります。
薄毛リスクという点で見ても、頭皮の白いかさぶたは放置せず早期に対処すべき症状だと言えます。
頭皮に白いかさぶたが出ないようにするには?ポイント8つ
頭皮に白いかさぶたが出ないようにするには、睡眠や食生活など様々な点から見直しを図るのが大切です。ここからは、頭皮に白いかさぶたを出さないようにするための対策およびポイントを紹介します。
十分な睡眠時間を確保する
睡眠不足の状態が続いている時は、十分な睡眠時間を確保しましょう。
睡眠不足による体調不調やホルモンバランス乱れを招くほか、頭皮に悪影響を与えることもあります。そのため睡眠不足の改善は、正常な頭皮環境を維持する上で欠かせないポイントと言えます。
寝付きが悪い時は、就寝前にスマホを見ないよう心がけたり、就寝の2時間前に入浴したりといった対策を取るのもおすすめです。
ストレスが溜まらないよう発散する方法を見つける
尋常性乾癬の原因は完全に解明されていないものの、寝不足やストレスも要素の1つです。またアトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎は、ストレスによっても引き起こされる可能性があるとされています。
他にも過度なストレスは、自律神経やホルモンバランスの乱れ、自己免疫疾患による抜け毛の増加につながるおそれもあります。そのためストレスを発散することは、頭皮に白いかさぶたを発生させないためにも必要だと言えるでしょう。例えば、趣味を見つけたり運動を始めたりといった方法が、一般的な発散方法です。
さらに、ストレスのかかった時に分泌されるストレスホルモンは、エストロゲンの分泌を止めてしまう可能性もあります。エストロゲンは毛髪の成長に欠かせないので、サプリメントや食事で補いながらストレス対策を行ってみましょう。
頭皮にダメージを与えないよう洗髪する
頭皮を傷付けないよう髪を洗うことは、炎症やかさぶたの発生を止めることにつながります。
爪を立てて頭を洗うと、頭皮に傷が付いてしまいます。また、強い力で髪や頭皮を洗っていると頭皮だけでなく髪にもダメージを与えてしまうため、洗い方を見直す必要があります。
洗髪を行う際は、予洗いの前に丁寧にブラッシングし、髪や頭皮に付着したホコリなどを落としておきます。ブラッシングでホコリを落とした後は、38℃前後のお湯で髪や頭皮全体を軽く洗います。この際も、爪を立てず指の腹で洗うように心がけましょう。
続いて、シャンプーを適量手に取ってよく泡立てた後に髪に付け、頭皮マッサージのようなイメージで、なおかつ力を入れ過ぎないよう気を付けながら皮脂汚れなどを落とします。お湯ですすぐ際は、特に生え際や耳の後ろなどに洗い残しがないよう、丁寧に流すのもポイントです。
なおシャンプー後は、インバストリートメントもしくはアウトバストリートメント、ヘアオイルで髪の保湿や栄養補給を行いましょう。
シャンプーの使用頻度を見直す
シャンプーを1日に何度も行っていると、頭皮に必要な皮脂まで洗い流しかねません。乾燥した頭皮はバリア機能が低下するため刺激に弱く、炎症が起こりやすい状態だと言えます。そのため、洗髪は1日1回程度にするようにしましょう。
またシャンプーを使用しない湯シャンという洗髪方法で、シャンプー成分による頭皮への刺激を抑えられる可能性があります。ただし、皮脂の分泌が多い方などは湯シャンでは皮脂汚れを十分に落としきれないため、シャンプーを使用するようにしてください。
シャンプーの種類を見直す
シャンプーには、洗浄力重視のタイプと低刺激タイプに分けられます。
低刺激タイプのシャンプーは強い洗浄成分を含んでいないため、頭皮や髪への負担を抑えながら汚れを落とせます。また、頭皮の皮脂を適度に残しながら洗えることから、肌の弱い方に合っていると言えます。
ドライヤーで頭皮が乾燥しないよう使い方を見直す
髪を乾かす際は、ドライヤーで頭皮にダメージを与えないよう気を付けましょう。ドライヤーの熱風は、一般的に100~120℃と高温です。そのため、頭皮に熱風を当て続けると、頭皮や毛根などの炎症につながるおそれがあります。
頭皮へのダメージを小さくするには、ドライヤーと頭皮の距離を適度に保つのが大切です。
具体的には、髪を乾かす時にドライヤーと頭皮の間を少なくとも20㎝以上離すようにしましょう。またその際、1箇所に熱風を当てないよう、常に本体を振りながら全体に行き渡るよう心がけてください。
頭皮が乾燥しないよう保湿ケアを行う
頭皮のかゆみやかさぶたなどのトラブル防止には、乾燥対策も重要です。
頭皮が乾燥してしまうと、バリア機能の低下および炎症などのトラブルを招く原因になります。そのため、日常生活で頭皮の保湿ケアを怠らないよう意識しましょう。
例えば外出や通勤の際は、日傘や帽子で日焼けによる頭皮へのダメージや乾燥を防ぐことが可能です。
他には、エアコンの使い過ぎによる乾燥を避けたり、ヘアオイルや美容液、ローションなどで頭皮の保湿ケアをしたりするのも効果的です。
無意識に頭を掻きむしらないよう対策を施す
就寝中に無意識に頭を掻きむしってしまう場合は、頭皮を保護するための方法を検討する必要があります。
起きている間は、頭皮がかゆくても掻かないように意識することは可能です。しかし、就寝中は誰かが気付かなければその場で止められません。
どうしても頭皮を掻く癖が付いている時は、かゆみを和らげるための頭皮ケアを試したり、皮膚科で相談してみたりするといいかもしれません。
おすすめの頭皮保湿アイテム
乾燥している頭皮におすすめのケアアイテムを紹介します。
イクモア キュートヘアケアエッセンス
イクモア キュートヘアケアエッセンスは、敏感な頭皮にやさしくうるおいを与える低刺激性の医薬部外品ローションです。
ダメージを受けた頭皮環境を整えたい方以外にも、かゆみ・フケに悩んでいる方にもおすすめです。濃グリセリンを高配合しているため、高い保湿力も期待できます。
商品名 | イクモア キュートヘアケアエッセンス |
メーカー | プルチャーム株式会社 |
容量 | 120ml |
定価(税込) | 4,980円 |
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出典: プルチャーム株式会社
spa hinoki 頭皮保湿ローション
spa hinoki 頭皮保湿ローションは、ヘッドスパ専門店「桧 spa hinoki」のオリジナルブランド商品です。
保湿系のローションセラミド成分とセンブリエキス等の植物由来成分をたっぷりを配合し、うるおいを与えながら頭皮を健やかにケアできます。ノズルタイプで朝・夜関係なく使えます。頭皮・髪の水分はしっかり拭き取ってから使用すると良いでしょう。
商品名 | spa hinoki 頭皮保湿ローション |
メーカー | nanzen株式会社 |
容量 | 150ml |
定価(税込) | 1,500円 |
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出典: nanzen株式会社
キュレル 頭皮保湿ローション
キュレル 頭皮保湿ローションは、敏感な頭皮にやさしくうるおいを与える低刺激性の医薬部外品ローションです。
ダメージを受けた頭皮環境を整えたい方以外にも、かゆみ・フケに悩んでいる方にもおすすめです。濃グリセリンを高配合しているため、高い保湿力も期待できます。
商品名 | キュレル 頭皮保湿ローション |
メーカー | 花王株式会社 |
容量 | 120ml |
定価(税込) | 1,430円 |
Amazonで詳細を見る |
出典: 花王株式会社
KADASON 薬用スカルプエモリエント
KADASON 薬用スカルプエモリエント(医薬部外品)は、健やかな頭皮環境の要である潤いと皮膚常在菌のバランスに着目し、土台から育毛ケアをサポートしてくれます。頭皮バランスを考慮したオイルフリー設計で、3種の水溶性保湿成分、4種類の有用成分を配合した本格的なスカルプローションです。フケ、かゆみに悩む女性に試していただきたいアイテムです。
商品名 | KADASON 薬用スカルプエモリエント |
メーカー | ワイズ製薬株式会社 |
容量 | 120g |
定価(税込) | 3,125円 |
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出典:ワイズ製薬株式会社
ダリヤ フケミンユー薬用頭皮ローション
フケミンユー薬用頭皮ローションは、付属品のマッサージヘッドで気になる頭皮部分に直接ローションを付けることができます。有効成分であるピロクトンオラミン、グリチルリチン酸ジカリウム、センブリエキス、I-メントールと保湿成分リピジュア®、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキスが配合しており、フケ・かゆみを防ぎ、髪と頭皮にうるおいを与えます。
商品名 | ダリヤ フケミンユー薬用頭皮ローション |
メーカー | 株式会社ダリヤ |
容量 | 130g |
定価(税込) | オープン価格 |
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出典: 株式会社ダリヤ
頭皮にできたかさぶたが白くない場合は?
頭皮に出来たかさぶたが白くない時は、前半で解説した脂漏性皮膚炎や尋常性乾癬だけでなく、別の疾患の可能性もあります。
例えば、アトピー性皮膚炎はかゆみを伴う炎症で、頭皮を掻きむしってしまうとかさぶたになることもあります。
また、水虫菌が原因で起こるトンズランス感染症の頭皮白癬は、ふけやかさぶたの他、抜け毛や膿などの症状が主な特徴です。感染力が強いため、早期に医療機関で治療を受けながら家庭内で感染を止めるための対策も必要になります。
まとめ
白いかさぶたを伴う炎症は、脂漏性皮膚炎や尋常性乾癬など複数存在しています。また、白いかさぶたが出来ないようにするには、バランスの取れた食事や睡眠時間の確保、低刺激シャンプーの使用、頭皮ケアなど様々な対策を進めるのも大切です。
頭皮に白いかさぶたが出来たことに気付いた方や頭皮のかゆみが気になる方は、早めに皮膚科を受診し、外用薬や内服薬などを処方してもらいましょう。